大切なお知らせ-代表継承-

日頃よりムラのミライの活動をご支援いただき、心より感謝を申し上げます。
この度、17年間代表理事を務めた中田豊一から、海外と国内の事業統括を担当してきた原康子へと代表のバトンを引き継ぐこととなりました。今後、中田は岩手県を拠点として農業に取り組む一方、執筆やムラのミライのシニアコンサルタントとして活動を続ける予定です。
新体制への移行は、何年も前からゆっくりと着実に進めてまいりました。本格的には2023年の中期方針・計画づくりにあたり、代表理事や理事ではなく、国内外の活動の担い手が中心になって行ってきました。新体制となって、大きな変化を迎える一方、これまでどおり地域コミュニティが資源を維持、活用、循環させる仕組みや暮らし方を目指し、それらを創り出していく人たちとともに、現場での学びと実践を大切にした活動を続けてまいります。今後もどうぞよろしくお願いいたします。

(写真:2025年6月14日定期総会)

新旧代表からのごあいさつ

新代表あいさつ

2025年6月より、認定NPO法人ムラのミライの代表理事に就任いたしました原康子です。
今年、ムラのミライでは、中田豊一をはじめ、多くの理事・監事が退任し、大きな節目を迎えました。
私自身は2000年以降10年におよぶインド駐在や5年のネパール暮らしを経て、9年前からは京都で暮らしながら海外や日本国内の事業に関わってきました。

この間、海外や国内での事業に共通していたことがより鮮明に浮かび上がってきました。それは、これまで見えにくくされてきた自然や生態系、女性のケア労働、子ども・若者にまつわる課題に、現場の声を起点にムラのミライは一貫して取り組んできた、という点です。セネガルの土壌再生や、日本でのひとり親支援団体への伴走もその一例です。

今、社会の土台そのものが揺らいでいます。イタリアの思想家アントニオ・グラムシは「古いものは死にかけていて、新しいものはまだ生まれていない」と語りました。私たちは時代の変わり目に何度もやってくる、その空白の時代を生きているのでしょう。前代表の中田豊一は「今、求められているのは“自助”と“公助”のあいだに橋をかけること」と語りました。それは、自助と公助を再定義する試みでもあります。そして「その橋をどうかけるか」が、今の私たちの課題です。
これからも、国内外での対話と実践を通じて、人と人、制度と暮らし、自然と社会をつなぐ『橋』をかけ続けていきます。“まだ名前のついていないミライ”を共に創る仲間として、みなさまのご参加とご支援を心よりお願い申し上げます。

(特活)ムラのミライ 代表理事 原 康子

前代表あいさつ

思い起こせば、当時の和田代表と共同で代表理事になったのが2007年、そして2015年からは単独でその任を務めさせていただきました。楽をさせてもらった割には得るものが多く、感謝の思いでいっぱいです。
在任中にご支援、ご協力を下さった皆さま、いろいろな機会にやり取りしていただいた皆さまに、改めてお礼申し上げます。
この間、唯一大変だったのは資金繰りでしたが、スタッフの皆さんが自ら努力し、工夫しながらその都度乗り切ってくれたのも今となってはいい思い出です。

NPOの多くが、世代交代に苦労している中、当会は主要スタッフの誰もが、明日にでも事務局長を担えるだけの力量を備えており、そうした心配も全くありません。当会にはメタファシリテーションという軸があり、事実に基づいて考え、議論し、主体的に決めて行くという姿勢、方針、技能を皆で共有できていることによると思われます。
和田と私という高齢男性が表舞台から姿を消し、これからは次世代の女性たちが中心を担うことになります。皆さまのさらなるご参加とご協力に支えられ、違った花を咲かせるに違いありません。

私ごとですが、昨秋、岩手県花巻市の農村に移住し、農家の生活を営んでいます。途上国の農村で、自分ではやりもしない、できもしないことを、したり顔でやり取りしてきた負い目が私をここに導いたような気がします。案の定、自然を相手に生きることのたいへんさ、著しい過疎高齢化の真っただ中で立ち位置を見つける困難さに四苦八苦しています。この地で新しい花を咲かせるのは無理としても、何とか根を張れるといいのですが。

(特活)ムラのミライ 前代表理事 中田 豊一