セネガル・プロジェクト報告会レポート

In 100研修・イベントの記録 by master


2017年11月2IMGP23249日、JICA関西(兵庫県神戸市)にて、「NGO駐在員が見た、セネガルの農村と暮らし:循環型農業プロジェクト報告会」を開催しました。当日は定員を少し超える22人の方に参加いただきました。
まずは、セネガル駐在スタッフの菊地から、セネガルでの生活と、プロジェクトの進捗について報告しました。その後、プロジェクトマネージャー、専門家としてセネガル事業に携わる中田、和田もまじえてのQ&Aセッションをおこないました。

報告会の概要

日時:日時:2017年11月29日(水)19時から20時半
会場:JICA関西 ブリーフィングルーム(兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-5-2)
話し手:菊地綾乃(ムラのミライ セネガル駐在スタッフ)
参加費:無料
参加者:22人
主催:NPO法人ムラのミライ、JICA関西

当日の報告資料をご覧いただけます。↓の画像からどうぞ
20171129サムネイル

 

 

 

セネガル駐在スタッフ(菊地綾乃)からの報告

セネガルってどんな国?

アフリカ西部に位置するセネガル。雨季と乾季の二つの季節。人気のスポーツはサッカー。イスラム教を信じる人が人口の多くを占め、キリスト教がその次に多いです。主食は米で、米と魚、野菜を炊いた「チェブ・ジェン」がよく食べられます。

農業で食べていける暮らしを実現

ムラのミライがセネガルで始めた事業は、現地NGOのIntermondes(アンテルモンド)と一緒に、モデル農家を養成し、農業で食べていける暮らしを実現するというもの。首都ダカールから南南東に150キロほど離れた、ンディエマーヌ、ンディアンダ、バガナという3つの集落で活動しています。

村を探索してみると

2017年5月。乾季のセネガル。村人とともにンディアンダ村とンディエマーヌ村を探索してみると、土地の段差や、ヤシの木の根っこが見つかりました。これは、雨季の時に大量の雨が流れていった跡。ですが、水をなめるとしょっぱい。水の塩化が起こっています。

一番新しい井戸は?

その後の研修では、村人に村の地図を描いてもらい、そこに井戸の場所もマークしてもらいました。その時の和田と村人とのやり取りを紹介します。

和田「一番新しい井戸は?」
村人「ここの井戸です。去年掘りました(年号を書き込む)」
和田「今も使っているのか?」
村人「いいえ、1年で水がしょっぱくなって今は使っていません」
和田「その次に新しい井戸は?」
村人「こっちです。2年前に掘りました。ですが、こっちの井戸も水がしょっぱくなってもう使っていません」

2世代前には〇〇がいた!?

さて、IMGP2338年長の人に話を聞くと、ンディアンダ村とンディエマーヌ村では、2世代前には象がいたことがわかりました。それは、村にかつては象や他の動物の水場があったことを意味します。象は一日に100リットル以上の水を飲む動物です。つまり、この村には象が飲めるだけの水があったということです。

村の探索、井戸の話、象の話からわかるのは、水は以前からないのではなく、年月を経るにつれ、なくなってきていること。村で何が起こっているのか、村人たちは気づき始めます。

この研修に参加していた村人たちは、次の研修までの宿題として出された課題に取り組み、自分たちが気付いたことを、他の村の人たちにも伝えていきました。

 

  トマトとナスと唐辛子の共通点って?

研修は水の話から、土や野菜の話へ。2017年9月に、再び和田がセネガルを訪問し、研修を実施しました。まず参加者にやってもらったのは、過去5年間に栽培した作物を書き出し、いつの年に、何を植えたかがわかるように表にまとめること。そこから見えてくるのは、どんな植物を同じ畑で育てているのか。

たとえば、トマト、ナス、唐辛子は「ナス科」に属する植物です。同じ植物に限らず、同じ「科」の作物を連続して栽培(=連作)することで、特定の栄養分が減ったり、害虫や寄生虫が増えてしまう「連作障害」が起こってしまいます。農業では基本の知識ですが、連作に気づかずに栽培をしている村人も多かったようです。同じ科の作物をまとめ、必要な休耕年数を学んでいきました。

次の宿題は学んだことを生かして「栽培計画」を立てること。

これから

IMGP2317村の人は自分たちで立てた「栽培計画」をもとに栽培をはじめ、また有機農業の方法も学んでいきます。

 

 

 

Q&Aセッション(一部抜粋)

Q:青年農家たちの教育バックグラウンドは?農業の知識はあるのでしょうか?

A:研修に参加している農家の詳細な学歴は分からないですが、研修参加者20人中3~5人くらいは、公用語のフランス語を小学校卒業レベルくらいで理解できる人たちがいます。残りは現地のウォロフ語のみ。農業の知識も外部で研修を受けたことがある人もいましたが、たいていは親から学んでいます。

Q:出稼ぎの若者が多いということですが、この事業の「農業」とは自給自足をめざすのか、現金収入向上をめざすのか、どちらでしょうか?

A:この事業では「食べていける農業」をめざしますが、どう決めたら良いのか、という部分を、研修を通して教えています。自分たちの生活、つまり物事の考え方を、事業では提供しているのです。将来どうするかは彼らが決めることですが、今のような農業を続けていると10年くらいで村は消滅するよ、と。土壌流出が起き、水不足になり、農業ができなくなる。それでいいの?と。水と土壌は人の生活に必須です。では、どうやってそれらを保全するのか?ひいては、将来どんな村で暮らしていたいのか?という問いになるわけで、現在はこの部分を研修でおこなっているのです。

Q:菊地さん自身がやってみた事実質問のやり取りで、印象に残った事例はありますか?

A:毎日が練習中という感じですが、隣の家の警備員が22~3才の人で、どうしてダカールにいるのかという事を聞き出したことが印象深いです。まずは前職を聞き、そこから遡って彼の経歴を聞いていくと、農業や漁業の手伝いからレンガ造りまでしてきたことも分かってきました。とても面白かったです。

報告会の打ち合わせ中のスタッフたち

報告会の打ち合わせ中のスタッフたち

 

 

 

 

 

 

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