第20 号 土地を探さねば!「生産・物流センター建設小委員会のオバチャン」その後 ~生産・物流センターは一体、誰のもの?!~ (2006 年4 月11 日発行)

In 805プロジェクト通信 インド「PCUR-LINK便り」 by master


前号でお伝えした3 月10 日以降の小委員会のオバチャンたち。
2 月28 日に小委員会を結成した際、3 月末までに土地を選定し、センター建設計画案を作成する、と豪語したオバチャンたちですが、結局、3 月28 日には結論がでず、プロジェクト・チームに4 月8 日までに最終化を待ってくれるよう伝え、そして迎えた4 月8 日。結論から言えば、前号(19 号) で“オバチャンたちの「事業に対するオーナーシップ」と「共有財産(センター)を自ら創出してゆこう」という強い意志を感じたのだった”なんて思ってしまったプロマネは、まだまだおセンチであった、と実感した4 月8 日のミーティング。今月号は、4 月8 日のVVK臨時ミーティングの様子をお伝えするものだが、その前に、同便り読者の皆さんにこれまでの小委員会の行動を、お知らせする。(一部、前号と重複)
2 月28 日 VVK月別定例ミーティングにて、生産・物流センター小委員会が結成。
5 名(市内スラムから2 名、郊外スラムから3 名)が選出。
3 月末までにVVKによるVVKのセンター建設予定地を探し出す、とオバチャンたちが宣言。
3 月3 日 第1 回小委員会:5 名全員参加
<ミーティング内容>
1.  ラウランマ(VVK代表兼小委員会メンバー)がセンター建設候補地2つを提案するが、1つは住宅専用の土地でセンター建設は不可能、もう1つはビシャカパトナム市役所の所有で、公園建設予定地であったため、センター建設は断念。
2.  小委員会メンバーが、郊外のSHGがある地区の村長と掛け合って、センター建設用の土地がないか相談する。
3.  3 月5,6 日に小委員会メンバーで土地を探す。
4.  3 月9 日、ビシャカパトナム市役所にセンター建設用の土地の相談に行く。
5.  3 月10 日に第2 回小委員会を開く。3 月10 日 第2 回小委員会:5 名全員参加
<ミーティング内容>
6.  ラウランマの家(ビシャカパトナム郊外)から歩いて10 分ほどの土地を下見する小委員会メンバーとスタッフ2 名。
7.  VVKの名義でこの土地の購入を希望。(その際は、まだ土地の登記不明)VVKが、ソムニードに土地購入のための融資を希望。ソムニード(現ムラのミライ)からは、VVKに次の質問をする。
(1)VVKの団体登録はいつ行うのか?(4 月現在、VVKは未登録の任意団体)、
(2)ソムニードから融資を受けたとして、VVKに返済計画はあるのか?初期投資はいくらか?
(3)土地の登記は正当なものかどうか?
(4)土地を購入でき、センター建設が可能になったとして、2007 年6 月の同事業終了以降の維持管理費はどのようにVVKが捻出するのか?
8. 小委員会は3 月28 日までに再度ミーティングを持ち、(1)から(4)の質問に答えを用意すると共に、特に(2)と(4)の質問に答えるため、VVKメンバーSHGが2005 年度のバランスシートを作成、各SHGの1 年の利益を明確にする、と宣言。3 月10 日~20 日 小委員会なし、土地の選定もなし。唯一、VVK代表で小委員会メンバーのラウランマのみが土地探しに奔走。※この辺りから、プロジェクト・チーム、VVKの土地獲得へのやる気のなさをジワジワと感じる。
3 月21 日 9. ラウランマの夫(本人体調不良のため代理)と、スタッフ2 名がガネシュナガールというビシャカパトナム郊外の土地の下見に行く。しかし、土地の登記の正当性は、不明。
3 月28 日 VVK月別定期ミーティング
<ミーティング内容>
10.  3 月21 日にスタッフが視察した土地の値段が、30 万ルピー(約80 万円)と判明。VVKはソムニードに融資30 万ルピーの融資を希望。しかし、土地の登記の正当性は、不明。3 月10 日にスタッフから質問された(1)から(4)に何一つ答えられず。小委員会による土地選定を3 月末ではなく、4 月8 日まで延期して欲しいと希望。プロジェクト・チームも了解し、VVKによる土地に関する提案の最終期限を4 月8 日とした3 月28 日現在、小委員会のメンバー5 名のうち、1 人も土地の下見に行っていない。
※※プロジェクト・チーム、VVKの土地獲得へのやる気のなさ、を確認する。4 月5 日 第3 回小委員会:メンバー5 名中2 名参加 (土地の下見後、2 名参加)
<ミーティング内容>
11. 土地の登記(写)を仲介人から入手するため、スタッフに、郊外のガネシュナガールにある土地まで来て欲しいと小委員会が依頼。
スタッフ3 名が、土地の下見を兼ねて、土地所有者が寄こした仲介人に会う。この時点でも、仲介人は、土地の登記(写)を渡さず、値段も30 万ルピーと3 月21 日に言っていたのを、40 万ルピーだと変更する。未だ、小委員会は、3 月10 日にスタッフから質問された(1)から(4)を未検討。
3 月29 日から4 月4 日までに、小委員会メンバーで土地の、下見に訪れた人数は1名のみ。
※※※プロジェクト・チーム、VVKの土地獲得へのやる気のなさ、を確信する。
そして迎えた土地選定の最終日、4 月8 日の第4 回小委員会。小委員会がプロジェクト・チーム約束した時間は8 日の午後12 時。
約束の午後12 時に、プロジェクト事務所での小委員会に参加する前に、午前11 時から、プロジェクト・チーム(プロマネ、マヒラ・アクションのスワルナ、ソムニードのラマラジュ、アシスタント・プロマネ)の4 名は、2 月28 日から4 月5 日までの小委員会の経過を振り返る内部ミーティングを持った。そのスタッフ間のミーティング中、スワルナが怒り出した!
◇スワルナ:「なんてこと!!!VVKメンバーたち、自分たちの土地を買うのに、4 月8 日の締め切りも迫った、4 月5 日になっても、1 名しか委員会メンバーが土地の下見もしてないなんて!!だいたいVVKのメンバーたち、土地を購入する気なんて全くナイんだわ。下見もしていない30 万ルピーもする土地の買い物をするなんて、そのローンをソムニードに頼むなんて、全く信じられないワっ!結局、ラウランマVVK代表しか土地探してないじゃない!!全然、自分たちの懐を痛める覚悟なんてナイのよ、あの人たち!生産・物流センターがVVKにとって、どんな大きな財産になるか、全くわかっていないわ!わかっていたら、2 月28 日から4 月5 日まで、土地の下見はしない、委員会も3 回しか開かないってそんなことあり得ないワ!」
◆プロマネ:「まあ、まあ、マダム、落ち着いて。お怒りはごもっともです。VVKの鼻息(VVKで土地を買うぞー!)は荒かったのですが、実力が伴っていない、ということでしょうかね。」
◎ラマラジュ:「私たちのファシリテーションがまずかったのでしょうか?いつまでたっても目先の50ルピーや10 ルピーにしか気が回らず、将来の5 万ルピーや50 万ルピーのことは考えられないのです、VVKメンバーたちは。」
◇スワルナ:「私たちプロジェクト・チームのミスも考えなくてはいけないわね。」
◆プロマネ:「そうですね、プロジェクト・チームは、今日の50 ルピーや10 ルピーしか考えられないオバチャンたちに30 万ルピーの土地やら、130 万ルピー(約370 万円)もする建設センターの計画をしろって言ったのですからねえ。1 年生に中学生の算数の問題を解け、と言ってしまったのでしょうね。」
◎ラマラジュ:「さて、今日の12 時からのミーティング、どーしますか?また期限を延長してくれ、と言ってくるかもしれませんね。」
◆プロマネ:「もともとの期限が3 月末で、彼女たちが希望した最終期限が4 月8 日だったのです。プロジェクト・チームは4 月8 日まで待ったのですから、今日が最終で、これ以上、VVKによる土地の選定に関する期限延長はナシでしょう。今日のミーティングで、3 月3 日以降の課題をどうVVKがクリアしているか、楽しみにですね(プロマネ心の声:何もしてないと思うけど)。」
◎ラマラジュ:「じゃあ、僕が2 月28 日からセンター建設小委員会の活動を一つずつ振り返るように話を持っていきましょう。それで、彼女たちが自分でやる、と決めたことを、実際に実行したかどうか、一つずつ確認しましょう。」
◇スワルナ:「そうしましょう。でもアタシ、PCUR-LINK事業がオバチャンたちの申し出や希望を受け入れよう、土地を選定するまで待とう、彼女たちのイニシアチブをこんなに大切にしようとしているのに、どーして、自分で動こうとせずに、いつまで経っても30 万ルピーのローンをもらおう、建設センターを建ててもらおう、と受け身でいるのかしら!?今日、アタシ、VVKに一喝してやるわ!!」
小委員会が4 月5 日まで真剣に土地選定に関与してこなかった、ことに激怒するスワルナであったが、この人、ほんの半年前までは、ラマラジュとプロマネ、そして水戸黄門様(※3)がやる気のないSHGを一刀両断に、ある時はネチネチと叱っているのを見て、
「そんな、かわいそうに」とか、
「どうして貧しいスラムの女性たちをそんなに叱るのかしら」、
「彼女たち、貧しくて、かわいそうなんだから、どんどんローンとか住宅とか支援(プレゼント)してあ
げなくちゃダメよ」とPCUR-LINK事業の方式にヒジョーに批判的だったのだ。そんなスワルナと意見の食い違いから、何度、スワルナVSプロマネの冷戦状態に陥ったか・・・喧嘩しては、仲直りし、また喧嘩する、を繰り返した日々・・・
ところが、今日、事業開始後、21 か月を経て、初めてVVK小委員会のイニシアチブのなさ、受け身の態度に激怒スワルナ。しかもプロマネ&ラマラジュ以上に・・・
プロマネとラマラジュ、心の声:「どうした、スワルナ?!」
※ ※ ※ ※ ※
まあまあまあと怒るスワルナをなだめて、スタッフ間でのミーティングを終え、12 時10 分と、約束の時間に10 分ほど遅れてプロジェクト事務所にやってきたスタッフ。プロジェクト事務所の会議室では、オバチャンたちが、何やらゴチャゴチャ言っている。プロジェクト事務所の玄関先で、小耳に挟んだところによると、12 時からの小委員会ミーティングを午後3 時に延期して欲しいとの、こと。一足先にプロジェクト事務所に来ていたスタッフによると、オバチャンたちは、どうやらスタッフに午後3 時に、出直して来いとの要望があるらしい。
◆プロマネ:「ふーん、ナンか揉めているんでしょう、きっと。じゃあ3 時にまた、来ることにしよーか?」
◇スワルナ:「アンタ、何、甘いこと言ってるの!!12 時と言われて、12 時にアタシたち、来たじゃない!?それをまた、どーして3 時に延期するのか、その理由を聞かなくちゃダメよ!だいたいね、10 時からミーティング始めるって、言ってたくせに、結局、みんな遅刻してきて、11 時半にしかスタートしてないらしいわよ!小委員会のメンバーたち。そんな時間にだらしのないこと、今頃やっていて、いいと思っているのがいけないのよ!!」
プロマネのいい加減な対応と遅刻してくる小委員会メンバーにまたまた怒りのスワルナ。

20060420 (2)
◆プロマネ:「あっそうです、その通りでーす。それでは、今から、ちょっと聞いてみましょう」プロジェクト事務所、会議室で・・・
◆プロマネ:「議長、アタシたち、3 月28 日のミーティングで、4 月8 日の12 時に小委員会に来てくれって、言われたから、10 分遅れてしまったけど、スタッフみんなでプロジェクト事務所に来たので、今から会議に参加してもいい?」
○議長オバチャン:「あっ、えーっと、えーっと・・はい、いいです!」
議長オバチャン、口で笑って目で笑っていないプロマネの迫力に圧倒されてしまったのか、プロマネに直接「午後3 時に出直して来い」とは言えなかった様子。そこで、会議の場に、座るスタッフ一同。
◆プロマネ:「じゃあ、小委員会の結論を聞かせもらいましょう。土地は結局、みつかったの?」
☆小委員会オバチャン1:「アタシたち、ガネシュナガールというところに土地を見つけたわ!その土地の登記(写)は、これなの。(登記写しを持参)でも、まだその登記が正当なものかどうかは確認してないの。土地の値段は30 万ルピーらしいわ。そこで、お願いなんだけど、ソムニードから土地購入代の30 万ルピーの融資をしてくれないかしら?毎月2 万ルピーずつ、15年で必ず返済しますから。」
◆プロマネ:「ところで、小委員会の5 人いるメンバーで、土地の下見に行ったのは何人?」
○小委員会オバチャン2:「あのー、一昨日下見に行った2 名を入れて、3 名です。」
◆プロマネ:「アンタたち、露店で売ってるグアバを1 個(1 ルピー)買うのに、傷がないか、虫食いがないか、甘そうなやつか、あれこれ自分で、見て、触って、選んで、それからお金払うでしょう?たとえ1 ルピーでも、グアバを見もしないで買うことなんてナイでしょう?」
○オバチャン一同:「もちろん」
◆プロマネ:「じゃあ聞くけど、2 月28 日には、3 月末がVVKによる土地選定の締め切りだと知っていた小委員会のメンバーで、4 月5 日まで土地を見た人はわずか1 人だったわね。今日までに下見に行ったメンバーが3 人?メンバー全員、土地の下見もしてないのよね。それで30 万ルピーもする土地の買い物をVVKがする気があるって、信じる人がいると思うの?」
○オバチャン一同:沈黙
◆プロマネ:「毎月2 万ルピー返済するって言ってるけど、その根拠は何よ?」
△小委員会オバチャン3:「あのー、何かビジネスをして、その利益から払うわ!」
◆プロマネ:「例えば、今、VVKに30 万ルピーの資金があったとするわね。プロマネとスワルナが、“今から、ビジネス始めたいから資本金に30 万ルピー、ローンをくれ、月2 万ルピーで15 年間で絶対返済するわ。でも、ナンのビジネスかはこれから考えるし、毎月どれだけ利益がでるかもわからないけど、とにかく必ず利益から2 万ルピーずつ15 年かけて返済しますから、ローンをください!”、と言ったら、VVKはアタシたちに30 万貸してくれるの?」
○オバチャン一同:「貸さないわ!そんな返済計画、誰が信じられるって言うのよ!利益がでるかどうかもわからんのに。」
◆プロマネ:「だったらソムニードだって同じよ。30 万ルピーどころか3 ルピーだって貸せないわ。」
◎ラマラジュ:「それでは今から、2 月28 日からの小委員会をみんなで振り返ってみましょう。まず2月28 日に何がありましたか?」
△小委員会オバチャン3:「5 人の小委員会メンバーが選ばれたわ。そして、3 月末までに土地も含
めて生産・物流センターの計画を出すことに決めたわ。それから3 月3 日に第1 回の小委員会ミーティングを開くことになったわ。」
◎ラマラジュ:「それで、3 月3 日に第1 回の小委員会ミーティングは開かれましたか?」
○小委員会オバチャン2:「はい、5 人全員参加しました。」
◎ラマラジュ:「そのとき、小委員会で何を話して、何を決めましたか?」
☆小委員会オバチャン1:「 ラウランマ(VVK代表兼小委員会メンバー)がセンター建設候補地を2つ見つけてきたけど、両方とも建設できない土地だったわ。」
○小委員会オバチャン2:「アタシらで、郊外のSHGがある地区の村長と掛け合って、センター建設用の土地がないか相談する、と決めたわ。」
◆プロマネ:「で、相談したの?」
☆小委員会オバチャン1:「 してません。」
◎ラマラジュ:「その他には?」
○小委員会オバチャン2:「3 月5,6 日に小委員会メンバーで土地を探すことになってたわ。」
◆プロマネ:「で、誰か探しに行ったの?」
△小委員会オバチャン3:「行ってません。」
○小委員会オバチャン2:「それから、3 月9 日に、ビシャカパトナム市役所にセンター建設用の土地を相談に行くことにして、スワルナさんやラマラジュさんに一緒に来て欲しいと言ったわ。」
◇スワルナ:「アタシそのつもりで3 月9 日、予定を変更して時間を空けておいたのに、当日、今日は行かないって電話があったわ。」
◆プロマネ:「で、その後、結局、市役所に行ったの?」
☆小委員会オバチャン1:「 誰も行っていません。」
◎ラマラジュ:「その他には?」
○小委員会オバチャン2:「3 月10 日に第2 回の小委員会を開いたわ。」
△小委員会オバチャン3:「ラマラジュさんにも来てもらったし、小委員会メンバー5 名全員参加したわ。」
☆小委員会オバチャン1:「 そのとき、ラウランマが見つけてきた土地を下見に行ったわ。」
○小委員会オバチャン2:「その土地を下見しているときに、ラマラジュさんに言ったの。アタシたち、VVKの名義でこの土地を買いたいわって。それから、ソムニードから土地購入のためのローンをもらえないかしらって聞いたの。」
◎ラマラジュ:「その時、私が何を質問したかも覚えてますか?」
☆小委員会オバチャン1:「 うーんと、4つくらい聞いてたわ。えーっと、えーっと、まず1)VVKの団体登録はいつ行うのか、でしょ。2)VVKの返済計画はあるのか?初期投資はいくらか、でしょ。
3)土地の登記の正当性の確認でしょ。4)2007 年6 月の同事業終了以降の維持管理費はどうやってVVKが捻出するのか?この4つだったわ。」
◎ラマラジュ:「その他、もう一つ、自分たちでやると言ってたことがありましたよ。」
○小委員会オバチャン2:「そうそう、VVKメンバーSHGが2005 年度のバランスシートを作って、各SHGの1 年の利益を明確にして、それを基に返済計画や初期投資額をスタッフに伝える、と言ったわ。」
◎ラマラジュ:「で、私の4つの質問の答えと最後のバランスシートは用意できているのですか?」
○小委員会オバチャン2:「1)の団体登録(土地所有のために必要)の話は進んでいないし、2)のローン返済計画はないし、3)の土地登記は怪しいもので、センター建設はできないとわかったし、4)の維持管理費の答えは準備していないし、バランスシートもまだ出来ていないわ。」
◎ラマラジュ:「3 月10日の第2回の小委員会以降、3 月末までに、何をすることにしたのですか?」
☆小委員会オバチャン1:「 また小委員会で土地を探すことにしたわ。」
◎ラマラジュ:「で、誰か土地を探したのですか?」
○小委員会オバチャン2:「3 月21 日に、ラウランマの代理で、彼女の夫と、スタッフ2 名がガネシュナガールという所の土地の下見に行ったと聞いたわ。でもその土地の登記が不明で、登記の写しを手に入れなくちゃ、という話だったわ。」
◆プロマネ:「確認だけど、そのガネシュナガールの土地の下見には、3 月21 日には、小委員会のメンバーは誰も行っていないのよね?」
○小委員会オバチャン2:「そうです。」
◎ラマラジュ:「それから、3 月28 日の締め切りの日が来ましたよね?そこで何を話し合ったか覚えていますか?」
△小委員会オバチャン3:「ラマラジュさんに3 月10 日聞かれた質問には何も答えられず、21 日にスタッフとラウランマの夫が下見に行った土地の登記(写)も手に入れてなかったから、土地の件、VVKからの提案を4 月8 日まで待ってもらうようにプロジェクト・チームに伝えたわ。28 日のミーティングの後、アタシ、1 人だけだったけど、土地の下見に行ったわ。」
○小委員会オバチャン2:「4 月5 日に、第3 回小委員会を開きました。その際、初めて2 名の小委員会が土地の下見をしました。そのときは、プロマネもスワルナさんも、ラマラジュさんも下見に来ました。でも、土地の登記の写しはまだ手に入れてなくて、ラマラジュさんから言われた質問にも答えていませんでした。」
◆プロマネ:「じゃあ、もう一度、聞くわよ。今日は、4 月8 日だけど、ラマラジュから3 月10 日に聞かれた質問の答えと、各SHGのバランスシートは準備できているの?」
○小委員会オバチャン2:「何も準備していません・・・・」(沈黙)
ここで、議長に発言の許可を取ったスワルナの一喝。
◇スワルナ:「アンタたちねえ、30 万ルピーの土地の融資だ、なんだって、小委員会が自分の汗を流した結果なの、これが?本当に土地を購入する気だったら、どうして3 月末の締め切りまで委員会の誰1 人、土地の下見をしないわけ??それにソムニード、マヒラ・アクション、VVKで合同でプロジェクト事務所を使うって、その維持管理に毎週1 グループがモニタリングするって言ったくせに、去年の12 月以降、全然、規則的にプロジェクト事務所のモニタリングに来てないらしいわね、アンタたち。(記録を見て)おまけに、何かって言うとすぐラウランマ、ラウランマって彼女1 人に、プロジェクト事務所の在庫管理帳簿づけも任せきりで、土地の選定だって、身体の調子の悪い彼女ばかりがやっていたじゃない!これで、小委員会の1 人1 人のメンバーが役割を果たしたと言えるの?そもそもVVKが今のプロジェクト事務所の管理もできないのに、100 万ルピー以上もする、生産・物流センターの土地購入だ、建設だって、出来ると思ってるの?そんなこと信じてもらえると思ってるの?」
○オバチャン一同:うなだれて、沈黙
◇スワルナ:「アンタたち、去年の12 月に日本からJICAのスタッフが来て、スイミーの話をしてくれたでしょ?忘れちゃったの!一匹一匹では小さくて、いつも大きな魚に負けてばかりいた魚たちが、スイミーを中心にして、何十、何百という魚が一つになって大きな魚に向かっていった、という話よ。アンタたち、1 人1 人がスイミーなのよ。1 人1 人がVVKのメンバーとして、責任を取って、役割を果たしていかなかったら、絶対VVKは大きな魚にはなれないのよ!」
◆プロマネ:「さて、4 月8 日という小委員会の決めた期限に、きちんとした提案は何もない、ということになったわね。これから、どーしましょーかね。」
プロマネが次の話を始める前に、ここで、すかさずラマラジュ、今日、会議に参加した3 名の小委員会参加メンバーにこれまでの議論を振り返ってもらう。
☆小委員会オバチャン1:「 4 月8 日という期限を決めたのは、アタシたちで、その期限に間に合って、土地の正当性や融資を受けた場合の返済計画とか、全然、答えられないのだから、もうVVKが所有する土地に、生産・物流センターを建設する、という案は無理だわ。」
○小委員会オバチャン2:「アタシら、何度も足を運んで、土地を探すということもしなかったし、小委員会だって4 月8 日までたった3 回しか開かなかったのだから、VVKの土地にセンターを建設するのがダメになっても仕方ないわ。」
△小委員会オバチャン3:「結局、アタシら、ラウランマに任せきりで、他のメンバーは責任をとろうとも、自分の足を使って、なんとかしようとも、全然真剣に考えてなかったわ。」
◆プロマネ:「JICAにはVVKが団体登録して、VVKが選定し、VVKが所有する土地に、生産・物流センター物流センターを建設する、という案はなくなったと報告するけど、いいわね?」
◎小委員会オバチャン一同:「その通りです。アタシたちが行動を取らなかったのですから、仕方ありません。」
◆プロマネ:「JICAへの提出した予算には、合計で200 万ルピー近い、センター建設費とセンター設備費があるけど、アンタたち、VVKが所有する土地に、物流センターを建設するという以外の代替案をJICAに申請する気はある?もし、もう自分たちの土地にセンター建設できないのならPCUR-LINK事業を降りる、もう関与したくない、というなら、それでも私たちは一向に構わないわ。
プロポーサルにセンター建設があるからと言って、VVKの土地にセンター建設をしたら、どうなるか、その結果は、もうみんなわかってるし。200 万ルピーも使って、VVKに管理されないまま放置されるセンターが一つ出来るだけだわ。VVKのみんなもよく知っているこの事業を担
当されているJICAのスタッフの方たちも、小委員会がどうやって土地選定をしてきたか、どうして3 月末の期限を守れなかったのか、全部、報告して、わかってくれているのよ。JICAは、日本の皆さんの税金でソムニードと一緒にこのプロジェクトしているのよ。プロジェクト終了後の2007 年6 月以降、みすみすVVKが管理しないとわかっているセンターを、VVKの土地に建設するために、数百万ルピーの高額の貴重な税金を使うわけにはいかないのはわかるでしょう?空から降ってくるお金じゃないのよ。」
オバチャン一同、しばらく沈黙。
○小委員会オバチャン2:「アタシらプロジェクト終了後も、アタシたちで管理できる何かを、規模は小さくても、何かを必ずJICAに提案するわ!!PCUR-LINK事業を抜けるなんて絶対言わないわ!!今日中に代替案を言わなくちゃダメ?」
△小委員会オバチャン3:「今日中なんて無理よ!」
☆小委員会オバチャン1:「いつまでに、代替案を出せばいいの?」
◆プロマネ:「いつまでにVVKは代替案が出せるの?」
オバチャン一同、ガヤガヤと相談。
☆小委員会オバチャン1:「4 月28 日の4 月の定例ミーティングまでに、代替案を出すわ!」
◎ラマラジュ:「言っておきますけど、VVKはすでにプロジェクト・チームの信頼を失っています。スワルナが言った通りです。プロジェクト事務所のモニターもしない、在庫管理も、土地選定もラウランマ代表に任せきり、返すあてのないローン返済計画を言う、会議には遅刻してくる等。VVKが信頼を回復するには、もう行動で示すしかありません。誰も、“私、あれするわ、これするわ”という言葉は信用しません。VVKメンバーが1 人1 人、責任ある行動をしていかないことには、信頼回復は無理でしょう。商売に信頼は第一条件じゃなかったですか?アナタたちは、自ら、その信用を壊しているのですからね。それに代替案など何でもいい、というものではありません。JICAはプロポーサルにいくら130 万ルピー予算があるからと言って、アナタたちに現金は一切、くれませんからね。それに計画(実施と事業終了後の維持管理)がないものには1 ルピーだって出してくれないでしょうね。」
◆プロマネ:「象を買っても、飛行機を買ってもいいです。しかし、自分たちで2007 年6 月以降、どうやってそれらの財産をVVKが共同で維持してゆけるのか、態度や数字で証明してもらわなければ。4 月28 日までに代替案が出来るというなら、そのようにJICAに伝えるわ。私たちはVVKの提案を待つわ。でも、もう一度、確認するけど、アンタたち、本当にPCUR-LINK事業をあと15 か月、私たちと一緒にやっていく気はあるの?VVKを続けていく気はあるの?」
○オバチャン一同:「もちろん、です!!」※この時点で泣きそうなオバチャンたち。
◎ラマラジュ:「では、また4 月20 日のVVK総会と28 日の定例ミーティングで会いましょうか。その前に、何かスタッフで出来ることがあったら、言ってください、一緒に相談しましょう。さて、1 時半になりましたし、議論も終わりました、お腹も空いたので、私たちスタッフはこれで退出しますが、議長、いいでしょうか?」
○議長オバチャン:「あっどうぞ。」
※ ※ ※ その後 ※ ※ ※
オバチャン一同、スタッフ退場後、午後4 時まで、昼食を挟んで、ずっと議論していたらしい。会計の仕事でプロジェクト事務所に残っていたスタッフからの報告によると、オバチャンたちは今にも泣きそうだったという・・・
・ どうしたらJICAを説得できる代替案が出せるの?
・ VVKの土地にセンター建設という絶好の機会を逃したアタシらは大バカだわ!
・ どうしたらプロジェクト・チームの信頼を回復できる?
・ 毎月28 日の定例ミーティング以外の臨時VVKミーティングのときには、昼食代としてプロジェクトから70 ルピーの日当をもらっているけど、ナンの結論も出せずに、ナンの行動もとれずに日当なんかもらっちゃダメじゃない?アタシ、日当もらえないワ。
・ もう一度、4 月13 日にミーティングを開くわよ!!臨時VVKミーティングよ!!代替案のことも、20 日の総会のことも、話し合うわよ、決めるわよっ!自分たちは、外からの援助を待つばかりで「ソムニードが土地も買ってくれるだろう、JICAがセンターを建設してくれるだろう」と、全然、センター建設に向けて、行動を起こさなかった小委員会の大後悔。
“VVKがいなくちゃ、スタッフもJICAから給与がもらえないでしょ、だからアタシら(VVK)が何もしなくても必ず土地代のローンもくれるし、センター建設だってしてくれるわ、プロポーサル通りに事業しなくちゃいけないでしょ、VVKの土地にセンターが建設、出来ないとスタッフだって困るに決まってるわ、アタシは、今日の昼食代の70 ルピーさえもらえればそれでいいわ。”なんて思っていたオバチャンたち。
オバチャンたちは、まだPCUR-LINK事業がわかっていなかったのだ。そんな甘い考えで、棚からぼた餅のように、自分は何もしないで、VVKの土地にセンターが建設されると思ったら大間違いだった。前号(19 号)で、「事業のオーナーシップ」と「共有財産(センター)を自ら創出してゆこう」というVVKのオバチャンの強い意志を感じたのだった”なんて、考えが甘かったのは、プロマネも同じ、だとわかった今日のミーティング。オバチャンたちは物心ついたときから、スラムで、政治家やNGOから何かをプレゼントされる受益者でしかなかったのだ。彼女たちが受益者であり続けた期間は10 数年、20 数年にも及ぶ。そんなオバチャンたちが2004 年7 月のPCUR-LINK事業開始から、たった21 か月で自らのイニシアチブで、プロジェクトを実施してゆくなんて、そんなことができたら凄い話だ。
その凄い話を、あと15 か月で女性自立支援事業にするんだから、1 歩前進、3 歩後退くらい、の気持ちでいないとダメだと思うプロマネであった。たくさんある同事業の山の中でも、一つの山だった4 月8 日のミーティングを前にして、内心、ドーシヨー、どーしよーと、何度もJICAの担当者の方たちや黄門様に、小委員会の経過を報告していたプロマネ。
「待ちますよ、無理しないでください」とご理解してくださったJICAの担当者の方たち。事細かい指示を出して、ミーティングに臨みなさい、と言ったインドネシア出張中の黄門様。(小委員会設立の2 月28 日から一つずつ行動を振り返りなさい、と指示を出したのは黄門様)
プロジェクト・チームの誰も黄門様のように、目にもとまらぬ居合術等の大技を持たないため、今日のミーティングは、スイミー大作戦で臨んだ。スワルナ、ラマラジュ、プロマネ、3 人3 脚で乗り切った、今日のミーティング。本当は、スワルナに「VVKメンバーが、かわいそうだから、VVKの土地にセンター建設してあげて」と言われないかと、内心、冷や冷やしていたのだが、ところがドッコイ、スワルナがオバチャンた
ちを一喝したのだった。その迫力といったら、プロマネが「まあまあ、スワルナ、落ち着いて、落ち着いて」と言いたくなるようなものであった。事業開始後、21 か月のスワルナ大変身!でもあったのだ。
人は変わる、のであった。
1 年後の10 万ルピーより、今日の10 ルピーにしか関心のない近視眼、狭量、見込みが甘いVVKオバチャンは、まるでプロマネの鏡のようだ。でも、オバチャンは変わる、のだ。
4 月20 日の総会、28 日のミーティングは次号、乞うご期待!
<注意書き>
プロジェクト・チーム=ソムニード(文中のラマラジュはインド事務所スタッフ)+ビシャカパトナムのNGO「マヒラ・アクション」
プロマネ=プロジェクト・マネージャー(PCUR-LINK便りのオバチャン著者)
黄門様=和田信明(特活)ムラのミライ海外事業統括

プレゼンテーション1