第21 号 はじめてのVVK総会&猪突猛進オバチャンの「新規VVK加盟グループ研修」 (2006 年5 月10 日発行)

In 805プロジェクト通信 インド「PCUR-LINK便り」 by master


(1)はじめてのVVK総会 ~ソーカイって何をする会?~
前号でお伝えした「生産・物流センター小委員会」。結局、センター建設のための土地探しもろくにせず、ナンの行動も起こさないまま、「センター」はJICAから貰えるもんだ、と受け身の姿勢でいたオバチャンたちであるが、前号でお知らせした4 月8 日のミーティング以降、ほとんど毎日プロジェクト事務所に足を運んだ。(※オバチャンたちは「PCUR-LINKプロジェクト事務所」とは呼ばずに「VVK事務所」と呼ぶ。)
それというのも4 月8 日、スタッフから“VVKは自分たちで「生産・物流センター」を計画する意志なし”と言われ、総会だって自分たちで計画し実行するかどうか、スタッフの信頼を失ったVVKメンバーは、プロジェクト・スタッフから次のように言われてしまった。
その1:総会までに2005 年度の事業報告(会計報告含む)を作成すること
その2:総会までに2006 年度の事業計画を作成すること
その3:総会に必要なアレンジはすべてVVKですること
その4:総会4 月20 日の前日19 日の時点で、その1から3までが出来ていない場合は、総会にスタッフは参加しないし、会場設置費などの金もプロジェクト費からは出さない。そもそもオバチャンたち、ソーカイ、ソーカイと言ってはいても、最初はなんでソーカイを開くのか、ソーカイまでに何を準備する皆目検討つかず、最初のソーカイ準備ミーティングでは、「ソーカイとはファンクションで、市役所とか県の偉いさんを招待して、彼らのスピーチを聴けばよい、ソムニード(現ムラのミライ)にソーカイの昼ご飯代とか偉いさんに渡す花束とジュース、そして会場の飾り付けの花を買ってもらうよう予算申請しよー」と延々と話し合っていたのだった。そこでスタッフから、上のその1からその4を聞かされて初めて、「ソーカイってアタシたちの会なんだ、偉いさんを呼んでスピーチを聴いている暇などない、準備タイヘンそう」と気持ちを引き締めたのだった。口ばかりで「自分たちで土地を探す」、「総会の準備をする」と言っても、もうスタッフの誰からも信じてもらえないVVKオバチャンたちは、名誉挽回とばかりに、総会準備にとりかかった。その後、4 月13 日、そして15 日以降は、土曜日も日曜日も返上で、毎日朝10 時から夜7 時まで、VVK事務所にお弁当を持って通ってくるオバチャンたちの数、1日平均6 人。読み書きの出来るオバチャンたちは、事業報告と事業計画を作り、また総会で発表するための様々な資料(年間の各SHGの収益一覧、事業計画一覧など)を作った。読み書きの出来ないオバチャンたちは、総会の会場となる事務所の大掃除、VVKメンバーの家を一軒一軒まわっては総会参加を呼びかけた。

そして迎えた総会前日の4 月19 日。

事業報告も計画も出来、総会当日の司会、会場の設定、議題の選定、議題別発表者の設定など、最後の準備をしていたオバチャンたち。もうギャーギャー、ワーワーとオバチャンたちの声で、総会前の事務所は活気にあふれていた。19 日午後には、プロジェクト・スタッフにも総会参加の招待状を配って、会場設置の費用も事業報告などの印刷費も出してもらえることがわかって一安心。(しかし、会場の飾り付け用の花や、VVK総会の横断幕などなど、すべての飾り付けはVVK自己資金で賄った。)
そして一夜明けた4 月20 日総会当日。
総勢約100 名のオバチャンたちがVVK事務所の屋上に集合。事務所の屋上に天幕を張って、その下に絨毯を敷いて臨時会議場を作ったのだった。事務所には「WELCOME」という横断幕や「VVK第1 回会員総会 2006 年4 月20 日」という横断幕が誇らしげに飾られ、事務所の入り口には、縁起のよいと言われているマリーゴールドの花輪とマンゴーの葉が風に揺れていた。今までこうした儀式(インドではおなじみ「ファンクション」とよばれている)に、政治家だかNGOだか、政府の役人だかが、主催するものに動員されたことはあっても、自分で計画して、それを実施するなんて全く初めてのオバチャンたち。総会の始まる3 時間も4 時間も前から会場にやってきて、ソワソワしていたオバチャンたち。総会というファンクションに集まってくるメンバーを待っている間、今日の総会のために、1 週間、必死で準備していた10 人の総会運営委員メンバーのピリピリとした緊張が、プロマネにも伝わってきた。 ファンクションで緊張することなんて今まで全くなかったオバチャンたちだろうなあ、と緊張したオバチャンの顔を見て、思った。SHGにローンを貸してあげるという銀行や政府が主催するファンクション、NGOが学校を開設する、無料の医療サービスを支援するというファンクション、どんなファンクションだって彼女たちは「施しを受ける貧しいスラムの女性」だったのだから。この総会の緊張した雰囲気は、施しを受けるスラムの女性のものではない。自分たちの初めての総会(ファンクション)なのだから緊張するもの当然だった。午前11 時、気温36 度の暑さの中、VVK代表のラウランマの司会・進行ではじまった第1回VVK総会。
前日午後8 時近くまで総会準備あたったオバチャンたちも、一張羅のサリーで、次々と準備した年次報告、2 月に制定されたVVK規則などをそれぞれ担当のオバチャンが発表していった。
▲オバチャン1:「2005 年5 月には、VVK事務所がスタートしました。また他の地域のSHG連合体の視察に行きました。ハイダラバードへもチェンナイにも視察に行きました。JICAの方もビシャカパトナムにやってきました。ナドナド事業報告※詳細省略」
◎司会ラウランマ:「じゃあ次の議題に行きましょうか」
△オバチャン2:「事業報告の続きですが、2006 年2 月にはVVK会則も制定されました。」
◎司会ラウランマ:「じゃあ次の議題に行きましょうか」
▼オバチャン3:「それでは2006 年度事業計画を発表します。」
水戸黄門様:「ちょっと待ったー!司会のラウランマさん、ワシはオブザーバー参加じゃが、
発言してもよいかの?」
◎司会ラウランマ:「どうぞ、黄門様の発言を許可します。」
☆水戸黄門:「おまえさんたち、今日はナンのファンクションかわかっておるかの?」
★オバチャン一同:「今日はソーカイです!」
☆水戸黄門様:「じゃあ聞くが、おまえさんたち、ソーカイって何じゃ?」
▲オバチャン1:「えーっと、えーっと、事業報告をするところ?」
▼オバチャン3:「それから、事業計画も発表するところ?」
☆水戸黄門様:「事業報告と計画を発表して、どーするのじゃ?」
★オバチャン一同:凍結。。。。。(オバチャン心の声:エー発表するだけじゃいかんの??」
☆水戸黄門様:「ソーカイというのはな、毎月の月別ミーティングとも違うのじゃよ。ソーカイでVVKの“方針”が決められ、その“方針”にそった年間の活動が“承認”される。ソーカイのメンバー全員の“承認”を得て、初めて事業計画となり、事業報告となるのじゃ。事業報告も計画も準備した段階じゃそれは(案)に過ぎんのじゃ。ソーカイに集まったおまえさんたちが“承認”して初めて、VVKの事業報告になり、事業計画になるのじゃ。おまえさんたちは、VVKの心臓とも言える会則を、まだ承認しとらんじゃろう?その会則でよいのか?VVKの運営委員会が開かれる毎月の月別ミーティングもそして事務局のVVKスタッフも、総会の方針に基づいて、実行するのじゃ。この総会というのは、いわばVVKがこれからどこへ行こうとするかその地図を作る、大事なものなのじゃ。それがわかったかな?」
総会1 週間前からあれこれと資料を作っていたオバチャンたちであるが、模造紙にみんなにわかるようにと大きく書いた様々な資料を見せるのも忘れて、ひたすら事業報告書を読み続けた。読んでるオバチャンは、一体、何で事業報告を読んでいるのか、聞いているオバチャンたちは、何で事業報告を延々と聞かされるのか、お互いに、意味不明の時間が1 時間ほど流れた。「ソーカイとはこーいうもんなのだろうか???」とみんながハテナ顔になっていたところで、黄門様の上の質問、「皆のものソーカイとはなんだか知っておるか?」で目をさましたオバチャンたち。
※ ※ ※

実は、プロジェクト・スタッフ一同、総会に必要な事業計画や報告に関してはアドバイスもし、オバチャンたちが毎日、鉛筆書きで書いてくる事業計画や事業報告の原稿をタイプする、製本する、などの作業を手伝っていたのだが、「ソーカイとは何かをオバチャンたちがわかっていない」ということを全くわかっていなかったのであった。またしても「木を見て、森を見ず」のまま、総会準備にオバチャンと一緒になって突走ってしまったスタッフは反省。。。。。
ちょっと考えてみれば、ソーカイなんて一度も聞いたことも、自分で主催して開いたこともないオバチャンたち。「ソーカイが何かわかっていない」なんてトーゼンのことなのに、自分たちが知っているものだから、オバチャンたちだってわかっているはず、なんてとんでもない勘違いをスタッフはしていた。
※ ※ ※
◎司会ラウランマ:「わかったわ、ソーカイでは承認を取るのね、じゃあ、今から会則の承認をとるわよ!!昨年約1 年もかけて、何度も何度も話し合って作ったVVK会則の承認をとるわ!この会則で賛成の人は拍手を!」
★オバチャン一同:「賛成!」(拍手)
◎司会ラウランマ:「じゃあ、次に事業報告の承認を取るわよ!この事業報告を承認する人は拍手を!」
★オバチャン一同:「賛成!」(拍手)
◎司会ラウランマ:「じゃあ、次は事業計画ね。事業計画を発表するビジャヤラクシュミさん、ダナラクシュミさん、お願いします。」
△ビジャヤラクシュミ:「えーっとじゃあ、事業計画を発表します。2006 年はVVKの規模を大きくします。今、4つのSHGしか連合体に加盟していませんが、2007 年3 月末までに、あと40のSHGを新たにVVKに加盟するよう、がんばりましょう!新規グループにVVKに加盟してもらうために、VVKから指導員が新しいグループに出かけ、金銭出納帳や各仕分け帳の研修をします。またVVKが銀行業をスタートし、加盟グループにはローンを貸すことも始めましょう。とにかく今年度は、VVKの加盟メンバー数を増やし、銀行業でVVKの資金を増やし、その資金で、今年こそビジネスを始めましょー!!そして今年こそは、団体登録をしましょー!」
★オバチャン一同:「ワー賛成!、いいぞー!ビジャヤラクシュミ!」(拍手喝采)
△ビジャヤラクシュミ:「え、アタシ、今そんなに格好ヨカッタかしら?照れるわねー。もう拍手やめてよ。」
◎司会ラウランマ:「まあまあ、これはみんなが事業計画に賛成という拍手ですから、ね。」
このVVK総会、4つのSHGから約90 名が参加したが、そのほかにも、VVKの噂を聞きつけたVVK加盟以外のグループが、10 名ほどオブザーバーで参加していた。このオブザーバーたち、事業報告も事業計画も、黙って聞いていたのだが、VVKの事業計画で「ビジネス」という言葉が出たときに、司会のラウランマに質問した。
○オバチャン(オブザーバー):「あのーラウランマさん。アタシ、事業報告のときにも気になっていたんだけど、質問していい?
◎司会ラウランマ:「どうぞ。」
○オバチャン(オブザーバー):「あのう、VVK加盟の4 グループが、2004 年7 月から2005 年、2006年とグループの利益を5 倍にも10 倍にもしたというのは、やっぱり何かビジネスをしてグループが儲けた、ということでは、ないのですか?」
◎司会ラウランマ:「いえいえ、アタシたちはまだビジネスらしい、ビジネスはしていません。でも、SHGでの銀行業務はしています。それは貯蓄をする、その貯蓄をグループのメンバーに貸して、利子を付けてグループに返す、というグループ内の資金運用を活発に行っている
だけなのですよ。貸して、返す、ということを金銭出納簿や銀行帳、貯蓄帳、ローン帳という仕分け帳を付け、グループの銀行業務をメンバー全員で役割分担したところ、グループ内の資金の回転が速くなり、キャッシュフローがよくなったのですよ。なので、今年度からは、そうしたSHGがいくつか集まって連合体「VVK」でその資金運用、銀行業をしていこう、と考えているのですよ。」
○オバチャン(オブザーバー):「アタシらもう4 年近くもSHGやっているんだけど、金銭出納簿だか、銀行帳、貯蓄帳、ローン帳だか全く知らないし、どーやってグループ内の資金を回転させてゆくか分からないんだけど、VVKに入れてもらえるのかしら?アタシたち、VVKに入って、そういうこと勉強したいわ!」
◎司会ラウランマ:「もちろんですよ。どうぞVVKに入ってください。VVKからそうした新しいグループに金銭出納簿の付け方を指導する指導員を派遣しますよ。だから今、帳簿が付けられないからといって、ナンにも心配しなくていいですよ。各SHGで決めている毎月のミーティングの日を教えてくれたら、その日にVVKの指導員があなたのグループに行きます。帳簿の付け方やVVKの会則の研修を受けた後でも、まだVVKに加盟したい、自分たちにも帳簿付けができる、ということでしたら、VVKの会費を払い、運営委員会に代表メンバーを送ってください。研修を受けて、会則を読んで、それでVVKに加盟したくないというなら、それでもいいです。」
○オバチャン(オブザーバー):「じゃあ、5 月9 日のアタシのグループのミーティングに来てくれる?」
◎司会ラウランマ:「わかりました。VVKの指導員があなたのグループに行きましょう!読み書きできる人も出来ない人も、みんな研修を受けてください。帳簿の研修だからと言って、読み書きできない人がわからないような研修をアタシたちVVKはしません。グループみんなで参加してくださいね。」
※ ※ ※
このラウランマとオブザーバーオバチャンの会話を聞きながら目がウルウルしてきた黄門様をはじめスタッフ。
「ラウランマ、よくぞ言ってくれた!」
プロジェクト開始から苦節(?)21 か月で、ラウランマのようなリーダーが出現し、VVK加盟以外のメンバーが「VVKに入りたい」という、この事実が、スタッフを勇気づけてくれる。このVVK初代代表のラウランマ。本当は身体の具合が悪く、医者から今後6 か月は自宅療養を申し渡されていて、しばらくVVK活動は休止。今日は総会だから、司会を頼まれ、無理をして参加していたのだった。
※ ※ ※
その後、総会は各グループの運営委員を選出。
そして運営委員の中から5 名の代表メンバー(代表、副代表、書記、副書記、会計)を選出する、という佳境に。副代表、書記、副書記、会計の4 名は、オバチャンたち一同ワーワー言いながら、なんとか決まって行ったが、どうにもVVK代表が決まらない。本当は、総会運営委員会メンバーで、根回しをして、事前にこの人に代表を!というのは決まっていたのだが、土壇場で彼女が代表指名を拒否し、書記をやりたい、と言い出した。そこで、彼女は書記になったのだが、じゃあ代表はどーしよう?と会場は大混乱!
◎司会ラウランマ:「みなさん、静かに、静かに。それでは誰を代表にするか推薦してください。」
★オバチャン一同:「ボソボソ:総会運営委員メンバーの中の誰かに代表になってもらおーよー!やっぱり読み書きのできる人じゃないと。。。アタシのグループには誰も代表できる人いないよ。どーする?どーする?」
このとき、幸か不幸か、事業計画を発表していたビジャヤラクシュミは司会のラウランマと一緒にひな壇にいた。ビジャヤラクシュミのグループメンバーを中心に、「代表をビジャヤラクシュミに!」という声がガヤガヤ、ザワザワと起こりだした。
◎司会ラウランマ:「みなさん、静かに、静かに。今、ビジャヤラクシュミさんを推薦する声が出てきますが、総会に参加したVVKのメンバーの皆さん、ビジャヤラクシュミが代表でよろしいですか?」
★オバチャン一同:「さんせー、賛成、サンセー、ショーニンしまーすっ!!」(拍手喝采)
△ビジャヤラクシュミ:「ギャアー!ちょっと待ったー!承認しちゃダメーっ!」
◎司会ラウランマ:「みんながこのように推薦しているのですが、VVK代表をやってくれませんか?」
△ビジャヤラクシュミ:「待って、待って。ちょっと、アタシのグループメンバー、よく聞けー!」
代表に指名されたビジャヤラクシュミ。突然、自分のグループメンバーを全員、指さして、マイクを片手に叫び出す。
△ビジャヤラクシュミ:「アンタたちね、今までグループ・ミーティングでアタシをVVK代表に推薦するなんて一度も話してなかったじゃない!それを何を突然!だいたいねえ、前から言いたかったんだけど、アンタたち、グループ・リーダーのアタシに仕事を押しつけすぎるのよ!
帳簿を付けるのもアタシ。月ごとのSHGミーティングを招集するのもアタシ。アタシの他に2 名もウチのグループにVVK運営委員会メンバーがいるのに、いつもVVKのミーティングの内容をグループ内で共有するのもアタシ。VVKの代表に誰もなり手がないんだから、アタシは代表になってもいいけど、アンタたちがグループの仕事をアタシに頼らずに自分たちでやるっていうのが条件よっ!わかってるのっ!?もうアタシはグループの仕事しないで、VVKの仕事を優先にするわよっ!?それでもアンタたちいいのっ???」
●ビジャヤラクシュミのグループメンバー:「ダイジョーブ、大丈夫☆アタシたち、ちゃんとグループのことやるから。アンタ、VVK代表になってよ。心配しないでよ!グループのことはアタシらにドーンと任せておきなさいって。」
△ビジャヤラクシュミ:「そー言ってアンタたちはいつも調子いいこと言うんだからっ!!もう本当に、本当ね??」
●ビジャヤラクシュミのグループメンバー:「オーケー、オーケー」(またも拍手喝采)
◎司会ラウランマ:「それでは、新しいVVK代表は、ビジャヤラクシュミさんに決定です。来年4 月の総会までの1 年の任期、がんばってください!」
★オバチャン一同:拍手、拍手。
ワイワイ、ガヤガヤと総会もようやく終わり、ドッと疲れたオバチャンたち。はじめて、自分たちで計画し、自分たちで実行した総会。総会のもつ重要性がなんとなくわかったよーで、わかっていないオバチャンたちであるが、初めての総会が無事に終わって、一安心の様子。9 月の次回総会は、今回の総会よりずっと上手に実行するであろう、ことは間違いナシ。やれやれ、と肩の荷を下ろしたオバチャンたちに、次に待ち受けるものは。。。
(2)へ続く。
(2)オバチャンからオバチャンへの技術移転スタート!
~研修を「受ける側」から、研修を「実施する側」に変身オバチャン~

200605

はじめて、自分たちで計画し、自分たちで実行した総会が終わって、やれやれ、という翌週。今年度、VVK事業計画の一つである「VVK加盟グループを40達成!」を実現するため、新しいグループの発掘とその研修を担当することになった6 名が、指導員養成研修を受けるため、4 月25日、26 日とプロジェクト事務所にやってきた。
2 日間の指導員研修のお題目は次の通り。
1 日目: おもちゃのお金を使って、SHG内の資金運用ゲームをしながら、金銭出納帳と貯蓄、ローンという2つの仕訳帳の付け方の指導方法を学ぶ。(ゲームの詳細はPCUR-LINK便り第5 号参照)
2 日目: 仕訳帳の続きとVVK会則の紹介
両日とも、水戸黄門様が研修講師(ファシリテーター)。スタッフは新規VVK加盟を希望するSHGメンバーになりきって、指導員6 名が新しいメンバーを指導するデモンストレーションをする、という方式。研修というと、座って言われることをノートに取り、ありがたく講師の話を聴くのがメインという頭から抜けきらなかったオバチャンたち。ところが、黄門様に、「もう、おまえさんたちは、去年の6 月にこのトレーニングを受けているじゃろう?覚えているだけでイイから、ここですぐやってみなさい。」といわれ、顔面蒼白、冷や汗たらたらで準備し、さっそくデモンストレーション。指導員6 名が研修のデモンストレーションしている間、JICAインド事務所からお借りしているビデオが大活躍。指導員のオバチャンたちは、各1 名ずつのデモンストレーションが終わった後、ビデオで撮影されたものを観て、それに自分でコメントしたり、スタッフからアドバイスを受ける、を繰り返した。
研修最後の2 日目。
6 名中、3 名がなんとか研修のお題目を一通りこなせるようになった。残り3 名は、会則の説明をするにも、自分が会則をわかっておらず、帳簿付けも満足に説明できず、自信喪失。「アタシら、こんなんじゃ指導員になれなーい」と泣きそうな顔。
結局、6 名がバラバラに各SHGへ指導にでかけるのではなく、2 名で1 組になって、5 月は12の新規グループに出かけることになった。
スケジュールも決まり、いよいよ新規グループ獲得に向けて出発!その前に、指導員の講師料(謝礼)の話。
★水戸黄門様:「おまえさんたち、新規グループへ指導に行く際の講師料は予算に入れておるか?」
△オバチャン1:「はい、プロジェクトから1 グループにつき125 ルピー(約320 円)いただきたいなあ、と思ってます。」
★水戸黄門様:「ところで、講師謝礼じゃが、日当とはどう違うのじゃ?」
▲オバチャン2:「えーっと、えーっと講師謝礼の方が、ちょっと値段が高いことかしら?」
★水戸黄門様:「じゃあ聞くが、日当というのは、おまえさんたちが月別の運営委員会を開いたり、研修に参加したりするときに、プロジェクト費から出してもらっておるじゃろう?いわば、日当は、ある会や研修に参加すればもらえるものじゃな?」
▽オバチャン3:「そーです!参加すれば日当がもらえまーす!」
★水戸黄門様:「じゃあ謝礼も、研修に行けば、それだけでもらえるものなのか?謝礼と日当は本当に同じなのか?」
▽オバチャン3:「うーん。謝礼だって、日当と同じで新規グループに指導に行けばもらえるもんじゃないの?日当と謝礼も値段が高いのが謝礼で、その2つは違わないと思うけど?」
★水戸黄門様:「おまえさんたちは、謝礼と日当の違いをわかっておらんぞ。新規グループに指導に行っただけで、謝礼はもらえん。謝礼とは、おまえさんたちの技術に対して支払われるものじゃ。おまえさんたちが新規グループを指導して、そのグループが帳簿を自分でつけることが出来るようになって、はじめて意味があるのじゃ。なので、ただ指導に行くだけのおまえさんたちには、プロジェクトは125 ルピーだろうが、5 ルピーだろうが、1 ルピーも払わんぞ!しかし、おまえさんたちの技術力で、新規グループが帳簿付けを理解し、グループ内の資金運用を始めれば、おまえさんたちは、125 ルピーどころか、500 ルピー、1000 ルピーだって謝礼を請求できるのじゃよ。」
▼オバチャン4:「えーえーっ!500 ルピー、1000 ルピー?」
★水戸黄門様:「よーし、皆のもの、まず150 ルピーからスタートしなさい。おまえさんたちの指導を受けた、新しいグループが、帳簿を付けられるようになり、資金運用を始めたらおまえさんたちへの謝礼は250 ルピーじゃ。それでよいかの?おまえさんたちの技術に対して、プロジェクトは謝礼を払うのじゃ。精進して技術向上を目指しなさい。」
☆オバチャン6 名全員:「エーっ!!250 ルピーも貰えるの!がんばるわ、アタシたち。」
5 月中の最初の研修は、ビデオ撮影も実行され、そのビデオをもとに研修の振り返りミーティングが定期的に開かれることになった。
実は総会以降、VVKに加盟したいという問い合わせが次から次へと、VVK事務所に寄せられてくる。もちろん、現在、VVKに加盟している4つのグループもせっせと勧誘しているのだが、噂が噂をよび、勧誘していないグループでも、
「アタシ、VVKのこと聞いたのだけど、研修してくれるんだって?ウチのグループにも来てよ」
と言ってくる。3 月末までに40 グループ獲得を目標にしているVVKの、出足はまずまず好調。
※ ※ ※
ここで、ちょっとインドSHG事情補足説明。
インドには220 万のSHGがあると言われているが、そのうちアーンドラ・プラデシュ州には50万のSHGがあると言われ、同州は数では、インド随一のSHG州を誇っている。(ちなみにVVKの活動するビシャカパトナムのSHGの数は8千。一体、誰が数えたのか不明だが、数字は、新聞発表による。)SHGの数が多ければ、その数だけ問題もある。今年に入って、同州では、さかんに任意団体であるMFI(小規模金融組織)の高利子と、悪質な借金取り立てが報道され、借金苦に自殺に追い込まれる女性の数が増大していることが明るみにでた。任意団体のMFIによる金融業は、規制する法律がない。VVKは、これから「銀行」業をスタートするにあたり、会則を定め、団体登録(MACS:相互扶助組合法を予定)への準備を始めているが、アーンドラ・プラデシュ州大手MFIの多くは、任意団体のまま、大規模に金融業を行い、SHGの名前を使った悪質なMFIが猛威をふるっている。この4 月以降、ようやく警察や州政府も動きだし、こうしたMFIの活動を強制停止させる等の動きが出てきたところだ。VVKのあるビシャカパトナム市も例外でもなく、知り合いが高額な利子のローンを返済できず、MFIのスタッフに何時間も炎天下に立つよう強制され、借金返済を迫られる、または家出をする、などの女性の話が身近に相次いでいる。VVKはこうしたMFIと区別する意味でも、団体登録をするということが、4 月の総会で承認されている。

※ ※ ※
こうしたMFIとはなんか違うかも?と地元のスラムの期待はVVKに集まっているのか、どうかは別にして、クチコミでVVKのことを聞きつけたSHGからの問い合わせがいくつもあるのは事実。これはVVKにとって、新規グループ獲得のチャンスなのであった。果たして、指導員に選ばれた6名は、このチャンスを活かせるか!!
5月2日を皮切りに、
オバチャンの、
オバチャンによる、
オバチャンのための技術移転がスタート。
○新規グループオバチャン1:「VVKの皆さん、アタシたちのグループに研修に来てくださってどうもありがとうございます。」
▼VVK指導員オバチャン1:「アタシたち、ビシャカ・ワニタ・クランティという団体から来ました。アタシたちのグループもPCUR-LINK事業の研修を受ける前は、SHGの帳簿付けもすべてNGOのスタッフに任せきりで、自分たちのグループの利益なんて考えていませんでした。しかしこの事業で金銭出納帳とかグループの資金運用などを学び、この2年間で、アタシたちのグループの資金を5倍にも6倍にもすることができました。今日はこの金銭出納帳の付け方を皆さんに伝えるために来ました。またVVKの会則も紹介しますので、もしこうした帳簿付けやVVKのことが気に入ったら、どうぞVVK会員になってください。それでは、研修を始めてよいでしょうか?」
●新規グループオバチャン一同:「よろしくお願いしまーす!」
▽VVK指導員オバチャン2:「まずは、金銭出納帳ですが、みなさんにゲームをしてもらいます。はい、そこのアナタ、そんな後ろに座ってないで、もっと前に出てきてください。」
■新規グループオバチャン2:「アタシ、読み書き出来んもん。だから、そんな帳簿の付け方研修のゲームなんてわからんから、いいわ。後ろで見てるわ。」
▼VVK指導員オバチャン1:「アンタねえ、自分の家の食費を買ったり、家賃を払ったり、そーいう財布を管理しているのは誰よ?」
◇新規グループオバチャン一同:「そんなのアタシらに決まってるじゃん。」
▼VVK指導員オバチャン1:「じゃあ聞くけど、アンタ読み書きできるの?」
◇新規グループオバチャン一同:「読み書きはできんけど、お財布の管理はトーゼン、アタシらがしてるわ。夫はあてにならんし、子どもは小さいし。」
▽VVK指導員オバチャン2:「今からアタシたちが話をする金銭出納帳も、お財布と同じよ、SHGのお財布よ」
▼VVK指導員オバチャン1:「それにね、アンタたちこんな帳簿付けなんか簡単なんだから、一度覚えたら小学校3,4年生程度の算数と国語が出来たら、誰にでもできるわ。このグループにもたくさんいるでしょう、4年生くらいまで学校に行った人が!」
■新規グループオバチャン3:「まあアタシらみんな3 年生くらいまでは学校行ってたし、お金の勘定もできるわ。」
▽VVK指導員オバチャン2:「今から帳簿付けの話をするけど、わからなかったから、その都度、質問してよね。」
◇新規グループオバチャン一同:「うーん、分かった」
と、そこで参加するメンバー全員に小さな紙袋が配られ、そこにはおもちゃのお金で50 ルピー札が何枚か入っている。この50 ルピー札を使って、実際にグループメンバー(最低10 名)が毎月50 ルピーずつ貯蓄。10 人なら最初の月に500 ルピーの貯蓄ができ、その500 ルピーをメンバー1 人にグループが貸し出す。そして翌月、必ずお金を借りた人は10 ルピーの利子をつけてグループに返済する。2 月目は、500 ルピーの貯蓄と返済された500 ルピーと、10 ルピーの利子がグループへの入金となり、今度はメンバー2人に各500 ルピーずつお金を貸す。3 月目は、500 ルピーの貯蓄と、前月に借りた500 ルピーを返す人が2 名で、1000 ルピー、そして利子が1 人10 ルピーずつで20 ルピーがグループへの入金となる。このお金の出入りを「入金(+)」と「出金(-)」という2つの箱を使って、そして模造紙に大きく書
いた金銭出納帳の帳面の枠に、数字を入れていゆく指導員のオバチャンたち。その都度、「今ね、500 ルピーの貯蓄を集めたけど、これはグループへの“入金”になるの?“支出”になるの?」と質問してゆく。指導員たちは、オバチャンたちになじみのない「残高」とか「繰越金」とかの用語を、その都度、わかっているか、どうか確認し、参加したメンバー全員がわかるまで、何度も何度も繰り返し説明した。おもちゃのお金で4 か月、5 か月と、資金を回転させながら金銭出納帳をつけてゆくうちに、参加していたオバチャン全員が身を乗り出して、ゲームに参加している。中には、指導員から金銭出納帳をつけてみるように言われて、おそるおそる模造紙の帳簿に「出金」いくら、「入金」いくら、と書き込んで、それをメンバーに説明している参加者のオバチャンも。読み書きのできないメンバーだって、目の前のおもちゃのお金が実際に動いて、「出金」、「入金」を繰り返し、帳簿に書かれてゆくのだから、みんな声をそろえて「今のは出金よ、今のは入金よ」と反応する。
▽VVK指導員オバチャン2:「アンタたち、50 ルピーの毎月の貯蓄を10 人で行って、この10 人のうち半分の5 名全員が各500 ルピーのローンを借りられるようになるまで、アンタたちのグループだったら何ヶ月かかるの?」
◇新規グループオバチャン一同:「うーん、ひと月に500 ルピーでしょう、えーっと5 名だったら2,500 ルピーいるんだから、えーっと、えーっと5 か月後だわ。」
▼VVK指導員オバチャン1:「じゃあ聞くけど、今のゲームの方法だったら、何ヶ月目に5 名が500ルピーずつ借りられるようになるの?」
●新規グループオバチャン4:「もう3 か月目には6 人も500 ルピーを借りることができるわ!」
○新規グループオバチャン4:「これはイイわ。!この方法でアタシらのグループも資金運用したいわ。明日、金銭出納帳を買って、明日から帳簿をつけるわ!」
◎新規グループオバチャン4:「そーいえば、アタシらのグループも隣のグループも帳簿を付けるだけにNGOからスタッフが1 人、毎月やってくるわね。その人にアタシら毎月50 ルピーのサービス料を払ってるのよ。でもね、そのNGOのスタッフ、全然、帳簿の内容を教えてくれないの。ときどき、銀行にかけあってSHGにローンがもらえるよう手配してくれるけど、アタシら、一体、その人が何を帳簿につけてるのかわからんのよね。」
▽VVK指導員オバチャン2:「アンタたちねえ、わけもわからずに50 ルピー毎月払っているわけ?アンタたちのグループの帳簿なのよ?」
○新規グループオバチャン5:「今日教えてもらった金銭出納帳だったら、アタシの娘が今、5 年生だから、彼女に書いてもらえるわ。何が書いてあるかわからない帳簿をつけるために、それにいつもらえるかわからない銀行のローンをもらうために、毎月50 ルピーのお金を、よそから来るNGOの人に払うことないんだわよね?」
●新規グループオバチャン4:「もう帳簿付け、頼むのやめちゃおーか?」
▽VVK指導員オバチャン2:「そのNGOの人に50 ルピー払うか、払わないかは、アンタたちの問題なので、自分たちで決めてください。それでは、ひとまず研修はここで終わりにして、今日は帰ります。今日はどうもありがとうごうざいました。VVKの会則を置いていきます。VVK会則で、読んでわからないことがあったらいつでも聞いてください。私の家はこの通りの裏です。」
○新規グループオバチャン5:「ねえマダム、明後日アタシらのグループ、ミーティングを開くのだけどそのとき、自分たちでノートを買って、この金銭出納帳をけてみるわ。でも、自信がないから、ちょっと見に来てくれる?それに、VVKにはどーしたら入れてくれるの?」
▼VVK指導員オバチャン1:「それも会則に書いてあります、ほら2 ページを見てください。(VVKに加盟するための8 箇条:1.毎月のミーティングにはグループメンバー全員の70%以上が出席していること、2.毎月グループで決めた額を90%のメンバー定期的に貯蓄している
こと、3.金銭出納帳をつけていること、などなど8 項目)」
▽VVK指導員オバチャン2、今日の研修はこれで終わりにしましょう。また明後日に会いましょう!」
◇新規グループオバチャン一同:「ありがとうございました!また明後日、必ず来てください!待ってます!私たち、VVKに入れるよう、がんばりまーすっ!」
研修終了後、握手まで求められてしまうVVK指導員のオバチャンたち。
今日(5 月9 日)で6 人全員が指導員として、新規VVK 加盟を希望するグループに出かけていったが、全員とも、ものすごく緊張している他は本当に、堂々と研修を実施していた。研修がある前日は、緊張で眠れない指導員のオバチャンたち。また、夫から「おまえ、なんで寝
言で、出金、入金って唸っているのだ?なんだ出金、入金って?」と聞かれるオバチャンも。
4 月25,26 日の指導員研修では、6 名のうち3 名が、金銭出納帳や会則を説明できず、オロオロしていたのに、新規グループを訪問する前日まで、それこそ夜10 時、11 時まで、ペアとなる指導員と一緒に、家で練習に練習を重ねていたのだった。その甲斐あって、6 名全員が見事に、参加オバチャン全員を巻き込んでの研修に成功!オバチャン指導員の多くが、自分の住んでいるスラムにあるSHGに研修をするのだから、知り合いのウチに研修に行くようなもの。だから、もし研修がおもしろくないものだったら、研修を受けている側のオバチャンたちは容赦なく、席を立つだろうし、批判の声も浴びせるだろう。遠慮ないオバチャン同士、始終、口汚く隣近所で喧嘩しているのだし。ところが、昨日まで呼び捨てにしていた同じスラムの知り合いのオバチャンが、なんとVVK指導員のオバチャンを「マダム」と無意識に呼ぶようになった。呼ばれているVVK指導員の本人も、「マダム」と呼んだ新規グループのオバチャンも全く気づいていないけど、指導員のオバチャンは、その指導力、技術力で相手を説得し、相手が敬語を使わないではいられないほどの能力を見せつけたのであった。オバチャンからオバチャンへの技術移転が、プロジェクト開始後22 か月にしてスタートした5 月。指導員オバチャンたちは、研修が終わる度にビデオ撮影をしていたソムニードのスタッフに迫ってくる。
◇VVK指導員オバチャン1:「今日の研修どうだった?」(すごい怖い顔で)
▽ラマラジュ:「いやーすごい堂々としていてかっこヨカッタよ。だって、参加者の誰も眠ってなかったし。誰1人、2 時間の研修中、席を立たなかったしね。壁に持たれてぼんやり聞いている人もいないし。みんな身を乗り出して、あなたたちの話を聞いてたよ。それに研修の最初から最後までみんな大笑いしながら楽しそうに参加してたし。よくがんばったね、研修成功、おめでとう!」
◆プロマネ:「本当にそのとおり!参加したオバチャンの娘がね、オバチャンたちと一緒になって入金、出金、と言っていたのよ。小学校2 年生くらいの彼女がわかるんだから、もうアンタたち、誰に話してもわかるような研修ができるのよ。読み書きできない多くのメンバーが楽しそうに参加してたじゃない?そういう研修ができたのはあなたたちの努力の成果よ!」
▽VVK指導員オバチャン2:「プロマネもラマラジュも誉めてばっかりで。。。(不満げ)そーじゃなくて、どこかいけなかった言ってくださいよっ!次回は絶対、もっと上手くやりますからっ!!」
◆プロマネ:「いや、あの、えーと、本当によかったんだって。えーっと、えーっと、いけなかった点ねえ、うーん。ゲームでメンバーにお金を貸すときに、番号で人を呼ぶより、本人の名前を呼んだり、帳簿にそのメンバーの名前を書いた方がいいかもね。あと仕分帳を教えるときは、必ず金銭出納帳を使うことを忘れずにね。でも、本当によくやっていたよ!」
▽VVK指導員オバチャン2:「分かりました!絶対、次回はそのようにします!で、他にいけなかった点はナイのですか!本当にそれだけですかっ?(すごい真剣に迫ってくるオバチャンにオロオロするプロマネ&ラマラジュ)」
◆プロマネ:「じゃあ聞くけど、アンタたち自分で、今日ヨカッタと思える点はナニ?」
◇VVK指導員オバチャン1:「えーっとえーっと、会則を説明するときに、必要以上に時間を取ってしまって、みんながボーッと聞いている時間があったことですね。それから金銭出納帳の説明が終わって、ローンの仕訳帳を話すときに、みんなが仕訳帳と金銭出納帳の区別がつかなく混乱しているのに気がつかずに話を進めてしまったことですね。」
▽VVK指導員オバチャン2:「それに、すごく緊張して、最初すごい声が上ずってしまったの。あれはいけなかったわ。」
◆プロマネ:「アタシ、今日ヨカッタと思える点はナニ?って聞いたのだけど、アンタたちダメな点ばっかり言ってるわ。で、もう一度聞くけど、今日ヨカッタと思える点は?」
☆VVK指導員オバチャン1&2揃って:「それは、参加者全員が楽しんで研修に参加してくれて、みんなが私たちの説明に最後には納得してくれたことです!」
★プロマネ&ラマラジュ:「それっって一番、研修の大事なことじゃん。それができたアンタたちはやっぱり偉いじゃん!!!」
でもなんかそんなコメントに不満そうな指導員のオバチャンたち。
▽VVK指導員オバチャン2:「もうイイです。誉めてばっかりで。早速、ビデオ撮影した映像をみながら振り返りのミーティングをしたいのですが、明日午前11 時からでいいですか?」
★プロマネ&ラマラジュ:「あっ、も、も、もちろん、いいです。振り返りミーティングをやりましょー。」
スタッフ一同、事務所で、撮影したビデオを観ながら、目頭が熱くなってしまった。
ラマラジュなどは、「オバチャンたちのキャパがこんなに高いなんて。昨年6 月グループ内で金銭出納帳をつけ始めたばかりの彼女たちが、1 年も経たないうちに、こんなに上手に、他のグループに指導できるようになるなんて、ウソみたいだ!」と話す。
黄門様までも「いやーここまでやれるとは、ワシも驚いた。こんな能力の高い指導員が6 人もVVKの中にできるとは!どーしてこんな能力の高い人たちが、何年も、何年もSHGをやっていて、NGOの支援や政府の散発的な支援に依存し続けていたのだろう。彼女たちを依存状態に追いやる者はそれ自体が罪だ!」と。
指導員オバチャンたちは、せっせと今日も新規グループの研修に出かけ、また研修を受けたグループのフォローアップにも忙しい。今では6 人の指導員とミーティングを持つためのスケジュール調整するのが一苦労。こんなに目が回るように忙しいオバチャンたちの顔つきは、もう1 月前とは全く違っているのだった。
※ ※ ※
生産・物流センターのその後・・・
センター建設の土地探しをせず、その代替案を4 月28 日までに発表する、と言っていたオバチャンたちだが。。。
総会の忙しさで、4 月28 日には、代替案として「アタシら銀行を作りたい」というのが精一杯だ。この代替案は。。。。まだまだ次号に続く。
<注意書き>
水戸黄門:ソムニード代表理事
団体登録:VVKは今はまだ任意団体。日本のNPO法のように、インドでも様々な団体登録がある。VVKはようやく2006 年2 月に会則が制定され、団体登録への一歩を踏み出した。インドでは、多くのSHGの連合体がMACS「相互扶助組合組織法」というのに登録されているが、その多くがNGOが会則を作成し、SHGメンバーの誰もMACSが何かも、会則の中身も知らず、ただNGOの言うままにSHGの代表が署名して団体登録しているケースが多い。
※※※※プロマネもラマラジュもソムニード・スタッフ。プロマネはこの便りのオバチャン筆者。
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プレゼンテーション1