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JICA NGO 等提案型プログラム 連続研修「NGOによる住民主体型プロジェクト形成・実施のための方法論と技能」

NGOによる開発協力プロジェクトでは、住民主体がとりわけ重要です。国際機関や政府機関による事業では、多くの場合、被援助国の行政機関をカウンターパートとすることができるため、事業の持続的な担い手を確保する道がありますが、NGOの場合、主なカウンターパートは国際NGOか現地NGOであることが一般的で、それらのNGOは、プロジェクトが終了すれば、新たな資金を求めて他の地域や別の課題に移動せざるをえず、持続的な担い手を得ることは極めて難しいのが現実だからです。
プロジェクトの効果を持続させるためには、課題の当事者である住民を担い手として育てることが不可欠であり、主体性の喚起と能力の向上、すなわち住民のエンパワーメントとキャパシティビルディングをプロジェクト期間中に実現できなければ、ドナー資金の終わりが活動の終わりとなってしまいます。

住民主体やエンパワーメントを単なる言葉ではなく実体を伴うものとするためには、それらが何を指すのかを計画段階で明確化し、その実現の道筋と方法を計画の中にしっかりと組み込んだ上で実施する必要があります。

ムラのミライは、そのための方法論を言語化し、書籍「途上国の人々との話し方-国際協力メタファシリテーションの手法」や講座で広く共有していますが、この技能をさらに実務レベルで習得し、活動に反映させたいという声を受けて、この連続研修を企画いたしました。

研修の到達目標

1 研修参加者が、自身の担当するプロジェクトにおいて、
(1)中心課題(問題)は何か
(2)その解決手段としてのプロジェクト活動(特に住民に対する働きかけ)は何か
(3)上記(1)(2)が論理的かつ具体的にどう関連するか
という3点を明確に理解し、それを基に企画形成ができるようになる。

2 研修参加者が、住民が研修の必要性に気付くための働きかけなど、住民の気づきと主体的な行動変化を着実に促すことができるファシリテーションの手法を習得する。

3 研修参加者が、研修で学んだことを、住民からドナーまでの多様なステークホルダーと的確に共有し、実現できるための対話術と交渉術を習得する。

受講対象者

下記2点の両方にあてはまる方

  • 開発途上国にて住民主体型の国際協力プロジェクトを実施している、あるいはこれから実施する予定のNGO/NPO・地方自治体等のプロジェクト担当者・プロジェクト管理者であること。
  • 研修の中で、自らが形成または実施を担当している(あるいは形成/実施したことがある)住民主体型プロジェクトの事例を共有できること。

定員

15団体(30人)

  • 1団体から2名以上の参加を推奨いたします。
  • 応募期間終了後、①1団体からの参加人数②受講対象条件への適合性を考慮して選考し、参加者を決定いたします。

参加費

  • 無料
  • 東京開催の研修(第2回)に係る交通費・宿泊費の一部を補助いたします。

研修内容

全体期間 2021年4月~2022年8月(集合研修5回、コーチング6回、成果報告会1回)

  • 集合研修ごとに、次回までに実践する課題を出します。
  • やむを得ない事情によりリアルタイムで研修に参加できなかった場合に限り(全5回の内2回を限度として)動画視聴での受講を認めます 。
年月日場所実施概要
12021年
4月14日(水)、15日(木)
14時半から17時
オンライン第1回集合研修(5時間) 「メタファシリテーション基礎」
≪第1回研修の達成目標≫
・事実に基づいて事業計画を作ることの大切さを理解する ・事実を聞くことで現実を浮かび上がらせるための技法の基礎を習得する
・これまでに関わってきた事業で、住民(いわゆる裨益者)たちとのやり取りが事実質問に基づいていたかどうかを見極めることができる
・一般的、抽象的な単語を細分化(具体化)することができる  
22021年5月オンライン第1回コーチング(分野/地域別グループごとに2時間) 課題の進捗状況の共有、実践中に生じた質問
課題1:これまで関わってきた事業の計画書やフィージビリティスタディ等から「主体的行動、持続性、エンパワーメント」等の一般的な言葉を抜き出し、それらが真に意味するものを、事実質問を使って明らかにするよう試みる  
32021年6月23日(水)、24日(木)
10時から17時
オンライン第2回集合研修(2日間:10時間) 「参加者自身が関わった事業の振り返りと課題の抽出」 「パートナーシップの構築」
≪第2回研修の達成目標≫
・課題1に基づき、「達成すべき住民の姿」をあぶり出すことができる
・社会的文脈を捉えながら、課題を分析する方法がわかる ・住民たちとの「パートナーシップの構築」について理解する
・そのために必要な考え方や関わり方を、これまでの事業を分析することで気付けるようになる  
42021年7月~8月オンライン第2回コーチング(分野/地域別グループごとに2時間) 課題の進捗状況の共有、実践中に生じた質問
課題2:これまで関わってきた事業において、一方的だったと思える地域住民たちとの関りを抽出し、どのような問いかけや行動をすればパートナーシップを築けたかを考える  
52021年9月1日(水)14時から17時、2日(木)14時から17時、3日(金)13時から17時
*対面で実施する場合は時間帯を変更する可能性がございます。
オンライン第3回集合研修(10時間) プロジェクトの組み立て方と始め方 地域住民への能力向上研修の実施の仕方①
≪第3回研修の達成目標≫
・課題2に基づき、「プロジェクトの組み立て方と始め方」について、ムラのミライの過去の事業例を参考に理解することができる
・地域住民に研修をする際のファシリテーションの基本を理解することができる
62021年10月~11月オンライン第3回コーチング(分野/地域別グループごとに2時間) 課題の進捗状況の共有、実践中に生じた質問
課題3:これまで関わってきた事業において、住民への研修活動を1~2個取り上げ、「準備・実施中・実施後」に「誰が・いつ・何を」したか詳細に振り返り、どこを改善すべきかを考える  
72021年12月1日(水)14時から17時、2日(木)14時から17時、3日(金)13時から17時
*対面で実施する場合は時間帯を変更する可能性がございます。
オンライン第4回集合研修(10時間) 地域住民への能力向上研修の実施の仕方② プロジェクトにおける「軌道修正」の方法
≪第4回研修の達成目標≫
・課題3に基づき、カウンターパートやドナーとの関わり方のポイントにも気づくことができる
・ムラのミライの過去の事業例を参考に、「住民による活動計画の策定と実施」における重要事項を理解することができる
・活動中に起こるトラブルに対する軌道修正の方法を考える事ができるようになる
82022年1月~2月オンライン第4回コーチング(分野/地域別グループごとに2時間) 課題の進捗状況の共有、実践中に生じた質問
課題4:これまでに関わってきた事業において、「住民による活動計画の策定と実施」の活動を1~2個取上げ、改善すべきところは何か、どのように改善できたかを明らかにする  
92022年3月2日(水)3日(木)14時半から17時
日程変更しました
2022年3月9日(水) 14時から17時 、10日(木)9時から12時
コートホテル新横浜
オンラインに変更しました
第5回集合研修(5時間):プロジェクトを組み立てる
≪第5回研修の達成目標≫
・これまでの研修・課題内容に基づき、これまでに関わってきた事業あるいはこれから実施しようとしている事業を組み立て直すことができる
・メタファシリテーションについて第三者に的確に説明できる
102022年4月~7月オンライン第5~6回コーチング(団体別に2時間×2回) 課題の進捗状況の共有、実践中に生じた質問
課題5:これまでに関わってきた事業、あるいはこれから実施する事業について、所属する団体内で(可能ならば現地カウンターパートも含めて)どのように組み立て直すことができるか考え、改善案を作る
112022年8月3日(水)、4日(木)14時半から17時オンライン成果報告会(5時間)

講師

  • 中田豊一              ムラのミライ代表理事
  • 和田信明              ムラのミライ海外事業統括
  • 原康子                  ムラのミライ研修事業チーフ

参加申し込み期間

2021年1月11日(月)から2月14日(日)

  • 締め切り後に選考し、2月末日までに参加可否をお知らせいたします。

参加申し込みフォームGoogleフォームのページが開きます)

情報保障・講座環境について

講座への参加に際して必要な配慮や主催者・講師が留意しておくとよい事項がありましたら、お手数ですが申し込みフォームの「備考欄」でお知らせください。個々に詳細をご相談させて頂きます。
例:点字資料、要約筆記、手話通訳、車イス席、お子さんの同伴、託児など

オンライン接続機材・環境について

  • 講座が始まる前にZOOMをダウンロードしておいてください。
  • インターネットに接続できるパソコンまたはタブレットをご用意ください(講座中は資料を画面共有でお見せするため、できるだけ大きな画面のものをお使い下さい)
  • 講座中は互いの顔が見える状態のまま実施します。内蔵または外付けのウェブカメラをご用意の上、お顔や背後のお部屋が映っても大丈夫な状態で参加してください。

研修内容/研修で学ぶ方法論について知りたい方 

1)研修説明会(オンライン)

2021年2月5日(金)14時から15時

この研修の内容についてご紹介し、講師(中田豊一)との質疑応答をおこないます。参加希望の方はGoogleフォームからお申し込みください。

2)メタファシリテーション体験セミナー(オンライン)

2021年1月28日(木)19時から20時半

この研修で学ぶ方法論についてご紹介している一般向けセミナーです。

3日本国際協力財団「NPO助成成長型」メタファシリテーション伴走支援事業報告会(オンライン)

2021年2月2日(金)13時半から15時

1年以上、複数回にわたる研修とコンサルテーションを通じてメタファシリテーション(この研修で学ぶ方法論)を実践してきた2団体(シェア=国際保健協力市民の会とエイズ孤児支援NGO PLAS)と、伴走したムラのミライが共同で報告をおこないます。

4)書籍、ウェブサイト

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