団体の強みを活かす子ども・子育て支援プロジェクト

日本:関西地域

支援活動ふりかえりプログラム(2024年7月)
概要子ども・子育て支援NPO、特に困窮世帯を支援する団体の多くは、日々の活動や運営に追われ、自団体の特徴や強みを整理し、支援の方向性を明確にする時間がなかなか取れません。ムラのミライでは、こうした支援団体が、限られた時間の中で活動を振り返り、情報を適切に共有し、今後の方針や計画につなげられるよう、以下の事業を実施しました。
(1)支援活動ふりかえりプログラム実施(教材作成)
(2)事例・テンプレート集『子ども・子育て支援活動サポートブック-子どもも大人も安心できる組織づくり-』の制作(試用)
期間2024年4月~2025年3月
場所関西地域(大阪府、京都府、兵庫県、和歌山県)
協働者(特活)こどもサポートステーション・たねとしずく
協力者独立行政法人 福祉医療機構(WAM)令和6年度社会福祉助成振興事業

活動内容

関西地区のひとり親・困窮家庭支援団体が、自団体の経験を言語化し、中長期的な活動計画や担い手育成に取り組むことができるよう、以下の活動を行いました。
1. 支援活動ふりかえりプログラム(兵庫3団体、大阪2団体、計47名が参加)
子どもの居場所支援を行う5団体を対象に、連続研修を実施し、教材を開発しました。
・メタファシリテーション×子どもの権利講座:支援方針づくりの事例と方法論を紹介(参加者:13名)
・団体別ワークショップ:各団体の現場を訪問し、支援事例を分析。支援方針を決めるために必要なプロセスを整理
(参加者:20名)
・フォローアップ研修:参加団体が支援方針づくりの進捗を報告、フォローアップを実施(参加者:14名)

2. 事例・テンプレート集『子ども・子育て支援活動サポートブック–子どもも大人も安心できる組織づくり–』の制作(2025年3月発行)
子ども・子育て支援団体が「支援方針策定」「情報共有」「役割分担」「振り返り・改善」「記録・管理」「リスクマネジメント」等を円滑に、負担なくできるようにサポートすることを目的として冊子を制作。2025年3月よりホームページにて無料公開。

成果(何が起こった/変わったか)

支援活動ふりかえりプログラムでは、支援者と子ども、また支援者同士のコミュニケーションを客観的に振り返る機会を設けました。研修後のアンケートでは、参加者の84.6%が「運営体制の現状」を振り返ることができたと評価しています。
ある団体では、このプログラムに参加した後、以下のような運営体制の見直しを行いました。
・現場スタッフのシフトをアプリで共有したり、情報共有にホワイトボードを活用するなど、スタッフ間の情報共有を工夫
・毎回の活動後に短時間でも振り返りの時間を確保
・子どもの権利を尊重したコミュニケーション方法を学び、支援方針を見直した
プログラム終了後、この団体から「団体内の人間関係が改善し、支援現場での課題解決が進んだことで、団体として社会課題の解決に向けた手応えを感じられるようになりました。」との報告が届きました。

参加者からの声

  • 座学、ワークショップ体験、体験したこと振り返るという3段階で構成されていて、メタファシリテーション手法をしっかり経験を通して理解できました。また、それにより私たち団体の課題が明らかになり、課題解決に向けて、具体的な動きを取ることが出来ました。(子ども居場所支援団体 運営スタッフ)
  • 若者とのコミュニケーションの取り方について、改めて気をつけなければいけないなと初心に帰ることができました。新しいスタッフが増えたり、新しい事業を始めたりと動きがある中で、運営の仕方等を見直す必要があるという気づきが得られました。(若者の居場所支援団体 専門職)

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