第15号 チェンナイ視察後のVVK オバチャンたち ~10月のVVK定例ミーティングの記録~ (2005 年11月13 日発行)

In 805プロジェクト通信 インド「PCUR-LINK便り」 by master


チェンナイ「アクシャヤ銀行」視察成果をVVKミーティングで共有する~夜行列車ミーティング再び?!~

9月半ばから10月いっぱいにかけてアーンドラ・プラデッシュ州全域は、大雨でスラムのオバチャンたちの生活にも大きな影響を与えている。市内スラムのオバチャンたちは、床下(上も)浸水を何度も繰り返し、連日のように膝まで水に浸かったスラムで、仕事に行くにも、買い物に行くにも、とても苦労している。また郊外のスラムのオバチャンたちも、山の急斜面に家があるため、土砂くずれや、連続した大雨で屋根が崩れた、壁が崩れた、などの被害がちらほら出ている。

10月28日、VVK月別定例ミーティングの日も朝から、大雨。車で移動するのも大変な土砂降りの中、10時からのミーティングに間に合うよう、雨の中時刻通りに集まったオバチャンたちが12名。
毎月各グループ(7つのSHG)から3名ずつ、合計21名の代表者によって実施される定例ミーティング。大雨にもかかわらず、半数以上の参加者が10時前に集合。30分、1時間遅れでミーティングにやって来た遅刻者を大いに非難することからミーティングが開始。

実はこの遅刻者非難が真最中のとき、あまり個人攻撃がひどいので、「ヨシ、ちょっと方向を変えて、議論を収拾しちゃえ。」と乗り出したプロジェクト・マネージャー(プロマネ)。
◇プロマネ:「議長、発言してもいいですか」(もちろん挙手をして)
▼VVKオバチャン議長:「許可します。」
◇プロマネ:「アンタたち、トヨタという車の会社を知ってる?」
▼VVK オバチャン1:「あー知ってるわ。ソムニード(現ムラのミライ)の公用車のクオリスっていう車を作ってる会社でしょ。」
◇プロマネ:「そうそうそのトヨタって会社が、日本の会社で、車の売り上げでは世界の市場でいつも上位第5位に入るほどの大きな会社だって知ってる?」
▼オバチャン2:「へー知らなかったわ。そんな大きな会社だったの?」
◇プロマネ:「そのトヨタという会社の下には、ハンドルを作る会社、ガラスを作る会社、ブレーキを作る会社、シートを作る会社、といろんな会社があるのよ。」
▼オバチャン一同:「????(アタシら今、VVK ミーティングに遅刻して来た人に対して怒っていたのに、何をプロマネはいきなり、トヨタなんて会社の話をすんのよっ??)」
◇プロマネ:「トヨタという会社が小さな町工場から始まって、世界のトヨタになったにはいろいろ理由があるんだけど、その一つでも聞きたくない?」
▼オバチャン3:「う~ん、聞きたいけど・・・(VVK ミーティングへの遅刻者を何とかしたいんだけど・・・)」
◇プロマネ:「トヨタに車のいろんな部品を供給している会社はね、トヨタとの約束の日と時刻にその部品を届けることができなかったら、なんと時刻に1秒でも遅れても、トヨタはその会社の部品を受け取らないのよ。門の前に部品を積んだトラックが来ていても、約束の時間に1秒でも遅れたら、もう門の中には入れてもらえないのよ。」
▼オバチャン4:「えーそんなー。1秒遅れくらいで、部品の会社は大量に在庫をかかえてしまうことになるのー?!」
◇プロマネ:「そういう小さなことでも、規律正しい経営の積み重ねも世界のトヨタになった理由の一つよ。アンタたちだって、ハイダラバードの高級店を見てきたでしょ。あーいう店を自分たちでもやりたいって思うなら、時間に遅刻しないっていう小さな規律から始めないと、アンタたちなんてお客さんの信用をすぐ失って、下町のバザール以下の生産・物流センターしかできないわね。それでもいいわけ?」
▼VVKオバチャン議長:「ほら、プロマネの言う通りよっ!!アンタたち、もう来月遅刻してくるようなグループはもう門を閉めて、ミーティングに参加できないようにするわよっ!アタシたち、お客さんに信頼を得た店を持つのよっ!VVKミーティングに遅刻してくるようなグループはもう一緒に生産・物流センターなんか出来ないわっ!」
△VVK オバチャン5:「そうよそうよ、だいたいね、雨が降ろうがなんだろうが、お店は定時に開店するのよっ!」
と、また激しく遅刻者を非難する議論が再開。

●ラマラジュー(ソムニード・インディアPCUR-LINK担当):「プロマネ、議論を収拾するどころか、火に油を注ぎましたよ。」
◇プロマネ:「いやー例がまずかったね。来月からアタシらも10時にプロジェクト事務所に来なかったら、門に鍵をかけられてミーティングのオブザーバーもできないねえ。」
●ラマラジュー:「そうですよ、もう私たちだって、1秒でも遅れたら、門の中に入れてもらえませんよ。」
と、しばらく遅刻者への非難は続いたが、それが収まったところで、チェンナイのアクシャヤ銀行への視察の振り返りが始まった。

今回の視察振り返りは、従来のように視察に行ったオバチャンたちのうち、リーダー格の人数名があーだった、こーだった、あれを見た、これを見た、と発表するものではなかった。
△VVKオバチャン議長:「それでは、今からアクシャヤ銀行への視察の参加者からその成果の共有をしてもらいます。視察参加者の皆さん、準備はいいですか?」
◆スタッフ一同:「???(準備って何??)」

チェンナイ視察参加オバチャンの1人が、黒板に何やらたくさん質問を書き始めた。
その質問は全部で13 個、次にその質問の例を一部紹介すると・・・。

□アクシャヤ銀行設立前のCFDA(アクシャヤ銀行設立に携わったNGO、ジャヤチャンドラン代表)の役割とは?
■どのようにアクシャヤ銀行は設立されたか?
□アクシャヤ銀行の設立の目的とは?
■アクシャヤ銀行の代表メンバーはどのように選出されるか?
□アクシャヤ銀行の会則には何があるが?どのように会則は作られたか?
■SHGレベルの問題をアクシャヤ銀行はどのように解決しているか?
□どのようにアクシャヤ銀行の代表メンバーはローテーションしながら役割分担をしているか?
■同銀行への新たなSHGの勧誘方法(新規SHG加盟のプロセス)とはどんなものか?

これらの質問一つ一つに、それぞれ異なる視察参加者が答えるように、視察の成果の共有ミーティングはデザインされていたのだった。視察参加者合計21名のうち、11名が直接13の質問に答える形で、残りの参加者が補足説明をする、という形式であった。
しかも、後述の「地元プレッシャーと戦うオバチャン第2弾」でも紹介するが、「どのようにアクシャヤ銀行の代表メンバーはローテーションしながら役割分担をしているか」という質問には、実際に寸劇を行って「今月はラクシュミがリーダーでしょ、ちょっとラクシュミ立ちなさいよ。それから来月は、えーっとビジャヤラクシュミ、あんたが立ちなさいよ、アンタがリーダーよ。」という具合に、実際に視察に参加していないVVKオバチャンを巻き込んで、分かりやすくリーダーが毎月、毎年交替してゆく仕組みを説明した。
とてもわかりやすくデザインされたこの視察成果の共有ミーティング、一体どこでこのミーティングの計画が立てられたか?!

ハイダラバード視察に続いて、またもや視察振り返りの臨時ミーティングをチェンナイからビシャカに戻る列車の中で開いていたオバチャンたち(PCUR-LINK便り第13号参照)。謎の集団VVKオバチャンは、またもや列車内で他の乗客に不思議そうな顔をされながら、列車の中で、視察振り返りのミーティングを開いていた。
その成果が、今日のミーティング。視察に参加していないメンバーにもとてもわかりやすく説明できて、しかもVVKミーティング参加したオバチャン全員が何度も発言した、という初のミーティングとなった。オバチャンたち、ミーティングの内容が理解できないから今まで黙っていた、という人も多かったが、この日のミーティングはチェンナイの視察振り返りが分かりやすかったこともあり、全員が「あーだ、こーだ」と議論に参加したのだった。

地元プレッシャーと戦うオバチャン第2弾!市内スラム編:地元有力オバチャンとの対決するVVK

次に、同じVVK月別ミーティングで起こった出来事を紹介する。

前号前々号で地元プレッシャーと戦う郊外農村部のスラムのSHG「シッディヴィナイカ・グループ」のご紹介をしたが、10 月のVVK定例ミーティングでは、市内スラム「ランガレージヴィーディ」というところにある「Ma8」という名前のSHGメンバーとVVKメンバーが、VVK定例ミーティングを戦場にして、有力者オバチャンと対決する場面があった。チェンナイ視察のの、“各SHGの問題をVVKで解決してゆくのが、まずVVKとしての活動の第一歩だ”とジャヤチャンドランに励まされたVVKのオバチャンたち。
早速、チェンナイでも議論になった「Ma8」という名前の市内スラムのSHGのメンバーが、地元有力者でもあり7年前にMa8を結成して以来のSHG代表で、全くミーティングにも参加せず、リーダーが果たすべき役割も果たさず、ローン返済もせず、というオバチャンをVVK定例ミーティングに連れてきた。

地元有力者オバチャンは、夫が政府の仕事についていて他のスラムの女性よりやや所得が高い家庭、しかも夫がある政党の党員で、スラムのマフィアと政党と密接な関係にある。着ているサリーもVVKのメンバー着ているサリーより2倍ほど高いものだし、体重だってVVK のメンバーたちの3倍、プロマネの2倍くらいありそうなオバチャンである。
このオバチャン、Ma8のメンバーに勧められて嫌々VVKミーティングにやってきた。しかも遅刻。
このMa8のメンバーの名前を「ダナラクシュミ」、VVK代表のオバチャンを「ラウランマ」、この有力者オバチャンを「ラニ」としよう。

◇ラウランマ(VVK代表):「アンタどのこのグループ?」
VVKミーティングが開始して1時間後に、ノシノシと遅刻の理由も述べずにミーティング会場にやってきたラニ(ランガレージヴィーディの有力者オバチャン)に向かって・・・。
■ラニ(市内スラム有力者オバチャン):「Ma8のリーダーよ」
◇ラウランマ:「アンタ、今、何時だと思ってんのよ。VVKミーティングは午前10時に始まるって知ってるでしょ。」
■ラニ:「アタシは別にミーティングに来たくて来たんじゃないわよ。ダナラクシュミ(Ma8のメンバー)がVVKミーティングに1度来い、って何度もうるさいから仕方なく来てやったのよ。」
○ダナラクシュミ:「そうよ、私が来てくれ、と頼んだのよ。この人、7年も前から私たちのグループの代表だけど、グループ・ミーティングにも参加しないし、ローンだって借りるだけ借りて、全く返済しないのよっ!」(もう語尾は一オクターブくらい上昇。息継ぎして、次の発言へ続く。)
○ダナラクシュミ:「SHGの記録をつけるのも私、VVKミーティングに行くのも私、視察に行くのも私。
こうして私がいろいろ責任をとってやっているのも、アンタともう1人以外の残りの12人のメンバー全員が私を頼りにしてくれているし、PCUR-LINK事業で受けている研修の成果をグループみんなの財産にしようと思ってやってんのよ。だから残りの12 名だってアンタ以外は、交代でVVKミーティングにも来ているのよっ!アンタともう一人のメンバーがローンの返済もしない、ミーティングも来ないということでメンバーの足をひっぱているのよ。」
◇ラウランマ:「VVKはね、ダナラクシュミのものでもなし、私のものでもないのよ。7つのグループ全員のものなのよ。VVK のメンバー全員で、これから生産・物流センターを設立していこう、各グループローンの返済率を向上させて、グループの資金をどんどん回転させていこう、とがんばっているのよ。」
■ラニ:「VVKだか、なんとかセンターだか知らないけど、ダナラクシュミだって、時々ローン返済できないじゃない。偉そうなこと言わないでよ。」
◇VVKのメンバーオバチャン1:「“○○さんもローン返済してないんだから、アタシだっていいでしょ”っていう、そういうのが、グループの足を引っ張るのよ!」
■ラニ:「アタシが銀行に借りたローンの返済をしないからって、Ma8には関係ないでしょ。」
△VVKメンバーオバチャン2:「アンタねえ、銀行はアンタにお金を貸してるんじゃないのよ。Ma8というSHGに貸しているのよ。アンタが返済しなければ、銀行はもうMa8に貸してくれなくなって、困るのはMa8メンバー全員なのよ。」
○ダナラクシュミ:「今ね、VVKでは、7つのグループの資金を増やしていこうって、ローンの返済率をあげてこうって、モニタリングシートも作っているのよ。それなのに、アンタがローン返済を何ヶ月もしないせいで、Ma8がVVKからはずされてしまって、いろんな研修とか生産・物流センターとか、参加できなくなってもいいわけ?!自分の都合だけ押しつけるのはやめてほしいわっ!」
■ラニ:「そういうアンタが、自分ばかり研修や視察に参加して、PCUR-LINK事業のおいしいところをもっていってるんじゃないの。アタシだってチェンナイ視察に行きたかったわよ。」
△VVKメンバーオバチャン4:「じゃあなんで、アンタ来なかったのよ。視察に行っていたら、アンタの考え方も変わっていたでしょうに。」
■ラニ:「アタシがグループ・ミーティングに欠席しているときに、チェンナイ視察参加者が決まったのよ。」
△VVKメンバーオバチャン4:「ほらみなさい。そうやってSHGの月別ミーティングにちゃんと参加してないから視察のチャンスを逃したのよ。自業自得よね。」
◎今日の議長:「ちょと、ちょっと、もうそろそろつぎの議題に進みましょうよ。」
△VVKメンバーオバチャン5:「だめよ、まだ十分、ラニはVVKのことSHGのこと、グループでみんなで責任を持ってPCUR-LINK 事業をしているんだってこと、わかってないわ。」
○ダナラクシュミ:「そうよ、そうよ、みんな、彼女にわかってもらうよう、もっと説明してよっ。」
◎今日の議長:「それもそうね。これは、Ma8だけの問題じゃないものね。SHGの問題をVVKで解決するって、チェンナイで決めたんだもの。Ma8のラニだけでなくて、他のグループでも似たようなことはあるんだものね。もう少し議論しましょうか。」

その後、40分間近く、ほとんどミーティング参加者全員が発言し、やれ「自分のグループはこうだった」と話したり、また継続してラニオバチャンが、自分の主張をごり押ししたり、それにVVKメンバーが、理論的かつ感情的に反論したり、と議論は延々と続いたのだった。

◇ラウランマ:「みんな静かに、静かに!一度に何人も話さないってルール決めたでしょ!(という彼女も、人の発言を待たずに発言し続けたのだが。。。)
それから、個人攻撃はダメよ。(ラニに向かって)アンタ、これからしばらくVVK定例ミーティングに毎月いらっしゃいよ。そうすればVVKが何をしているかわかるし、それを他のMa8のメンバーに伝えられるでしょ。」
■ラニ:「いいわよ、そんなに言うならVVKミーティングに来てあげるわよ。ところで交通費はでるんでしょうね。アタシ往復、自腹を切ってプロジェクト事務所まで来るの嫌だわ。」
△VVKメンバーオバチャン6:「あんたねえ、VVKで定例ミーティングの旅費は自分のグループでカバーするって決めたの聞いてないわけ?月一度の定例ミーティング以外のプロジェクト事務所までの交通費はPCUR-LINK事業がカバーするけど、定例ミーティングはアタシたちのグループのお金で来るのよ!」
○ダナラクシュミ:「この人(ラニ)全く、ミーティングに来ないから、そういうこと知らないのよっ!」
■ラニ:「何よ、アンタ偉そうに。だいたいねえ。。」
今度は、ラニ対ダナラクシュミの同じグループメンバー同士で言い争いがスタート。

◎今日の議長:「誰かが発言しているときは黙って聞いてるってルール作ったでしょーっ!もうアンタたち誰もルールを守らないんだからーっ。静かに、静かに、次のチェンナイ視察の振り返りに行くわよーっ!」
なんとか事態を収拾した議長は、ようやくチェンナイ視察の振り返りへと進んで行った。(ほんの数ヶ月前は、議論が白熱してVVKメンバーが大喧嘩をはじめたとき、事態を収拾するのはいつもソムニード・スタッフであったが、今では議長役ができるVVKリーダーが登場。)

さて、チェンナイ視察の振り返りの議論が「アクシャヤ銀行の代表メンバーはローテーションしながら役割分担をしている」に及んだとき、すかさずラニオバチャンもデモンストレーションに参加させたラウランマ。(前述:チェンナイ『「アクシャヤ銀行」視察成果をVVK ミーティングで共有する』参照)。
しかも、デモンストレーションの最後には、ソムニード・スタッフから「リーダーシップの交替をする利点は何だ」という質問に答えることになったラニオバチャン。
ラニオバチャン:「リーダーが交替すると、リーダー以外の人もSHGの仕事が覚えられてとてもいいと思う。」

チェンナイ視察の振り返りの後、今週はMa8が週ごとにプロジェクト事務所のモニタリングの分担にあたっていた為、早速ダナラクシュミは、ラニおばちゃんをつれて、モニタリングシートを片手にプロジェクト事務所の各部屋や庭の清掃状態、掃除道具の管理などを二人でチェックして回ったのだった。

ラニオバチャンのような地元有力者オバチャンはどのグループに存在する。ラニオバチャンが言っていた「ローンがきちんと返済できないのは、アタシだけじゃないでしょ。」はちょっと前まで、多くのVVKオバチャンたちだって同じように言っていたことなのだ。
ラニオバチャンの自己中心的な主張の背後にあるのは、「アタシはアンタたちより金もあるし、政党という権力もあるし、アタシがSHGのリーダーだし、他のものはみんなアタシに従っていればいいのよ。」という典型的な地元権力者の意識。VVKメンバーたち、特に研修に何度も何度も参加する積極的なメンバーの中にこうした地元権力者はなく、彼女たちは、各SHGの1メンバーに過ぎない。
VVKのメンバーたちが、具体的な会計帳簿付け、プロジェクト事務所の管理・運営、事業計画づくりと予算作成という組織運営に不可欠な技術を身につけていけば、いくほど、地元権力者からのプレッシャーは高まることだろう。なぜなら、地元権力者は、会計の透明性とか事業の主体とか全く関係ないところで、自分の利益優先の支配しか、求めていないのだから。

そんな大きな勢力に立ち向かうオバチャンたちは、決して「自立」とか「エンパワーメント」とか「権利」とか声高に叫んだりしない。とても具体的なところで会計の透明性に関する具体的な疑問をなげかけたり、組織の規律を乱す勝手な行動に疑問をなげかけている。オバチャンたちが静かにしかも大胆に?こうした行動がとれるのはVVKがあるから。
会議中、ほとんどのオバチャンが「私のグループ」とか「私は」という単数形ではなく、「私たちのVVK」、「私たちのグループ」、「私たちは」という複数形の単語を多く使うようになってきた。1人では貧困に立ち向かえないから15人から20人でSHGを結成した、そして今、20人では立ち向かえない問題に、VVKとして7つのSHGで立ち向かおうとしているオバチャンたち。生産・物流センターを運営してゆく、ということを通じて、さらに大きな「自立」に向けて、地元の有力者と衝突しながらも、
そうした有力者の女たちも巻き込みながら、オバチャンたちは進んでいる。

今回のVVKミーティングでは、はじめて1つのグループの問題(Ma8の有力者のグループ支配)にVVKが集団で立ち向かい、しかもその有力者をPCUR-LINK事業の活動に取り込んでしまった。
まだまだラニオバチャンのような人はたくさんいる。それにラニオバチャンだって、次回のVVKミーティングに参加できるかどうかわからない。
VVK オバチャンたちの戦いは始まったばかりなのであった。

●ラウランマ:「あーーっもう午後4時よ!アタシたち12月にアクシャヤ銀行の人たちにビシャカに来てもらうときの研修計画もたてなくちゃいけないのよー。もう絶対、今日中には無理ね。どーする?また臨時ミーティング??」
△VVKオバチャン1:「えーまたミーティング、明日は勘弁してよね、2日連続は仕事もあるから辛いわー。」
●VVKオバチャン議長:「誰も明日やるって言ってないでしょっ!!」
△VVKオバチャン一同:「どーする?どーする?いつ臨時ミーティング??」

オバチャンたち、臨時ミーティングを「いつ」開催するかは議論しても、臨時ミーティングを開催することそのものに関しては誰も異論は無し。自分たちがいつまでに何をしなければならなくて、それには時間が必要、ということが十分理解出来ているオバチャンたち。

●ラウランマ:「えーっと議論の結果、11月18日に、朝10時からまたミーティングを開いて、12月の研修計画を立てます。それからVVK代表者は、11月3日に再度集まって、プロジェクト事務所運営に必要な各種備品リストを作成しますので、ちゃんと10時には集合するように。あっスタッフの人も遅刻しないで来てくださいね。よろしく。」

次回のミーティングの日程が決まり、やれやれ、と思っていたのが午後5時。しかしオバチャンたち、今度は11月に各SHGをVVKメンバーが訪れグループの問題とその解決策を話し合う、という話になり、議論はまだまだ続く。

時計の針は午後6時半を回り、日が短くなったビシャカはもう真っ暗。
◇プロマネ:「もう6時半だよー。帰ろーよ。夕飯の支度もあるよねー?」
▼VVKオバチャン議長:「まだです。議事録に出席者全員署名してからです。ちょっとプロマネ、帰っちゃダメですよ、まだ。あなたもオブザーバー参加したスタッフ全員も、出席表にちゃんと署名していってくださいよ。」
午後7時。ミーティング、やっと終了。

プレゼンテーション1