第13号「オラ達の村の銀行」(2014年6月13日発行)

In 802プロジェクト通信 インド「水・森・土・人 よもやま通信 第2部」 by master

目次

1.種の銀行をつくろう
2.事前準備は完璧?
3.準備は準備、本番は本番
4.反省、前進、デジャブ
5.三度目の正直
6.やっぱりラマラジュさん
7.振返れば

灼熱の南インドの夏も大詰めの5月、40度を超える暑さのなかで降る雨は、暑さに参る人々と野山の草木を潤し、夏の終わりを感じさせる。来る雨期に向けて村々では着々と研修に励む。
「ブータラグダ村(以下B村)の人たちは、去年もモデル農地の活動計画を作っていて、何をどうするかは知っているから、あとの研修はお願いね(ラマラジュさんキョーコさんから残りの研修を託されたヒロアキスーリー。今回のよもやまはヒロアキがお送りします。

1.種の銀行をつくろう

昨年から農業研修を続け、着実に成果が見え始めているB村(よもやま通信バックナンバー参照)。昨年から続いている世帯単位での新しい農業への挑戦に加わり、村全体の活動として村の中で種を保管、貸借りできる「シード・バンク(種子銀行)」の設立も目指している。種子銀行では、金銭の貸借りの代わりに種の貸借りが行われる。種まきの季節に銀行から種を借りて、収穫後に利息として借りた量以上の種を返済し、保管された種は、また次の季節に使われる。種子銀行を運営することで、村人たちは村の中で毎年必要な種を確保することができる。

これまでは必要な種を種苗店や市場から現金で購入していたB村。種の購入のために高利貸しから借金が必要なこともあった。また、村のお年寄りが若い頃は存在したのに現在ではB村では姿を消してしまった種もある。種子銀行の設立は、種を外から現金調達することなく自分たちでまかなうことを可能にし、同時に在来種を守ることもできる。

5月中旬には、種を保存するための保管庫が完成し、種子銀行設立に向けての準備が着々と進む。種子銀行で取扱う種と、種ごとの収集、保管作業の責任者も決まった。次のステップは、村に現在ある種の収集作業と、良質の種の選別から管理、貸付、回収という一連の流れを流域管理委員会の規定づくり。
これまで研修を担当していた名ファシリテーターコンビのラマラジュさんとキョーコさんに代わり、ヒーローこと筆者とスーリーという迷ファシリテーターコンビが種子銀行の設立の研修を任された。

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2.事前準備は完璧?

あれよあれよという間に決まったヒーロー、スーリー・コンビによる研修の引継。キョーコさんは日本国内での研修業務で一時帰国、ラマラジュさんはアドバイザーのような役割で、インド事務所のある町、ビシャカパトナム市から研修を統括する。

「ぼくとキョーコさんは、1回の研修のために2,3日かけて準備します。まず君もその日の研修がどうやって進むかしっかりイメージしてみなさい。」というラマラジュさんからのアドバイスを受ける。

新しい研修とは言え、ラマラジュさんとキョーコさんの研修を経て、すでに種子銀行設立に必要な基本的な考え(例えば収集、管理、貸出、回収という流れや、その責任者)は話し合っているB村。ということで今回の筆者とスーリーの役割は、B村の人たちが自分たちの考えを銀行の規定として定めるうえで、ヌケやモレがないかを確認し、必要に応じて彼らの気付きを促すような働きかけをすること。筆者はまず研修がどのように始まり、どのように終わるかをイメージして、ラマラジュさんにアドバイスを求めた。

「まずは、中心となる若者2,3人が、他の参加者たちに今日の流れを説明するのではないでしょうか?それから前回の研修で決まった各責任者を中心に、持ち寄った種の選別を始めます。私とスーリーの役割は、村人たちの作業で抜けている点がないかと、お年寄りが話についていっているかを確認し、もしそうでなければ修正するような質問をするという形でよろしいでしょうか?」
「ふーん。じゃあ、もし村人全員が同じ種類の種を持ってきたらどうしますか?」
「あっ、、、まずは種を集める量を決めないといけないですね。」
「そう、まずはそれぞれの種をどれだけ集めて保管するかを決める。それから、各家庭から持ち寄る種の種類と量を決める。持ち寄った種の中から虫食いや大きさなどを見て種を選ぶ作業はその後」
このような形で、種の収集と選別、管理、貸付けに関してことラマラジュさんから細かくアドバイスを受ける。
研修前日、早めにビシャカパトナムの町から村にある研修センターに移動し、ラマラジュさんからもらったアドバイスをスーリーと共有する。
「まずは集める量が彼らの中で決まっているかを確認しましょう。決まっていればそれでいいし、決まってなければどうやって量を決めるかを聞きましょう。それから、種選びの方法を村全体で統一して共有できるようにして、、、それから、、、それから、、、」と意気揚々と翌日の流れについて話す筆者とスーリー。
流域管理も新しい農業でも他のどの村より熱心なB村だからこそ、筆者とスーリーは自信に満ちていた。この自信は、「おれたちなら大丈夫!!」という研修への自信というより「あいつらなら大丈夫!!」という、B村への圧倒的な信頼だった。B村へ向かう車の中で、再度スーリーとの確認作業。
そして、いざB村へ、、、

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3.準備は準備、本番は本番

B村に到着すると、村の人たちの姿がちらほらとしか見えない。隣の村で政府スキームによる食料の配給が行われているとのことで、村の人たちの多くは隣の村に行ってしまっている。青年リーダーの一人であり、たびたびスーパー研修員としてよもやま通信にも登場するアナンドから、1時間ほど待つように告げられる筆者とスーリー。しばらくするとポツポツと村の人が現れはじめる。この日の研修は、保管する種を選び、選んだ種を保管庫に移す作業と、そのプロセスを種子銀行の規定として定める作業を並行しなければいけない。筆者たちは、まずは保管する量や条件など種選びのルールを決めて、それに基づいて村人みんなで種を選んで保管する、という流れをイメージしていた。しかし、実際にはポツポツと集まってきた村人たちは、特にルールを決めることなく種選びを始めた。

(待てよ、この流れはさっき確認したものとは違う。種を選ぶ前に量を決めないと。)
「その種は何キロ集めるんですか?」村人に尋ねる筆者とスーリー
「この種も、あの種もどの家族からどれだけ集めるかノートに書いてあるよ。」とアナンドが答える。さすがはB村。これまでのラマラジュさん、キョーコさんの研修を踏まえてしっかり村で話し合っている。この点は全く心配はいらない。とは言え、量が決まっていても選定のルールも決めずに選んでいたら種の品質が統一されていない状態で保管することになってしまう。
(とにかく種を選ぶための条件を統一して、種子銀行の規則としてまとめるように働きかければいいんだな。)
種選びの作業を種子銀行の規則につなげるために、様子を伺う筆者。筆者たちがB村に到着して1時間ほどが経過する頃、村人たちが次々に配給から戻ってきて種選びに参加する。
「スーリーさん、彼らの種を選ぶ作業はいいんですけど、収集量や方法についてしっかり記録する作業もやらなきゃいけませんよね。ちょっとここらでそれぞれの種をどれだけ集めるかと、どんな基準で集めているかを確認してみましょう。」
「わかった。(村人に向かって)おい、まずは保管する量を決めないと。」と叫ぶスーリー。しかし村人からの反応はない。種選びに集中している村人たちは筆者やスーリーに見向きもせず黙々と作業を続ける。
「おい、じゃあ種をどういう基準で選んでいるんだ?」と、もう一度叫ぶスーリー。
「虫食いと、サイズと、色と、乾き具合と、、、」と面倒くさそうに答える2,3人の村人たち。
(ダメだ。みんな完全に目の前の種に夢中でこちらの話は全く聞こえていない。)
そして、昼が過ぎ、作業は夕方まで続いた。この日、B村の人々は非常に精力的に働き、以前の研修で定めた28種類の種のうちB村にある豆や雑穀など21種類を収集した。その後、収集した種を布の袋に入れて名札を張り、種保管庫に設置した素焼きの壷に入れてフタをして保管作業まで完了した。

結果的には作業の進んだ1日だったが、種子銀行の規定づくりの研修としては、村人たちのなかでの暗黙のコンセンサスを明らかにして、規定として定めることができなかった。つまり、筆者とスーリーの任務は失敗に終った。
(準備はしていたのに、本番はどんな条件が加わるかわからない、、、)
研修の難しさを実感した筆者だった。

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4.反省、前進、デジャブ

2回目の研修は、前回の種集めの作業をどういう形で種子銀行の規定づくりにつなげて行くかが重要なポイントだった。村の人たちは、知識や技術は十分に知っている。ただ、時にそれらの知識や技術が上手く整理されていない。なので、今回種子銀行の規定をつくるためには、ソムニード(現ムラのミライ)のファシリテーションの基礎を守り「思い出させる」ことで、種子銀行の規定につなげていくのが筆者とスーリーの役割だった。再びラマラジュさんのアドバイスをもらい研修に向かう。

今回のポイントは、前回村の人たちが何をしたか?という点である。村人が自然に行っていた種の選定を今一度整理して、記録することでそれが種選びの規定になる。そして、ヌケやモレがあればこちら側からその点を気づかせる。前回は、バラバラに集まった村人に改めて話をすることをしなかったので、研修の開始が明確ではなかった。どんどん人が増えていき、規定づくりよりは、種選びに夢中になってしまった。今回はそのようなことがないように、まずスーリーが前に出て、前回の振返りと規定作りについて話してからスタートする。

銀行の規定作りに関して少し話したあと、スーリーが村人に尋ねる。
「種選びの方法ってなんですか?」
「大きさ、虫食い、色、とか」
(これは完全に意見・考えを聞く聞き方になってしまっている。これじゃ前回の経験を意識して話さないし規定にならないな)
研修開始早々からスーリーが曖昧な質問をしてしまったことに焦る筆者
「スーリーさん、ここは(ラマラジュさんのアドバイス通り)前回、種を選ぶ作業で何をしたか?を一つ一つ具体的に聞きましょう。それに規定ですから、その場にいなかった人もわかるように、大きさ、色、など単語ではなく文章で記録しないといけません。」

「基準は何だ?」と聞けば、「虫だ」「サイズだ」と答えられてしまうことも、「何をした?」と聞けば、「虫が食ったのを避けた」「大きいものと小さいものを避けた」などと、その経験を具体的に聞くことができる。B村の研修では、相手にすでに知識や技量がある場合は経験を聞くだけで重要な要素が浮かび上がってくるということがよくわかる。それが、『種は大きすぎず、小さすぎず、同じサイズのものを選ぶこと』のように具体的な種選びの規定につながる。また、このように一つ一つの経験を細かく議論すると、モレやヌケにも気がつきやすい。

「古い種と新しい種を見分けるには、種を一度植えて新芽が出るかで判断しよう」
「規定がいつでもわかるように、この規定を保管庫の中に貼付けておこう」などと村人の中から新しい意見も出てくる。
「なかなかいい感じに進んでいますね」という筆者に、「おれも、今日は良く出来ていると思う」と答えるスーリー。どんどん進む具体的な話し合いに満悦の二人だった。種子銀行の規定づくりは軌道に乗り始めた、、、
そのとき、ドスン、ドスン、一人の村人が前回集めきれなかった種を大きな籠に入れて持ってきた。すると、今まですっかり種子銀行のルールづくりに集中していた村人たちの注目が、一気に種に移った。それから村人たちはルール作りを忘れて、種を選ぶことに集中し始めてしまった。
(研修参加者に最後まで集中してもらうのはこんなに難しいのか、、、ラマラジュさんとキョーコさんはこれをずっと、、、)

このときアナンドだけはまだこちらに集中していたため、議論の内容はしっかりと記録が出来た。しかし、もし今日の研修にアナンドがいなかったら、今日の研修はどうなっていたのだろうか、、、
本来、この研修は2回で修了する予定だった。しかし2回の研修を経て、目標の半分も進んでいない。今回は少なくとも参加者全員でルールについて話合ったというのは、前進だった。しかし結局最後は参加者の集中力を途切れさせてしまった。種選びの他に、保管の方法や貸付けの基準など、種子銀行の規定づくりはまだまだ残っている。

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5.三度目の正直?

3回目の研修前夜は雨が降った。この雨が恵みの雨だったことには違いない。気温が下がったせいか、3回目の研修時は、村人たちの集中力が前回2回とは違うように思えた。この研修では、前回の研修で話し合った種の選別、保管に関する規定に加えて、種の貸付と回収、そして村としてその一連の流れをどのようにモニタリングをするか?という種の銀行全体の規定作りにつなげる必要があった。今回のケースも今までと同様で、村人は種の選別や保管に関する技術はすでにもっている。貸付や返済についても村の中ですでに話し合っている。あとは、それを規定として今後も続けられるように整理すること。

この日はまずモニタリングをどうするか?という話から話題をスタートさせた。種の保管には、集めた種を素焼きの壷に入れるだけでなく、種の品質を守るためのモニタリングも、種の保管の規定として定める必要がある。

「誰が?」「何を?」「何回?」「どうやって?」モニタリングするのかを明らかにするため、筆者とスーリーはまずは「何を?」というポイントから話を始めた。というのも、この「何を?」という部分に関して言えば、前回(途中までではあるものの)青年たちが熱く議論を繰り広げた種を選ぶ条件と、基本的には同じと考えたからである。例えば、「虫に食われている種は選ばない」という選別のポイントは、つまり「虫に食われていないかチェックする」ということであり、村人が持ち寄った種の中から、「乾燥した種を選ぶ」という種選びのポイントは、モニタリングでは「種が濡れずに保管されているかチェックする」ということに他ならない。つまり「何を?」いう点に関しては、種の収集の規定をモニタリングの規定に応用することができる。

村人が次々に重要なポイントを挙げる。
「雨漏りがないか屋根を確認しないと」
「種が虫に食われてないか見ないとな」
「種が湿ってないか調べないと」
「床のメンテナンスも必要だな」
このように続く議論の中で、アナンドが、
「いくつかモニタリングとは違うポイントが出ていると思う」ということを口にした。スーリーに一つ一つのポイントを訳してもらいながら聞いていた筆者もそれまで気がつかなかったが、確かにこの議論では、種そのものに関するモニタリングと、保管庫という建物のメンテナンスの話が一緒になって話されていた。
それにいち早く気付いたアナンドは、
「種の保管と施設のメンテナンスを別々に考えてモニタリングをしよう」と参加者に提案した。すると、他の参加者たちも、
「確かに、種のことを何でも知っている人もいれば、家を建てるのが上手い人もいるからな。別々に考えた方がいいな」と、アナンドに賛同した。アナンド恐るべし。これは本来、筆者が先に気付いて、議論のポイントを整理できるような質問を投げかけるべきだが、アナンドに先を越されてしまった。

その後は議論が進み、種子銀行の規定が出来上がってきた。例えば、農業経験は豊富だが読み書きができない年配者と、読み書きは出来るが農業の経験は未熟な若者が2人一組になってモニタリングをするというルールや、種の貸出はまずは希望する世帯に平等に分配して、追加で欲しい世帯は一旦希望者全員に貸出を終えたあとで、なお残っている種の量によって考慮すること。その際に各世帯で必要量のリストを作ってそれをもとに来年度の計画を立てる、など。B村は29世帯なので、種子銀行の頭取とその家族を除く28世帯が14ペアになり、1ペアあたり2週間に一度モニタリングをすることが決まった。毎日記録用紙に記載し、問題があった場合は頭取に報告してすぐに村の会議を開いて対応策を検討することも決定し、モニタリングの方法から、問題を発見した場合のアクションまで種子銀行の規定が出来上がった。

こうしてB村の種子銀行の規定は、種選び、保管、貸付、回収という一連の流れにそってモレなく決定された。もちろん最初から完璧なルールなんて無い。ただ、村の現状やこれまでの農業の知識など、知っていることをとにかく総動員して彼らがまとめた種子銀行の規定は、B村オリジナルで、B村の人にとって最適の規定になった。そして、種子銀行の規定ではこう言っている。
「B村では、種を種苗店や市場などB村以外の所から購入しません」これは、【安全な水と土で安全な野菜を作りだす村、そして、高利貸しなど外部からの融資に頼らなくても自活していける村】をつくっていくというB村の目標に根差している。

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6.やっぱりラマラジュさん

B村で種子銀行の設立に並行して、今年度も行われる新しい農業への挑戦は2年目を迎えた。
5月下旬に行われた研修は久々のラマラジュさんの登場。各モデル農家から1名ずつ、合計で24名が参加し、今年度の農業計画を完成させた。

研修が始まると、まずラマラジュさんは参加者たちに半円に座るように指示した。参加人数は違うといえど、筆者とスーリーは参加者の座り方には注意を払わなかった。ランダムに座る場合は数名のやる気のあるメンバーが前に来て、その人たちを中心に話が進んでしまう。しかし、このように座れば全員が同じ距離感で研修を受けることができる。そして、24名を読み書きの能力を考慮して6つグループに分け、青年リーダーを中心にどんどん計画作りが進む。

筆者とスーリーは参加者に直接働きかけるのが精一杯なのに対して、ラマラジュさんの場合は何人かの参加者を通して他の参加者に働きかけている。結局、筆者とスーリーが行った種子銀行の研修より参加人数が多く、時間も長く、なによりお年寄りも多数参加する条件のなかで、始めから終わりまで村人の集中力を切らさずに研修を終えたラマラジュさん。
「研修ってのは映画みたいなもので、とにかく流れが大切。私たちがその流れさえ上手く作れれば、あとは彼らは自分たちでどんどん先に進めるんだ。」

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7.振返れば

今回の種子銀行設立のための3回の研修は、筆者とスーリーで終らせた最初の研修になった。なんとか目的は果たせたものの、最初のラマラジュさんとキョーコさんの研修がなかったら?これがB村でなかったら?この研修を終らせることは出来なかった。今回の研修は、まるで超特進クラスでの教育実習みたいなものだったに違いない。つまり、筆者とスーリーが研修をしたというよりは、別に筆者とスーリーなしでも自分たちで出来たB村に、研修という形で行かせてもらって、研修をするための研修をさせてもらったのだ。今後は、これを他の村での研修とモニタリングに活かしていかなければならない。

また、B村がいち早く種子銀行に取り掛かったが、他の村々でも、有機農業に取り組み、安全で安心なコメや野菜作りを続けていくためには、将来必要になってくる活動である。その時は、現在B村やポガダヴァリ村(P村)の指導員が行う流域管理の研修のように、B村の村人たちが指導員になって他の村に種子銀行の方法論が伝わっていくだろう。

無事に種子銀行をスタートさせ、新しい農業の年間計画も完成させたB村。これからモデル農家たちは、それぞれの農業計画にそって農作業を始める。また、村全体としてのグランドデザインづくりも本格的にスタートする。他の村々でもそれぞれの活動が活発化しており、B村に触発されたP村でも、新しい農業への挑戦が始まった。B村とP村の指導員から流域管理の研修を受けてきている村々でも、村の流域管理委員会の設置について話し合いが始まっている。それぞれの村の未来に向けて、どんどん先に進む村人たち。そんな村人たちの活気と能力に応えられるため、筆者も立ち止まってはいられない。

インド地域づくり募金

注意書き

 1 ラマラジュさん=ソムニード・インディアの名ファシリテーター。よもやま通信第1部からおなじみ、事業に欠かせないスタッフの一人。

 2 キョーコさん=前川香子。この事業のプロジェクト・マネージャーを務めるソムニードの名ファシリテーター。

 3 ヒロアキ(筆者)=インドに赴任してきて1年になる駐在員、實方博章。ヒーローのニックネームで村の人たちにも人気者だが、人気だけでなく実力を伴うように修行中。

 4 スーリー=ソムニード(現ムラのミライ)のフィールドスタッフ。ヒロアキと共に今後の研修の実施を告げられ焦っているが、やる気は十分。
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