代表理事挨拶

認定NPO法人ムラのミライの代表理事に就任いたしました原康子です。
2025年、ムラのミライでは、中田豊一をはじめ、多くの理事・監事が退任し、大きな節目を迎えました。
私自身は2000年以降10年におよぶインド駐在や5年のネパール暮らしを経て、2016年からは京都で暮らしながら海外や日本国内の事業に関わってきました。
 
この間、海外や国内での事業に共通していたことがより鮮明に浮かび上がってきました。それは、これまで見えにくくされてきた自然や生態系、女性のケア労働、子ども・若者にまつわる課題に、現場の声を起点にムラのミライは一貫して取り組んできた、という点です。セネガルの土壌再生や、日本でのひとり親支援団体への伴走もその一例です。

今、社会の土台そのものが揺らいでいます。イタリアの思想家アントニオ・グラムシは「古いものは死にかけていて、新しいものはまだ生まれていない」と語りました。私たちは時代の変わり目に何度もやってくる、その空白の時代を生きているのでしょう。前代表の中田豊一は「今、求められているのは“自助”と“公助”のあいだに橋をかけること」と語りました。それは、自助と公助を再定義する試みでもあります。そして「その橋をどうかけるか」が、今の私たちの課題です。
これからも、国内外での対話と実践を通じて、人と人、制度と暮らし、自然と社会をつなぐ『橋』をかけ続けていきます。“まだ名前のついていないミライ”を共に創る仲間として、みなさまのご参加とご支援を心よりお願い申し上げます。

ムラのミライ代表理事 原 康子