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環境教育と環境保全活動

ネパール連邦民主共和国:ゴカルネショール市/カトマンズ市
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概要急激な人口増加に伴い、大量のごみ投棄や排水の垂れ流しが発生し、極端に汚染されたバグマティ川。ネパールの首都カトマンズを流れるこの川の再生のために、そして住民が生活環境を自分たち自身で改善するために住民自ら「何をすべきか」を考え、行動するという変化が地域に生まれることを目指したプロジェクト。
期間2012年~2017年
場所ネパール連邦民主共和国カトマンズ郡ゴカルネショール市/カトマンズ市
協働者上記市内の学校/地域住民 約1,303人
協力者トヨタ自動車(株)「トヨタ環境活動助成プログラム」
(公財)りそなアジア・オセアニア財団「環境プロジェクト助成」
JICA「草の根技術協力事業パートナー型」
外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」

活動内容

環境教育

カトマンズと小中学校生徒及び教師を対象に、参加型手法を用いた河川(バグマティ川)汚染防止をテーマとした研修を実施しました。

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カトマンズ市内中心部を流れるバグマティ川。生活排水と膨大なゴミが流れ込む。この場所で「泳いだり、魚を獲って遊んだ」という親(40代)の話を聞いても、子どもたちには信じられない。
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講師(和田)からは一言も「ゴミの減量が必要」「川をきれいに」とは言わない研修。研修生は彼女たちの言葉で、地域の人たちに川のこと、ゴミのことを伝え始め、自分たちで出来るゴミ減量を実践していった。
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ネパールのカウンターパート団体のスタッフによるバグマティ川での授業。河原に落ちていた空き缶を使って、「このマーク(リサイクルマーク)が何か知ってる?」と子どもたちに問いかける。
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環境教育を担う教員を対象にしたバグマティ川でのフィールドワーク。漠然としたどこか遠い国の気候変動でなく、地域の実情からスタートする環境教育読本を制作。環境読本を使った授業が出来る教員を養成するトレーニング。

例えば、河川の汚染プロセスを学ぶ副読本(ネパール語と英語)を制作し、研修を受けた学校を中心に配布しました。また、周囲のコミュニティにゴミの分別方法を指導する「エコレンジャー」の養成も行い、手軽にゴミの仕分け方を参照できるリーフレットとじっくり読むブックレットの2種類の教材を制作しました。

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ムラのミライでゴミの分別方法を学んだ女性たちが中心になり、独自に地元でクリーンアップキャンペーンを実施。ゴミを集めたあとに、分別の方法を子どもたちや近隣の女性たちに伝えた。

さらに、環境教育の一環で日本のアーティストの協力で、プラスティックゴミを使った作品を子どもたちと制作し、その発表会を行いました。

動画 「Story of a monstrous flower made of plastic wastes

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日本のアーティストAshina Wanatabeの監修で、子どもたちがゴミの分別回収を楽しみながらできるよう、プラスチックゴミでモンスターを制作。

分散型排水処理施設DEWATSの建設

カトマンズ市その近郊では、家庭排水が未処理のままバグマティ川へ垂れ流しとなっています。こうした汚染を食い止めるために、地域の人々の手で維持や管理が可能な分散型排水処理施設を同市近郊で3か所設置しました。

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排水処理施設の建設前に、地元の女性たちが中心になり、排水処理が必要な家がB村に何軒あるのかを世帯調査を実施。
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排水処理施設に植えたばかりの草。処理された家庭排水のなかにまだ残っている養分を草の根が吸い取り、さらに浄化された水が川へ。植物の力も借りた排水処理。

成果(何が起こった/変わったか)

研修参加者が自分たちにできる活動をそれぞれ始めています。研修(2012年度~2013年度)に参加した環境教育担当の先生が所属する学校21校に対して、研修後の活動について聞き取りを行ったところ、オリジナルの環境教育を実施した事例、学校内でのゴミ分別を継続している事例や、環境をテーマにしたイベントを実施した例が見られました。また、ゴミ分別研修を受けた住民による活動や、学校と連携して環境教育の授業を行った事例が見られました。

カルナ先生の例

副読本を使った授業を開始。「近所のバグマティ川を見に行きたい!」という生徒の声を受け、川のハイキングを実施しました。学校から5km の道のりをじっくり歩いて回り、川の周りの生き物を観察したり、川沿いにあるお寺を訪れたりしました。その後、生徒たちが「ゴミのポイ捨てをしないよう家族に話している」などの報告をしてくるようになったとカルナ先生は言います。

スミ先生の例

訪日プログラムで出会った市民グループの話を聞き、「学校だけでなく地域へも川の浄化活動を広げていきたい」と考えたスミ先生。その第一歩として、生徒のお母さんを含む、地域の女性たちを集め、ゴミ分別の研修をおこないました。スミ先生はこれまで、ムラのミライの研修を受けて、自分の家や学校でのゴミ分別や堆肥づくりなどに積極的に取り組んできました。今度は、地域を巻き込んだゴミ問題への取り組みを始めています。

私たちの事業で育成されたエコレンジャーは、事業終了後も行政の委託を受け、他地区へのゴミ分別の指導にも携わっています。

動画 「私のバグマティ川 今と未来

研修生の声

私には、3歳の息子と6歳の娘がいます。研修に参加し始めてから家でのゴミ分別を始めましたが、娘は、ゴミの種類ごとに別々のゴミ箱に入れる習慣がつきました。息子は、まだ幼くて分別はできませんが、「ゴミをゴミ箱に入れる」ということは身に着けています。

読みもの

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