読込中

連続研修「NGOによる住民主体型プロジェクト形成・実施のための方法論と技能」

概要住民主体やエンパワーメントを単なる言葉ではなく実体を伴うものとするためには、それらが何を指すのかを計画段階で明確化し、その実現の道筋と方法を計画の中にしっかりと組み込んだ上で実施する必要があります。ムラのミライは、そのための方法論を言語化し、書籍「途上国の人々との話し方-国際協力メタファシリテーションの手法」や講座で広く共有していますが、この技能をさらに実務レベルで習得し、活動に反映させたいという声を受けて、この連続研修を企画しました。
期間2021年4月~2022年8月(集合研修6回、コーチング6回、成果報告会1回)
場所オンライン、東京
協働者JICA関西



活動内容

開発途上国にて国際協力を実施している、あるいはこれから実施する予定のNGO/NPOのプロジェクト担当者・プロジェクト管理者を対象に、1年半にかけて研修と個別コンサルティング(コーチング)を行いました。

集合研修では毎回、参加者への課題(宿題)が出されました。各参加者は、集合研修で学んだ技術をそれぞれの活動現場で実践し、課題に取り組む→実践したことをコーチングや次回の研修で報告する→報告に対して講師からのフィードバックを受け、実践内容を改善するということを繰り返しながら、技術を定着させていきました。

成果(何が起こった/変わったか)

活動現場のリアリティが見えるようになってきた参加者からは、下記のような声があがりました。

  • 研修前は、現地の状況を聞く時に、原因や、誰に聞いたらいいと思うかなど、スタッフの考えに頼っていた。そうするとスタッフは、自分の知識・経験から話してしまう。実態のないことをやっていたとわかった。研修を経て、事実を聞こうという意識がでてきた。
  • 現地スタッフがNOと言える聞き方を意識しするようになった。自分自身が上司に報告する場面を思い返すと、信頼関係がないと、詰められている感じがするかなと思ったので、信頼関係を意識してやっていきたい。団体内でも毎回研修内容を共有し、「それは事実じゃないんじゃないか」と問いあうカルチャーができつつある。
  • これまではレポートに追われて、現地の人の話を聞くことができていなかった。以前は、現地スタッフとのやり取りで「なぜそうしたか」「どう思うか」「どうしたら良いか」と尋ねることがしばしばあった。つい前のめりになり、期限がある中での実施に向けて、日本側が求める答えを引き出そうとしていた。研修後は、相手を主体にした事実質問で詳細に聞くことで、スタッフは経験した事実をそのまま簡潔に答えてくれた。バングラデシュ=貧しいは思い込みだと気づかせてもらえたことが大きい。

読みもの

ムラのミライ ニュースレター 2022年10月号



copyright © ムラのミライ