【プロジェクト概要】西宮で広げる、地域で助け合う子育ての輪

In 6 活動の記録・報告, 608プロジェクト通信 西宮「地域で助け合う、子育ての輪」 by master

2018年4月から西宮市で、3年間の「助け合う子育て実現」プロジェクトを開始しました。
プロジェクトの主役は、妊婦さんとそのパートナー、0歳から3歳のお子さんをお持ちの方、そして、そんな彼/彼女たちに頼まれても、頼まれていなくてもきちんとサポートできる人になりたい!という人たちです。

期間 2018年4月1日~2021年3月31日(実施中)
場所 兵庫県西宮市
協働者 a little (ア・リトル)  *西宮市のNGO/NPO
協力者 ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループ「JJCC助成プログラム」
ムラのミライ担当者 原康子山岡美翔
形態  a little・ムラのミライの協働プロジェクト
プロジェクト通信の一覧はこちら

目次

活動スタートまで
1年目(2018年度)の活動
2年目(2019年度)の活動
「西宮で迎える産前・産後」調査報告書 ダウンロード

活動スタートまで

ムラのミライでは、2016年からメタファシリテーションの「事実質問」の部分を、対話の一手法として、子育て中の方やその支援者に紹介する講座を実施してきました。
しかし、単発の講座では、子育て中の方たちが直面する産後ウツやワンオペといった困難な現状や、その支援者(団体)が直面している課題が垣間見えたとしても、継続して関わることが出来ないため、コミュニケーション改善の一手法としての紹介に留まり、当事者自身(この場合、子育て中の人とその支援者)の課題解決に向けた支援は実現できずにいました。
子育てに活用するコミュニケーション講座を続けることの限界を感じ、子育て支援にすでに関わっている団体や個人との継続した協働を模索していました。

2017年度、西宮市で学びの場、集いの場、そして家事サポートなどの助け合いの場づくりの活動をする女性団体a little(ア・リトル)のメンバーが、このコミュニケーション講座に参加したことをきっかけに、a littleと子育てをテーマにしたコミュニケーション講座の共催が実現しました。この講座で事実質問を学んだa littleのメンバーが、自分の家族や家事サポートに入った家庭などで実践した結果、メタファシリテーションの効果を実感し、同手法に大きな関心を寄せてくれました。a littleは2015年の設立以来、試行錯誤で「地域で子育てを助け合う仕組みづくり」を模索していたため、ムラのミライがジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループの助成を受けて、2018年度から協働事業を開始しました。

同事業では、約3年かけて「地域で子育てを助け合える」仕組みを作り、その仕組みを支える人材を育成することをめざしています。西宮市内でa littleのメンバーを中心とした子育て中の女性たち自身がその仕組みを創り出し、彼女たちの手で、地域での子育て支援を担う人材育成を可能にすることをめざします。

1年目(2018年度)の活動

初年度となる2018年度は、主に2つの活動をしました。
1つ目は「西宮で迎える産前・産後」調査の実施です。
2つ目は、パイロット講座(①「パートナーシップと子育てのよい関係」講座、②「地域子育てサポーター養成」講座)です。
ムラのミライが特に関わったのは、事業統括・運営や調査の企画・実施・報告書作成で、
「地域子育てサポーター養成講座」では、メタファシリテーションを子育てや子育て支援に活かすコミュケーション講座を2回、担当しました。

「パートナーシップと子育てのよい関係」3回講座

妊娠中から出産後(6カ月くらい)のご夫婦の間での「助け合い」を実現するために、必要な情報と具体的なテクニックをギュッと詰め込んだ3回連続講座を実施しました。

1回目(6月17日)産前産後のココロとカラダの話・安産のためのボディワーク(ヨガ講師)、バースプランの作成(助産師)
2回目(9月9日)産後のホルモンの変化・すぐにできるボディワーク(ヨガ講師)・バースレビュー(助産師)
3回目(2月17日)産後すぐにできるヨガ・夫婦でココロ・カラダ・行動の現状を知るシェアタイム(ヨガ講師)

*バースプランとは:お産の計画や要望のこと。妊婦とそのパートナーが希望する出産の計画をたて、妊娠から産後の生活までを夫婦で話し合う材料とする
*バースレビューとは:出産体験を振り返ること。自分の出産体験を自由に語ってもらい、傾聴を基本的姿勢として受け止めていく援助のひとつ

地域子育てサポーター養成8回連続講座

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助産師の森田輝さん

安心して赤ちゃんを産み、育てていくために、女性とその家族を「地域で支える」とはどういうことか、その意味を考え、具体的な方法を学んでいく講座を実施しました。ムラのミライのメタファシリテーション講座も2回行いました。

1回目 5月25日 産前産後ケア講座1「産前産後の体の変化、暮らしの変化、ココロの変化、お産の方法、授乳について」 助産師 森田輝さん
2回目 6月21日 コミュニケーション講座1 「お互いさまの子育て・相手がどんどん話し出す事実を聞く質問(メタファシリテーション)」 ムラのミライ 原康子
3回目 9月2日 産後うつを知る講座 「産後うつ基礎知識、産後ウツ経験と支援者ネットワーク、ロールプレイ(子どもがかわいくない、体調が悪くなる)」ルミエール産後うつ子育てがブルーなママの会元代表 中野知恵
4回目 10月2日 家事サポートを学ぶ1:料理 「ほうれん草胡麻味噌和え、きりぼし大根煮物、酒と野菜のやきびたし」調理師 西古屋由美子
5回目 11月15日 コミュニケーション講座2 「相手の悩みにアドバイスしない。事実を聞く質問で相手の悩みを分析、整理する方法」ムラのミライ 山岡美翔
6回目 1月24日 家事サポートを学ぶ2:エコ掃除「家事サポートを依頼される背景、家事サポートの効果、エコ掃除の基礎知識」ア・リトル 大和陽子
7回目 2月14日 発達凸凹を知る講座 「発達障害とは何か、障害が障害でなく、困りごとが困りごとでなくなる環境づくり」 臨床心理士 河西陽子
8回目 3月21日 産前産後ケア講座2「赤ちゃんの運動について、赤ちゃんが泣いたときにする4つのこと」 助産師 森田輝さん

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西宮市の子育て事情を知る調査

メタファシリテーションで事実質問練習をした調査員たちで調査チームをつくり、0-3歳の子どもをもつ男女104名を対象にした「西宮で迎える産前・産後」調査を行いました。
調査は2種類あり、1つ目は、インターネットを通じた104名へのアンケートと、2つ目は、アンケート協力者の中から59人への対面での事実質問をベースにしたインタビューです。
ムラのミライは、調査設計、調査員の養成、調査の実施、報告書作成など、全てのプロセスをa littleのメンバーと共に担いました。
質問票をつくっているときや、調査開始後しばらく経ってからも、
「“○○したいですか?”、“何に困っていますか?”となぜ質問項目に入れてはダメなの?」
「事実ばかり聞いて、相手の希望をきかないで、どうやって子育て中の人たちのニーズを把握するの?」
などの問いが調査担当メンバーから上がりました。
しかし、家事や育児のサポートを頼った人、家事・育児では誰が何をしたのか、育児では誰が何をしたのか、どの講座にいつ参加したのか等の過去の事実の積み重ねによる調査を実施しました。
その結果、産前・産後の女性たちの地域で孤立した現状や、様々な子育て支援制度を活かせていない現実が明らかになり、結果、どのような講座が必要か、どのようなサポートが必要かがどんどん見えてきました。
現状をベースに、「地域から孤立した子育て」から、「地域で助け合う子育て」に変えてゆく仕組みづくりにつながる、自宅から半径1.5キロの距離でのつながりを促進する事業、子育て支援制度の周知の先にある子育て支援活用方法の講座など、2年目の活動計画につながりました。

インタビューを通じて、西宮で子育て中の女性の何人もとじっくり話しを聞くことができた。私の質問の途中で、何度か相手が産後にあったことを思い出して、どんどん話してくれたのが嬉しかった。(調査員Sさん)

「西宮で迎える産前・産後」調査報告書 ダウンロード

調査報告書「西宮で迎える産前・産後」(PDFファイル A4サイズ 62ページ)
調査の概要がわかるカラーリーフレット(PDFファイル A3サイズ 2ページ)
調査結果のデータ(Excelファイル)

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2年目(2019年度)の活動

1年目の調査とパイロット講座から抽出された課題から、助け合いの仕組みづくりと、人材育成事業を継続して行います。

半径1.5kmは産後うつを防ぐ距離
「西宮で迎える産前・産後」調査報告書発行と調査報告会

認定 NPO 法人ムラのミライと a little(ア・リトル)は、「西宮で迎える産前・産後」調査報告書とリーフレットを、来る5月16日(木)に発行し、下記の通り調査報告会を開催しました。
本報告書は、西宮市在住の20 代から 40 代までの0 歳から 3 歳までのお子さんがいる方と 出産を間近に控えた方の合計104名を対象にしたアンケートと、うち59名への対面でのインタビュー結果をまとめたものです。
本調査を通じて、産前から産後にかけて、一人で心と体の悩みを抱え込む女性の姿が浮き彫りになると同時に、産後うつを防ぐのに有効な自宅から半径1.5キロの距離のつながりという具体的なヒントも明らかになりました。

日時 2019年5月16日(木)14時から14時45分
*報告会終了後、交流会(16時まで)
場所 西宮市男女共同参画センターウェーブ411学習室(プレラにしのみや4F)
対象 西宮市内在住・在勤の方で子育て中の方(出産を控えた方)と子育て支援に携わる方々
報告書 調査報告書(全57ページ)およびにリーフレット(両面カラーA3サイズ)は、HPで公開しています。

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助け合いの仕組みづくりと、人材育成事業

産前・産後の方への講座「パートナーシップと子育ての良い関係」

女性が安心して赤ちゃんを産み、育てていけるように、産前産後のココロとカラダの変化を知り、夫婦でのコミュニケーションを促す様々なワークを予定しています。
同時に西宮ならではの様々な家事・子育てサポート活用方法をお伝えします。
産前産後を西宮で迎えるご近所のご夫婦とつながる機会にもなります。

・産前の方を対象にした講座:7月20日、10月26日、2月29日
・産後の方を対象にした講座:6月2日、9月29日、3月7日

場所 親と子のほっとスペース「たんぽっぽひろば」(西宮市雲井町8-43 コブレンツ雲井1F・B1)
時間(全講座共通) 13時~15時半

男性のための料理教室

家事のなかでも、男性の分担度がかなり低く、かつ女性がサポートを希望することが多い、それが「料理」です。
1年目の調査結果で明らかになったこの事実から男性のための料理教室を開催します。
男性の家事参加を促進すると同時に、他の男性の参加者との交流を通じて、子育てに関する情報を共有します。

日時 9月21日と12月 各1回 10時〜13時
場所 西宮市内
講師 木下麗子さん(管理栄養士、キッチンチュラ主宰)

地域子育てサポーター養成講座 7月コース&2月コース

家族も含め、自分が暮らす地域で子育て中の方たちに最新の知識と実践的な技術でケアにあたり、必要に応じて専門家をはじめ様々なサポートにつなげてゆけるようになる講座です。(連続4回講座及び実地1回)

1)産前産後ケアと赤ちゃんの発達講座 (森田輝・助産師)
2)シンプルな質問で身につくわかりあう対話術(ムラのミライ)
3)産前産後の行政・民間サービスと実際の現場の様子について(a little)
4)産前産後の女性の心の変化(藤澤真理・臨床心理士)

7月コース  1日、8日、15日、22日 (月曜)+実地(随時)
2月コース 7日、14日、21日、28日 (木曜) +実地(随時)

時間 午前10時から12時(全5回×2回共通)
場所 西宮市内

ファミリースタート

地域子育てサポーター養成講座の受講生が、実際に子育て中のご家庭を訪問して家事や育児のちょっとしたお手伝いをします。

日時 8月以降にスタート
場所 西宮市内

パートナーと楽しむマタニティヨガ

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