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ファーマーズ・スクール

セネガル共和国:ンブール県
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概要土壌の劣化、地下水の塩化で安定しない農業経営、都市部や海外へ職を求めてやむを得ず農村を離れる若年層。「できることなら残りたい」と考えている若者たちに向けた農業開発プロジェクト。
期間2017年〜2020年
場所セネガル共和国ティエス州ンブール県ンゲニエーヌ行政区
協働者アンテルモンド(Intermondes:セネガルのNGO/NPO)
協力者JICA「草の根技術協力事業パートナー型」

活動内容

モデル農家養成研修

地域にある資源を多角的に利用した循環型農法のスキルと、持続的な農業経営スキルを地域の青年たちが身につけることを目的として、これまでにモデル農家養成研修を行いました。

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ムラのミライはプロジェクトのはじめに村人と村の様子を観察しながら歩く。
土が侵食され根本が露出したヤシの木を発見。

研修では、昔の村の様子を思い出してもらうことで、現在の村で起きていることとの比較をし、数十年の間に何が起きたのが、その原因は何かということを紐解きながら考えていきました。

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村のどこに何があるのか、どのように保水土対策を
するのか地図を作りながら話し合う農家さんたち。

ファーマーズ・スクールの整備

研修生たちが研修で習ったことを試したり普及したりする場として、自然資源を用いた循環型の農法を試しながら整備してきました。ファーマーズ・スクールは、有機農業専門家による研修などの場として活用されてきました。
事業の最終年度である2019年度には「モデル農家養成研修」で扱ってきた実践のための内容を人に伝えるための研修も行いました。

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ファーマーズスクールの農家さんたちにこれまでのプロジェクトの歩みを
振り返るインタビューをする菊池駐スタッフ。
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ファーマーズスクールで飼育されている羊。他には馬と鶏もいる。畑でイネ科の牧草を育てることで、土が耕され土壌が豊かになる。その草を動物が食べ、糞は肥料となり、循環する。
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雨季の水の流れを緩和させ土壌流出を防ぐ役目のモリンガの木がよく育っている(写真右側)。
肥料がいらずどこでもよく生え、虫よけの自然農薬や家畜の飼料、そして人間が食べても栄養満点のスーパーフード。モリンガはウォルフ語で「ネベダイ」。英語のNever Dieが語源だとか。

成果(何が起こった/変わったか)

事業地の4カ村で、研修内容を十分に理解し、自分たちで実施することに加え、他の農家たちにもその経験を伝えている研修生が誕生しています。また、近隣の小学校からの依頼を受けて、ファーマーズ・スクールの従業員が学校給食のための菜園で栽培指導をしました。その結果、教師は教わったことを菜園で実施した他、生徒たちに授業で教えて生徒も実践するようになりました。今後この菜園での収穫物は、家が遠くてお昼に家に帰ることができない生徒に提供される給食に使われます。

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子どもたちが当番制で野菜の水やりを担当している。

研修生の声

ジャン・トップさん(40代:ンディアンダ村)

私は、水やりを一度もしていないトマトを収穫しました。化学肥料も全く使っていません。でも質が良いです。土地が湿っていたので、それを利用して育てたのです。これは、研修で習った、「水の管理」に関係しています。研修で習ったことをもとに自分で考えたのです。水の管理をするために、自分の栽培面積を知る必要がありました。他の人はトラクターで土地を耕作しているけれど、栽培面積がいくらかを知りません。面積を知ることで栽培に係るコストをあらかじめ計算することが出来ることを学びました。自分は計算するようになりましたが、その大切なことを知らない人もいます。

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ウスマン・ディウフさん(30代:バガナ村)

研修で、今まで知らなかったことを知りました。昔は土地が豊かで植物も十分にありました。でも昔と今の状況は変わりました。植生も変わりましたし、井戸の水も減って、土壌も劣化しました。これは村人である私たち自身が原因だということが分かったのです。でもそれまでは知りませんでした。和田が来て研修をする中で意識を持ち始めました。このまま何もしなければ村がなくなって、みんな村を出て行ってしまう。地下水の減少、塩化、そして土壌浸食が起きていること、そしてその対策を学びました。昔は家畜の糞尿の堆肥を使っていて、化学肥料は使わなかった。それが、人口が増加して化学肥料を使うようになった。それがどうして塩化や土の劣化を引き起こすのか、よく分かったし、種市場や化学肥料市場のことも見えた。そこで、解決策はコンポスト(堆肥)だと学んだ。研修で習ったこのようなことを、他の18人の若者たちに伝えました。この地域に少しずつ伝わっていることでしょう。

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乾季の乾いた土の様子。地表がむき出しですぐに水が蒸発する。

協働者の声

これまでたくさんの事業に関わってきたけれど、失敗ばかりだったと言えるかもしれません。資金は多く費やすけれど、人々の行動変容を起こすのは難しかったです。ムラのミライのやり方はシンプルで、やり取りに基づいて、相手のことを聞くだけです。村人のやり方をもとに、どうやったら良いのかを村人自身で見つけることを大切にしています。そして、いつも、かならず村の中にノウハウや、地元ならではの強みがあることを基本に、村を直接訪ねるのです。そのアプローチは質問をするという単純なものですが、それによって村が本当に必要としているものに向き合えるのです。このようなやり方はムラのミライから私たちも学びました。

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3年間のJICA草の根技術協力事業パートナー型プロジェクト終了時に握手を交わす
ムラのミライ和田とアンテルモンド代表のママドゥ氏。それを感慨深く眺める代表理事の中田。

読みもの

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