第19 号 新規VVK加盟グループ勧誘大作戦 & 土地を探さねば!「生産・物流センター小委員会のオバチャン」 (2006 年3 月17 日発行)

In 805プロジェクト通信 インド「PCUR-LINK便り」 by master


新規VVK加盟グループ勧誘大作戦
2 月28 日、VVKメンバーは、2 月13 日に自らの手で作成した「会則」をもとに、新規VVK加盟グループ勧誘に乗り出した。
昨年12 月、アクシャヤ銀行のメンバーがビシャカパトナムを訪れた際、アドバイスしてもらった役割別小委員会の設置を実行に移したのだった。その1 つが、この「新規VVK加盟グループのための小委員会」。
なんだかんだと1 月末までに、1 グループが脱退した現在のVVKは、わずか6のSHG、約100名のメンバーしかいない。
これから来年の3 月末までに、VVKに加盟するSHGを増やす、との目標を設定したオバチャンたち。サリービジネスの収支決算の謎はそのままだが、新規VVK加盟グループを勧誘することで、SHG連合体による小さな「銀行」の経営者としての道を踏み出したのだが・・・・
■VVKオバチャン1:「新しいSHGをVVKメンバーに勧誘するとき、スタッフももちろんついて来てくれるんでしょ?」
☆水戸黄門:「なんでじゃ。おまえさんたち、自分のVVKのこと、自分で、説明できるじゃろう?」
◇VVKオバチャン2:「もちろん★」
☆水戸黄門:「じゃあ何で、スタッフがおまえさんたちに、ついて行かねばならんのじゃ?」
■VVKオバチャン1:「エーだって、アタシらだけじゃ不安だもん。それに“VVK”なんて名前、誰も知らないけど、マヒラ・アクションとかソムニード(現ムラのミライ)のスタッフがアタシらと一緒に来てくれたら、それだけで、他のSHGから信用されるじゃない!」
☆水戸黄門:「ちょっと待ちなさない。いま、信用度ゼロのVVKが、信用を勝ち取っていくのが大事なのじゃないのか?マヒラ・アクションの代表のスワルナさんだって、チェンナイのアクシャ銀行だって、最初は誰にも信用されずに、何度も何度もスラムに足を運んで、信用してもらえるようになったのじゃ。VVKだって同様じゃ。自分たちだけでやるんじゃよ。だいたいおまえさんたち、子どもが小学校に入学したとき、子どもについて学校に行ったのは、初日の入学式だけだろうが。次の日も、また次の日も一緒に学校に行ったか?子どもの代わりに試験を受けてやったりしたか?」
◇VVKオバチャン2:「それもそうだ。でも、アタシら他のSHGにVVKに入ってくれるように説得する自信ないわー。」
☆水戸黄門:「最初から自信や信用がある団体など、どこにもないのじゃ。それに新規VVK加盟SHGの勧誘は、もはやビジネスじゃ。おまえさんたちは、VVKという銀行に新たな顧客が必要だ、ということをわかっておるかの。」
○VVKオバチャン3:「えーっっつ!どういうこと!」
☆水戸黄門:「VVKの会則を決めたとき、おまえさんたちは、SHGの各メンバーにつき25 ルピーの年会費を払い、毎月メンバー全員から10 ルピーの貯蓄を集め、その集まった金額で、メンバーにお金を貸してゆく、そして返済の際は、利子を取っていく、と決めたじゃないか。その利子は、VVKの収入になるのだろう?」
■VVKオバチャン4:「その通りで~す。」
☆水戸黄門:「各SHG内で、お金を貸して、返す、を繰り返して、おまえさんたちは資金を運用してきたのだろう、それを今度はVVKでやる、ということだろう?新しいVVKメンバーが増え、運用する金額が大きくなれば、それだけ、VVK銀行の利益は増えるのじゃ、それはわかるか?」
◇VVKオバチャン一同:「黄門様のおっしゃる通り、VVKは銀行だわ!」
★☆★ ここでオバチャンたちだけで話し合い、スタッフは会議室から退場 ★☆★
◇VVKオバチャン1:「スタッフの皆さん、私たち、いま、話し合って決めました。新グループは、3 ヶ月で10 グループ、そして来年の3 月までには、VVK加盟グループ数40 グループにすることを目標にします!!」
●スタッフ(ラマラジュ):「それは、すごい!がんばって、新規グループを勧誘してください。ではスタッフこれで失礼しますので、どうぞ会議を続けてください。さようなら。」
◇VVKオバチャン1:「ちょっと待って、いま帰らないで!」
●スタッフ(ラマラジュ):「えっ?まだ何かあるの?会則も決まって、VVK加盟の条件もある、新規VVK加盟グループのための小委員会もある、来年3月末までに40 グループを獲得するという目標もある、じゃあがんばってくださいね。」
▲VVKオバチャン2:「ちょっと待って、待って。アタシらさあ、ひとまず3 月から4 月にかけて、新たに10 グループをVVKの新規SHGとして勧誘しようと思ってるの。でね、そのとき、グループを訪れたりするのに交通費がかかるじゃない?アタシら日当も欲しいのだけど、PCUR-LINK事業の予算から出してくれる?」
☆水戸黄門:「おまえら、まだわかっとらんの。新規グループ獲得は、銀行業でいえば顧客獲得という営業じゃ。どうして、VVKのビジネスにPCUR-LINK事業が投資せにゃならんのじゃ。サリービジネスは、自分たちだけでやったじゃないか。日当や交通費が、新規グループ獲得で得た会費や各メンバーからの貯蓄、VVKの資金運用による利子などから、捻出できないのなら、そんなのはビジネスとは言わん。」
▽VVKオバチャン3:「それはそうだけど。。。。」
☆水戸黄門:「それに、おまえさんたち、忘れてはならんのは、事務所の家賃や光熱費、掃除人、警備員の給与、文房具などの消耗品費を出しているのは、まだVVKじゃないだろう?それに、おまえさんたちがVVK専属のスタッフをVVKメンバーから選ぶ、というのもしばらくは、その給与をPCUR-LINK事業から払えないか検討しているところだろう?これ以上、支援してもらえると思ったら大間違いじゃ。おまえさんたち、サリービジネスのときに、習ったコスト計算をもう一度思い出してごらんなさい。」
黄門様にまたもや一喝されたオバチャンたちは、この時点で疲れ果て、この日の会議は終了。3日後に、「新規VVK加盟グループのための小委員会」を再度、開くことになった。
★☆★ 新規VVK加盟グループのための小委員会その2 ★☆★
▽VVKオバチャン1:「スタッフの皆さん、聞いてください。私たち、話し合って、小委員会メンバーが、各スラムで、新規グループを勧誘するときのガイドラインを作成しました。」
<オバチャンたちが作った、新規グループをVVKに勧誘するときに、話すことリスト>
その1:「貯蓄の始まり」を話すこと。
(黄門様が、昨年2 月の研修で話したこと、人類初めての貯蓄は、むかしむかし、人類が狩猟をして暮らしていたような頃、果樹の実や種を緊急のときのためにとっておいた、というお話)
その2:「VVKの特徴」を話すこと。(VVKの特徴に、次の7つがあげられた。)
1. VVKの会則、
2. 会計帳簿をつける研修を受けることができる、
3. 会計帳簿をメンバー自身がつけることで、会計の透明性が高くなる、
4. グループ活動をメンバーが役割分担して行うことで、誰もがグループ運営の責任を持つようになる、
5. 帳簿をつけておくことで、グループの収支が誰にでもわかること、
6. ビジネスを行う上で、必要な研修が受けられること、
7. VVKで共同のビジネスを始めることができること、など。
その3:「VVKメンバーであるための8つの基準」を話すこと。(8つの基準は以下の通り)
1. SHGの月別定例ミーティングの出席率は7 割以上、
2. 議事録や会計帳簿は8 割方、毎月情報が更新されていること、
3. 貯蓄は9 割以上、定期的に行われていること、
4. ローン返済率は5 割以上、
5. 利子の回収率は7 割以上、
6. グループ内資金運用は5 割以上、
7. 入金と出金の収支が合っていること、
8. グループ内の3 から4 人は役割分担していること。

オバチャンたちのガイドラインの発表が終わったところで、小委員会メンバーのうち、あまり発言していないおばちゃんを名指しにした黄門様。

20060106
☆黄門様:「あんた、この話を聞いて、VVKに入りたくなるか?」
▲VVKオバチャン2:「えっと、アタシはグループメンバーの中で、VVKのことがよくわかっている人がいて、その人がわかりやすく、いつもミーティングの内容を話してくれるから、VVKに入ったのよ。」
◇VVKオバチャン3:「そうじゃなくって、アンタがこの話を初めて聞いたら、VVKに入りたくなるかって黄門様は聞いているのよっ!」
▲VVKオバチャン2:「えっと、えっと、うーん、なんかこの話を聞くと、VVKって怖いかも、と思っちゃう。ミーティングにばっかり出なくちゃいけないみたいだし。この説明じゃ、VVKのことよくわからないわ。」
◇VVKオバチャン3:「VVKミーティングなんか月に1 度、メンバーが交替で出てこればいいのよ!」
☆黄門様:「まあ、まあ待ちなさい。小学校1 年生に、6 年生の算数の問題を出されたら、どう思う?」
▽VVKオバチャン4:「アタシは、6 年生を卒業しているから、わかるわ。」
☆黄門様:「そうではなくて、1 年生に6 年生の算数がわかるか?」
▽VVKオバチャン4:「全然、わからん。」
☆黄門様:「おまえさんたちのガイドラインは、1 年生に話すようには出来ておらんのじゃ。去年の1月頃のおまえさんたちのSHGのことを思い出してごらんなさい。」
▲VVKオバチャン5:「そうよっ!アタシらの作ったガイドラインじゃ、みんなVVKのこと怖がって、誰もVVKに入ってくれないわよ。よーし、じゃあアタシ、会計の研修を受ける前のSHGの帳簿を見せてやるわっ!そして研修を受けた後の帳簿を見せて、その違いをわかってもらうわっ!自慢じゃないけど、研修受ける前につけていた帳簿って、すごいわかりにくのよ、その月の収支を計算するのに、10 ページくらいめくって、調べて、調べても、まだわからないくらいなのよ!それが今は、金銭出納帳や仕分帳を見れば、一目瞭然。収支やグループの利益がわかるのにかかる時間なんて2,3秒だわ。」
☆黄門様:「それはいい考えじゃ。おまえさんたち、昔は、SHGの帳簿をマヒラ・アクションのスタッフにつけてもらって、収支が合おうが、合わなかろうが、平気だったな。今は、帳簿を自分で正確につけるのがどれだけ大事なことか、わかってるだろう?」
◇VVKオバチャン6:「それじゃ、アタシはVVKで受けた様々な研修のこと、話すわ。それから、アタシのグループ、帳簿やSHG内資金運用を習うまでは、グループの1 年間の利益なんてたった51 ルピーだったのに、今、アタシたち1 年間の利益が3,500 ルピーにも増えたのよ!」
☆黄門様:「その調子、調子。VVKのセールスポイントを探すのじゃ。」
▼VVKオバチャン7:「もう一つあるわ。銀行なんかからローンをもらうと、何度も何度も銀行に足を運んで、銀行員に頭を下げて、ローンの申請をしなくちゃいけないわ。この間なんて、グループで10 万ルピー(27 万円)を借りようとしたら、SHGの銀行口座に1 万ルピーは、残しておけ、と銀行員が言うのよ。そんなモッタイナイ。
1 万ルピーをグループで回転させれば、それだけ、グループに利子が入ってくるというのに。それに、銀行員は、必ず10 回に分けて、返済しろって言うのよ。そんなことアタシらSHG内で決めさせて欲しいわ。もう銀行のローンなんか要らないわ。そんなうるさいこと言われないのがVVKよ。アタシたちが欲しいのは、年に1 度の1 万ルピーじゃなくて、年に3 回、4 回の3,000 ルピーなのよ。VVKなら、そういうローンが出来るわ。それだって宣伝になるわよね?」
◇VVKオバチャン8:「ところで、前のミーティングで黄門様に叱られた、新規グループ獲得に必要な交通費と日当を計算したのだけど・・・・10 グループ、4 月末までに獲得したとするわよね?
そうすると、各グループ、約15 人として、会費が1 人25 ルピーだから、会費収入だけで、3,650ルピーよね。(10SHG × 15 人 ×25 ルピー)
そして、4 月のメンバーの貯蓄が、今の6 グループもあわせると、2,400 ルピーよね。(16SHG ×15 人 ×10ルピー)
この会費と貯蓄をあわせて、4 月末にVVKが手にするお金は6,050 ルピーだわ。」
◆VVKオバチャン9:「この中から、3 月、4 月分の、新規グループ獲得のために必要な日当や交通費を出すとして・・・」
◇VVKオバチャン10:「10 人の小委員会メンバーの日当が1 人、70 ルピーで、交通費が20 ルピーで、月に3 回、各グループを回ったとして、エーッと、エーッと。」
◆VVKオバチャン9:「ギャー、2,700 ルピーもかかるわ、そんなんじゃ、VVKの手元には3,350 ルピーしか残らないじゃない!入金のあった6,050 ルピーの、55%以上が、日当と交通費に消えるなんて~!」
☆黄門様:「入金があったうち、その20%を、もしくは50%を日当や交通費に充てるのか、それは、おまえさんたち次第じゃ。でもこういう計算もしないうちに、PCUR-LINK事業から、日当を出せ、交通費を出せ、と言わないでほしいものじゃ。まずは、おまえさんたちで、やってみなさい。もうどうしても金がなくなった、というときにまた、そのとき考えよう。」
◇VVKオバチャン10:「やっぱり日当は50 ルピーにしましょう!交通費もまずは自分の住んでいるスラムから新規グループの勧誘を始めれば、要らないわ。歩いていけるから、まずは、そうしましょう。」
◆VVKオバチャン9:「そうねえ、日当が50 ルピーでも高いような気がするけど。。それで、交通費がゼロとすると、エーッと、エーッと、また計算しなくちゃ。」
計算機を片手に、日当と交通費のコスト計算を始めたオバチャンたち。新規グループ獲得のためのコスト計算、そしてこれからは、新規グループのためにどうやって帳簿付けなどの研修をしてゆくのか、まだまだ新規VVK加盟グループのための小委員会の仕事は終わらない。オバチャンからオバチャンへの技術移転スタート!グループ獲得数が10か、ゼロなのか、それは次号のお楽しみ。土地を探さねば!「生産・物流センター建設小委員会のオバチャン」
さて、上に紹介した新規VVK加盟グループのための小委員会の他に、小委員会がもう1つ。それは5 人から成る「生産・物流センター建設小委員会」。
そのお話の前に・・・
事業開始当初の2004 年7 月以降、この事業を、何かの機会に、説明すると必ず聞かれる質問があった。
「センターはいつ建設するのですか?」、
「センターはどこに建設するのですか?」、
「土地はすでにみつかったのですか?」、
「商品は何をつくるのですか?」
こうした質問を受ける度に、
「いやいや、もう少し、VVKの組織の土台が固まったら」とか、
「もう少しで土地がみつかりますよ。」とか、
「商品の候補はいくつかあるのですが、まだ具体化するだけのVVKの力がありません。」とか、
というようなお答えをすること、約2 年。
そのほかにも。。。
「商品開発など何十年もかけてやるもんだ、絶対、商品開発なんて無理。」とか、
「センター(インフラ)の建設も、商品もなくて、どうやって事業後の評価をするのか?」とか、
「プロジェクト開始から、センター建設まで一体いつまでかかっているんだ!」とか、
「素人が、1,2 年研修を受けたくらいで、商品など売れるわけない!」などとも言われ続けたプロマネ。
「インフラ大事、商品が売れてなんぼ」は、ごもっとも。
それらだって大事だとは理解しているのだけれども、「センターを建設し、商品を売ること」以外の部分が、なかなか上手に伝えられない。
このオバチャンたちの2 年間の劇的な変化を、簡潔に、一言、二言で表現するのはヒジョーに難しい。それよりも「生産・物流センターを建設しました、商品は○○です。」と言った方が、よほど、わかりやすい。プレゼン能力の低いプロマネはいつも「インフラ大事、商品が売れてなんぼ」の類の質問に答えるのに、オロオロしてしまうのだが、ありがたいことに、どこで同事業の報告をしても必ず、同便りの読者の方もいてくださる。その都度、同便りの読者の方に、次のようにフォローしていただくことも。
「インフラも商品開発もごもっともなのですが、この事業は、スラムの女性たちが生まれて初めて、自分たちの“組織”を運営してゆく、その“過程”を様々な形で、段階に応じて、技術支援していくものなのですよ。社会的、経済的にとても弱い立場にあるスラムの女性たちのイニシアチブを引き出し、時には彼女たちのイニシアチブを待ちながら、彼女たちが将来、自信と技術を持って、組織運営をしてゆく、そこが鍵なんですよ。」
(こういうフォローをしていただくと、次回からこの事業のプレゼンをお願いしたくなる☆)
このようなありがたいフォローに感謝しつつも、しかし・・・事業も残すところあと15 ヶ月。
「インフラだって予算があるし、商品だって売らなくては!」。
土地をみつけてセンターを建設するなら、スタートする。それをしないなら、その代替案を示さねばならない時期。3 月末までに、建設予定地を見つける、という目標で、活発に動き出した「生産・物流センター小委員会」の5 名オバチャンは、揃って「絶対土地をみつけるー!」とやる気いっぱい。読者の皆さんの中には覚えていらっしゃる方もいるかもしれないが、夫がVVKミーティングには行くな、と暴力をふるって、一時、VVK活動を停止せざるを得なかったオバチャンがいた。彼女もこの委員会のメンバーだが、VVKの定例ミーティングにも2 ヶ月ほど、顔を見せていなかったし、まず委員会にも来ないだろうと、スタッフもVVKオバチャンたちも思っていたのだが、彼女は、2 ヶ月ぶりに小委員会に参加。VVKオバチャンたちもスタッフも彼女の顔をみて大喜び。
●プロマネ:「ミーティングに来るのに、無理してない?大丈夫?」
▽VVKオバチャン1:「いーの、いーの。今日はちゃんと、VVKの生産・物流センター小委員会に行ってくるって出かけてきたけど、別に問題なく送り出してくれたから。夫が怒りだしたら、またその時は、その時よ。土地のことは大事なんだから、私だってミーティングに参加しなくちゃ!!」
VVKの小委員会のメンバーオバチャンはもちろん、スタッフも、彼女のミーティング参加に元気づけられ、「土地を探すぞー、オーッ!」と、勢いよく始まった小委員会。その議論の様子をお伝えする。
▼VVKオバチャン2:「アタシが探してきた土地は、郊外のスラムで、ちょうどシッディヴィナイカ・グループがミーティングを開いている場所の側なんだけど、そこは土地の所有者がビシャカパトナム市役所なのよ。だから、許可をとらないといけないわよね?」
▽VVKオバチャン3:「アタシが見つけてきたのは、やはり郊外のスラムの近くなんだけどさ、どうも、市役所が公園を作る予定地らしいの、それも許可がいるわよね?」
▲VVKオバチャン4:「じゃあ、やっぱり市役所に行って、交渉する?ほら、JICAの平本さんと、脇田さんと一緒に、会ったじゃない?えーっと誰だったっけ?市役所の一番、偉い人よ。」
▽VVKオバチャン5:「でも市役所に行って、土地を使っていいか、許可をもらうのも、大変そうだわね。一番いいのは、土地を買って、そこにセンターを建てることよね。アタシの知っている郊外のSHGの近くで、売りに出ている土地があるのよ、今度、見てこようか?」
△VVKオバチャン1:「ねえ、スタッフの人たち、何かいい案はない?」
■スタッフ(ラマラジュ1):「市役所で相談して、政府所有の土地のリースを受けるというのはどう?例えば、コミュニティホールなんかで市役所が所有している土地と建物の長期リースを受けて、JICAからは、センター建設費ではなくて、生産に必要な設備だけ支援してもらったら?」
◇スタッフ(ラマラジュ2):「ビシャカ市内や郊外で、土地がなかったら、車で2 時間くらいのところで、SHGの連合体の視察に行ったところがあったよね?その人たちと相談して、いい土地がないか聞いてみたら?」
☆黄門様:「ビシャカから遠くなるが、ソムニードが持っている土地で、ここから車で4 時間くらいのところにセンターを建設する、という手はどうだろうか?センターを運営したり、商品を売ったりするのは最終的にVVKだけど、日々の作業なんかは、地元のSHGに任せるっていうのも考えられないだろうか?もちろんJICAの人と相談して、のことだが。」
★☆★この「ソムニード(現ムラのミライ)の土地にセンターを建設」という案を聞いたオバチャンたち、一瞬、沈黙。
その後、ヒソヒソ話が始まった。(実は、この内緒話がスタッフに筒抜け・・・)★☆★
△VVKオバチャン1:ヒソヒソ「ソムニードの土地にセンター建設ですって!!それってソムニードがセンターを乗っ取るつもりなのかも?どーしよー!!」
▲VVKオバチャン2:「そうに違いないわっ!JICAがアタシたちに支援してくれるっていうお金をソムニードで好きなように使ってしまう気なのよ。ひょっとして、生産・物流センターじゃなくて、ソムニードの事務所を建てる気かもよ!土地の名義もセンターの名義も絶対、VVKでなくちゃダメよっ!」
ヒソヒソ話はしばらく続いて。。。
▽VVKオバチャン3:「あのースタッフの皆さん、アタシたち、もう少し土地を探してみようと思うの。もちろん、市役所にも相談には行ってみるけど、まずは近郊のスラムで、売りに出ている土地はないか探してみるわ。候補地を3 月9 日までに見つけて、連絡するから、3 月10 日には、スタッフの皆さんも、シッディヴィナイカ・グループまで来てください。」
★☆★そして3 月10 日、ソムニードのスタッフ2 名も参加して、第2 回目の生産・物流センター小
委員会@郊外のスラム★☆★
▲VVKオバチャン1:「アタシたち、ここから歩いて10 分くらいのとことで、土地を見つけました。金額も30 万ルピー(約80 万円)ほどで、土地の権利書なども確かなものらしいです。今から見に行きましょう!」
そして候補地へ移動・・・
◇スタッフ(ラマラジュ1):「なかなか、いい土地じゃないか。土地の権利書の原本は見せてもらえた?」
▽オバチャン2:「いえ、それが、まだ。でも土地の権利は確かなものだそうです。」
◆スタッフ(ラマラジュ2):「みんな口ではそうやって言うんだ。所有者に必ず原本を見せてもらって、それをちゃんと専門家に鑑定してもらわなくちゃダメだ。まずは土地の権利書の原本を見せてもらわないと。」
▽VVKオバチャン3:「わかったわ、必ず原本をもらってくるわ。ところで、VVKの名義でこの土地を買いたいのだけど、土地代をソムニードから借りることはできないかしら?」
◆スタッフ(ラマラジュ2):「ちょっと待て。VVKはまだ政府への団体登録が済んでいないだろう?未登録の団体は、土地も建物もどんな財産の所有もできないぞ。それから、ソムニードから土地代を借りる、と言っているが、それは、返済計画を出してから言ってほしいな。それから、VVKの自己資金がどれだけなのかも言わないで、“必ず返済するから、金を貸してくれ”しかも30万ルピーも大金を貸せなんて、ソムニードどころか、誰も耳も貸してくれないぞ。」
▲VVKオバチャン1:「わかりました。3 月末の定例ミーティングまでに、もう一度小委員会で話し合います。すぐには無理でも、ソムニードにまず土地を買ってもらって、VVKが返済をすべて終了したときに、土地がVVKの所有になって、もちろん、その頃には、VVKの団体登録も済んでいる、という方法もあるわけですよね?」
◇スタッフ(ラマラジュ1):「まあそういう場合も含めて、いろいろな案を考えてみなさい。だけど、必ず3 月末までには結論を出すように。」
▲VVKオバチャン一同:「わかりましたーっ!」
というわけで、この小委員会とスタッフのやり取りから、わかっていただけたように、オバチャンたちは、「センターの所有者になりたい」、「センターの経営者になりたい」という強烈な意志表示をしている。「ソムニードにセンターを乗っ取られてしまう」というオバチャンの危機感溢れるヒソヒソ話は、ソムニード・スタッフにとって、とても嬉しいことだった。意地の悪いプロマネなど、今後、オバチャンが結論を先延ばしすることが続いたときの、脅かし文句が出来たと、喜んだ。「あんまりグズグズしていると、ソムニードの思うとおりに、土地も決めて、センターもデザインして、商品も決めて、生産・物流センターを始めちゃうもんねー。」と。それはさておき、まだまだ課題は多くあるが、この土地の選定をめぐって、またまたオバチャンたちの「事業のオーナシップ」と「共有財産(センター)を自ら創出してゆこう」という強い意志を感じたのだった。
彼女たちのこうした力強い「セルフ・ヘルプ」の意志は、この事業が開始した2 年前、全く考えられないことだった。2 年前のオバチャンたちなら、明らかに「アタシら貧しいから、土地を買ってくれ、センターを建設してくれ、その維持管理費も当然、負担してくれ」とおねだりしたに違いない。彼女たちは「受益者」だったのだ。2 年経った今、オバチャンたちは「ソムニードに土地を買ってもらうなんて、とんでもない」と思っている。まだまだオバチャンたちが越えていかなければならない山や谷が、いっぱい、いっぱい、ある。プロジェクトを実施している間なら、JICAの方もスタッフも、オバチャンたちと一緒になって、この山や谷を越えてゆくことができる。
でも、PCUR-LINK事業が終わった後は・・・事業修了後こそが勝負のVVK。
しかし、プロジェクトが終わった後だって、このVVKオバチャンたちなら、ドーン!と乗り越えて行ってしまいそうな気がした「生産・物流センター小委員会」であった。
<番外編その1:サリービジネス、在庫を抱えて困るオバチャンの写真は・・・>
ある日、高山のソムニード事務局から「サリービジネスの写真を会報にほしいわ」との依頼を受ける。よく考えたら、写真撮影センス・ゼロのプロマネが撮る写真はいつもミーティング風景ばかり。JICAのご担当者の方はすでによくご存じだが、第1 年次の写真も、第2 年次の写真も、いつも輪になってオバチャンが座って議論している写真か、黄門様やジャヤチャンドランに叱られているオバチャンの写真か、まずこの2 種類しかない。ここでようやく「サリービジネス」の開始で、「サリービジネスをするオバチャンの写真があるはず!」と事務局が期待するのは当然なのだが、サリービジネスの写真は・・・、ない。
シャッターチャンスには必ずカメラを持っていないか、デジカメの電源のなくなるか、のどちらかでサリービジネスをしているオバチャンたちの写真はないのであった。(※これは写真撮影のセンスをとやかく言う前の問題。)そこで、1 月にインドに赴任したアシスタント・プロマネがカメラを持って、2 月末のミーティングで出かけた。
◆アシスタント・プロマネ:「サリーの“在庫”の写真を撮らせてください!」
□VVKオバチャン:「アンタが、在庫のサリーを1 枚でも買ってくれるなら、写真撮らせてあげてもいいわよ。」
◆アシスタント・プロマネ:「エッ、アタシ、サリーは要らないんですけど、写真を撮らせてくれませんか?」
■VVKオバチャン:「ガハハ、大丈夫よ。写真なんか何枚でも撮っていいわよ。あんまり在庫なんて見せたくないんだけどさ、では在庫を取りに行くか。」
結局、在庫のサリーを袋から出してきて、VVKミーティングの参加メンバーやスタッフに見せ始め、そのうち、写真撮影のために出してきたのか、なんだったか忘れて、売り始めてしまったオバチャンたち。商魂たくましいオバチャンたちは、サリーだけでなく、勢いで仕入れてしまった歯磨き粉や石けんなどの日用雑貨の段ボールも広げ、お店を始めてしまった。アシスタント・プロマネは、なんとかオバチャンの押し売りから逃れたが、スタッフの1 名がサリーを1 枚買わされて、無事に?写真撮影は終了した。
<番外編その2:VVKメンバーからスタッフを!>
VVK代表が、頭を抱えて。。。
VVK代表:「文房具の在庫管理も、事務所の備品も、各SHGの帳簿確認も、銀行通帳も、サリービジネスの帳簿も、全然アップデートできな~い!!もうどうしてこんなに仕事が多いのー!」
と怒っている。VVKの他のメンバーもあれこれと役割分担をしているのだが、仕事は増えるばかり
で決して減ることはない。小委員会制度がスタートし、VVK代表に仕事が集中することはなくなったが、VVKが組織として専従のスタッフをおかないことには、どうにも、仕事が回っていかなくなってきた。そこで、VVKメンバーの中から1 名が名乗りを上げた。
■VVKオバチャン:「いくらかでも給与を出してもらえるなら、アタシが事務をやるわっ!その代わり、アタシはコンピューターも習いたいし、スクーターにだって乗れるようになりたいわ!絶対、VVKの役に立つから、どんな少ない金額でもいいから、給与を払って欲しいわ。」
VVKメンバーは、この1 名どころか、もう2,3 名はいないと事務作業(特に会計)や文書管理が回っていかないことを感じている。これはある意味、嬉しい悲鳴なのだが、資金が・・・・
VVKのメンバーSHGが、資金運用を活発にしたことで、その利益は前年の何倍にもなった。しかし、まだわずか6つのSHGでは、スタッフの給与をその利益から支払うことは無理。そこで、水戸黄門さまから、オバチャンに与えられた課題は、次の2つ。
1つ、VVK専属のスタッフの職掌と給与、交通費の支給などは、すべてVVKで取り決めるようこと。
2つ、VVKはいつから自己資金で職員の給与が払えるようになるかその見込みをソムニードに伝えること。VVKが職員の給与を払えるようになった時点で、1 名ずつ、給与はVVKから支給されるようにする。VVK専属スタッフの誕生までには、JICAの方にも了解を得なければならないし、VVK内での議論もまだまだ課題を残りしているが、果たして、VVK初スタッフの登場となるか?!
次号をお楽しみに。
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プレゼンテーション1