第13号 「建設予算の開示無くして何が住民主体プロジェクト?」 (2014年9月16日発行)

In 601プロジェクト通信 ネパール「バグマティ川再生 でこぼこ通信」 by master

目次

1.アクション・プランってなに?
2.私とネパール人スタッフとの押し問答
3.アクション・プランは誰のためのもの?
4.私たちの存在価値
5.終わりに

前号の通信で登場したゴカルナ地区デシェ村でのプロジェクト
このプロジェクトは、各家庭からの生活排水を処理するための施設を建設し、進行するバグマティ川上流の汚染を食い止める、そんなプロジェクトである。
但し、単なるハード(施設)建設で終わるプロジェクトではないことは前号でもお伝えした通り。
排水処理施設の建設と並行して、誰のための何のための施設建設であるかを理解し、完成した施設をデシェ村住民自らの力で継続的に活用する。そのために、私たちがソムニード(現ムラのミライ)流ファシリテーションを使った研修を行っていく。前号の通信では、その研修の一つとして、デシェ村のおばちゃんたちをバグマティ川一日視察研修に連れていく様子をお伝えした。本通信では、同じくデシェ村プロジェクトの建設準備段階でソムニードスタッフが経験したことをレポートする。

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1.アクション・プランってなに?

スマン 「ショーコ・ジ、ちょっと話があるんだ」
と、ソムニードネパール事務所の同僚に呼ばれて入った部屋には、おじさんたちがズラリ並び座っている。
おじさんといっても年齢は皆40代までのネパール人。年齢だけみると「おじさん」なんて呼ぶと怒られる若い20代から30代、そして40代半ばくらいまでのヒトたち。しかし、私からみると「あ~あ、この狭い部屋にネパール人のおじさんたちが集まってなんだか暑苦しく議論してるよ~」という第一印象。そんな部屋に私は招き入れられ、おじさんグループと一緒に腰を下ろした。
私 「ナマステ~。メロ・ナム・ショーコ・ホ。 (こんにちは~。ショーコといいます。)で、何でしょう?」
スマン 「よく聞いてね。例のアクション・プランのことなんだけど、結論からいうと、ここにいる彼らは、僕らのアクション・プランの作成については理解はするけれど、この建設に関する詳細な予算情報を村のヒトたちに開示するのは止めた方がいいと言っているんだ」
私 「・・・ はぁ・・・。そうですか。」
(しばし考える私)
私「・・・へ? なんで?どういうこと?何の議論があったの?」
スマン 「ここにいる彼らは、ソムニードネパール事務所の関係者で、今回のデシェ村の建設事業に関わっているヒトたち。今、建設作業の今後について、資材調達方法から予算についてなど、いろいろ詳細に渡って確認作業をしてきたんだ。
そこで、今僕らが作っているこのアクション・プランについて話していたんだけど、このアクション・プランの村のヒトたちとの共有について、彼らはとても懸念を示している。」
私 「・・・・・・・・」「はぁ・・・そうですか・・・。」(と繰り返す私)
といって、私はチラリとディベンドラを横目でみた。

視線があったディベンドラの顔は「どうしようかな~」という困った顔。

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このアクション・プランとは一体何か。
アクション・プランとは、アクション(行動・作業)・プラン(計画)で、つまりは作業計画だ。
デシェ村での排水処理施設の建設に関する行動計画表であり、全ての細かな作業の詳細と予算を含んでいる。
何月何日から資材の調達開始をし、セメントはひと袋いくらで何袋分をいつまでに調達するという材料面から、建設地の雑草や余分なものを撤去し、土地を削り平地にする作業はいつから開始で建設従事者は何人投入予定で、いつそれにかかる費用はいくら支払うのかといった情報が集約されている。
材料調達から始まり、最後に資機材を撤去し建設作業が完了するという部分までの一連の行程表。
それを、アクション・プランと呼んでいる。

このアクション・プランを見れば、建設の総事業費(見積)が誰の目にも一目瞭然であり、またこのアクション・プランの精度を高めれば高めるほど(更新頻度を高めるほど)、余分なコストを削減することが可能になるという代物だ。
このアクション・プランの作成というのは、私たちソムニードが何もないゼロから作っているのではない。
もともとは施設をデザインするプロのエンジニアから提供された建設行程表と予算書をもとに、作成しているもの。
エンジニアから提出された建設行程表は専門用語のオンパレードで、表の見せ方もややこしい。
素人の私には到底わかるものではなく、まるで外国語で書かれた本を辞書もなく読むようなものである。
そこを、若手エンジニアに私たちの言語に訳してもらい、私たちのような素人でも理解し納得できるものに翻訳し直したもの、それがここでいうアクション・プランである。アクション・プランの質を担保するためのボトムラインはずばり私である。私がわかれば他のヒトも大体わかるだろうというものらしい。

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文字が読めれば大人だけでなく子供でも理解できる。そんなアクション・プラン(AP)づくりを目標にがんばってきた私たち。
ソムニードのネパール人スタッフにとっても初めての試みなのだ。一体何のためにこんな大変な思いをしてAPづくりの作業をしているのか、しかもこんなものを作ったところで、デシェ村のヒトたちは果たして理解するのだろうか・・・。しまいには、「これ、本当に必要?」とスタッフが何度も何度も私に確認してくる始末。難しくはないけれど、緻密な作業であることには間違いなく(建設にかかる予算も入った行程表ですから、そりゃそうだ、というものである)、スタッフもあまり(というか殆ど)気乗りしない様子。スタッフにいろいろ言われて面倒臭くなってきたので、

「もう、うるさーい!とりあえず、和田さんから作れっていわれてるんだから、あーだこーだ言わないで、まず作るの。とにかく信じて。」と言っておいた。

私にとっても初めてのAPづくり。正直戸惑いはあったものの、他のスタッフがあまりにも無関心だったので、私がやるしかない。本当に、私しかいないのだ。
若手エンジニアと一緒になんとなーく作り上げてみせた。
APづくりの背景の説明が長くなってしまったが、そんな中での、おじさんグループの議論に戻りたい。
このアクション・プラン作成に異論はないが、デシェ村のヒトたちに全ての詳細を細かく開示することは避けた方が賢明だという、おじさんグループ(もとい、ソムニード関係者、建設事業関係者)からの意見である。

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2.私とネパール人スタッフとの押し問答

私 「で、どういう背景があって、このアクション・プラン全面開示に否定的なんですか?」
スマン「ここまで詳細な予算見積もりをデシェ村のヒトたちに開示した後、結局その通りにいかなかったら、後で混乱を引き起こす可能生がある。」
私「ほぉ。 どんな混乱でしょう。」
スマン「例えば、このアクション・プランの1枚目にあるセメント1袋(50キロ)630ルピーという記載。現時点では630ルピーだけど実際に購入する際には630ルピーより高いかもしれないし安い可能性だってある。
セメントに限らず骨材(小さな石・砂利や砂)調達についても、今まさに市場でストライキが起こっていて、いつ十分に調達が可能かということだって、正直よくわからない部分もある。骨材に限らず、このアクション・プランに出てくる全ての材料で、例えば地元の材料を購入して欲しいとか、或はデシェ村住民が経営するお店から調達して欲しいとか、金銭に関わることだからいろいろ要望は出てくるはずだ。
そうなると、こちらとしては良質な材料を安価で入荷したいのだから、いくら地元からの要望であってもその通りにいかない場合だって多いにありえる。」
ディベンドラ 「それから、デシェ村にだって複数の政党が存在するから、このような建設機会には利権が絡んでくるから、この複数の政党グループとの調整も大変。」
私 「うーん。まぁ、確かに外国人で部外者の私にとっては、想像すらできない政治的グループとのやりとりはいろいろあるんだろうとは思いますけど、でもだからといってこのアクション・プランのデシェ村のヒトたちへの全面開示をしないということは、まったくもってこのアクション・プランの意に叶わないと思うんですけど。」

私 「ねぇ、ディベンドラさん、そう思いませんか?」
ディベンドラ、引き続き少し困った顔をしてみせる。

私 「アクション・プランはあくまでも計画であり、予算に関しても見積もりなんですから、実際にかかるコストと変わってきてもそれは仕方がないことでしょう。この点については、デシェ村のヒトたちから理解を得るのは難しくないとは思います。あくまでも予算ですから。」
私 「それから、アクション・プランの全面開示は、プランの目的、意図を考えると、デシェ村のヒトたちへは開示はしますよ。部分開示なんてとんでもない。何のためのアクション・プランなんですか。」

私 「皆さんの懸念する点、つまり詳細まで開示することによって起こりうるデシェ村のヒトたちとの騒動、利害関係者との調整の困難さ、そしてそのことによる建設作業の遅れ、そういったことを懸念しているということは理解しました。ここは本当に村のヒトたちへの信用の部分もあるのでしょうね。
でも、アクション・プラン全面開示については、譲れませんよ。そうしないと、このプロジェクトは失敗しますから。」

私の主張に対して納得できない建設会社関係者。彼らにとってみれば、任された建設事業を良質で、予算内に、そして期限内に終わらせることが最重要事項。そのためには、想定される混乱は避けたいと思うのは当然のことである。

ここは、事業主である私たちソムニードと建設会社の担当者の間を、現地ローカルカウンターパートのソムニード・ネパールのディベンドラにとりなしてもらいたい。私はそう考えていた。いくら私が「A.Pの開示は絶対しますよー」といったところで、納得してもらえない。ここは私の立場を、そしてソムニードの手法を理解しているはずのディベンドラが、私と一緒になって建設会社側を説得すべきところであるはずなのに、ディベンドラまで一緒になって困っている。

(「え?なぜ?ディベンドラさんならそこはわかるでしょう?」という禁断の「なぜ」質問が頭をめぐるが、そこはぐっと抑える私)

それも仕方のないことかもしれない。ディベンドラだってネパール人。このような地元のヒトとの建設事業の大変さは身をもって知っていることだし、建設会社が懸念することをとても理解している。
しかし、彼は同時にソムニード流アプローチを理解したソムニードネパールのスタッフなのだ。
建設会社と一緒になって想定される事態を懸念している場合ではない。

とにもかくも、私とネパール人スタッフの間で上記のようなやりとり、押し問答がしばらく続いた。

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3.アクション・プランは誰のためのもの?

予算の詳細と行程が誰の目にも明らかになるこのアクション・プラン(AP)は、誰のためのものか。
APを作ることでコストの削減を目指し、納期に間に合わすためのスケジュールづくりという、建設を担うヒトたちのためということはもちろんのことである。しかし、もっと大事な目的がある。
援助業界において、「持続可能な」とか「住民主体の」というフレーズは繰り返し強調される。
事業申請書や事業完了報告書なんかにはお決まりのように記載されている。
私も例に漏れず申請書や報告書なんかにはしっかり記載する。当然のことである。

金の切れ目が縁の切れ目のごとく、事業建設終了後まもなくして建設された施設が遺跡化していれば、それは持続可能な施設建設事業ではなかったということであるし、住民が主体となって継続して運営できなかったわけである。施設の遺跡化はつまり持続不可能な住民非主体な事業だったということになる。
だからこそ、そうならないように、折角建設された井戸でも道路でも排水処理施設でもなんでも、自分たちのコミュニティーでなんとか継続して末永く使ってもらいたい。むしろ、そうでなければならない。
さもなくば、なんのための莫大なコスト投入建設事業かという話だ。

では、住民主体で持続可能な建設事業とはどうすれば実現するのだろうか。
その問に対する答が、上記の「アクション・プラン」と大きく関わっている。

建設の予算や仕組みを住民たちがしっかりと理解することなくして、一体どのようにして住民主体の持続可能な施設の管理・運営が可能になるのか。

――不可能である。

つまり、施設建設完了後、故障や不具合が生じたとき、施設の仕組みや修理コストを知ることなくして、一体どのように誰による施設の修復が可能になるというのだろうか。

――なり得ない。

そこで、建設予算や仕組み、修理費用をデシェ村のヒトたちの中で理解し浸透させるためのツールがこのアクション・プランなのである。
従って、アクション・プランは(1)建設を担う側 (2)デシェ村のヒトたち と両方のためということになる。
となると、アクション・プランのデシェ村のヒトたちへの開示は当然なされなければならないし、プランの部分的開示も意味が無い。
だから、上記の建設関係者が懸念する「アクション・プラン」全面開示の中止、或は妥協して部分開示なんていう選択肢はもっての他なのだ。結局、事務所の一室でむさ苦しく続いた私とネパール人スタッフたちとの押し問答は、どちらも押し切られることなく平行線を辿り、ただ、ただ、疲れた。埒があかないので、ここはもう事務所のトップである和田代表に入ってもらうしかない。しょうがないので、自宅で仕事をしていた和田家に皆でぞろぞろ押しかけることになった。

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4.私たちの存在価値

和田代表の自宅にまで押しかけてきたソムニード・ネパール事務所のスタッフと私。私たちを迎え入れた和田は
「はぁ~なんなんだ 皆でゾロゾロと。またしょうもないことだろう~お前たち!!」的な表情。
私は、「はい~、、そうなんです~。しょうもなくはないんですけど、どうにかしてこのヒトたちを説得してください~」と目で訴える。

事の経緯を改めて和田に説明するスタッフ。
和田「そうか。君らの心配事はよくわかる。」
頷いてみせる和田代表。

和田「ネパールは日本と違って暫定憲法のもとで統治されている国だし、いろいろ落ち着かない部分も多い。
確かにそうかもしれない。ストライキも圧倒的に多いし、皆それぞれに事情があって予定通りに物事が進む事なんてまず無いのもこの国、ネパールだ。ディベンドラや、ウジャール、君らの村の複数の政党との調整がとても大変なこともよ~くわかる。」

和田「しかし、だ。今までと同じやり方をしていてはダメなんじゃないか?」
「一体、何のための、我々ソムニードの介入なんだ?今までと同じやりかたで同じ様に建設を進めるのであれば、僕らがいる必要はまったく無いじゃないか。」

ディベンドラ「・・・・・・」 和田の言葉を聞いて黙り込む。
和田「君らが建設作業を進める上で、地元のヒトたちとの摩擦や混乱を想定するのと同じように、村のヒトたちも我々建設に携わる側を信用していないことはわかるだろう?
事実、デシェ村のヒトたちも言っていたじゃないか。『今まで過去に何度も政府や援助団体からの建設に関する事業が村でもあったが、その度に、あいつらはポケットに金をくすねているんだと。自分たちの村で使えるはずのセメントの袋だって、全部村にまわってきたことがない。村に来る前に一部が消えているんだ。』と。そう言っていたろう?」
一同、頷く。

和田「村のヒトたちからの信用がないまま建設作業を進めたところで、建設が終了した後の運営管理は絶対に誰もしない。どうせソムニードが一部金をポケットにいれているに違いない、材料が十分使われなかったから壊れたんだとか、ネパール政府や他の援助団体とどうせ何も違わないと思われてみろ?一体何がおこる?この事業は絶対にうまくいかない。デシェ村の住民がソムニードに信頼を寄せて初めてこの事業の成功が可能になるんだ。そうじゃないか?デシェ村のヒトたちがソムニードを信頼するということはどこから始まるか。

つまりは予算の開示だよ。この建設には予算がいくらかかるとあらかじめ住民に伝え、理解してもらう。
そしてこの予算の内訳はこの通りで、だから建設費に関して、ソムニードには一銭もポケットにいれたりはしない、ということをきっちり理解してもらう。何か疑問があればきいてもらえればいい。きっちり説明してみせる。

そして約束は必ず守る。アクション・プランに建設開始日を記載すれば、きっちりその日までに開始する。
建設の遅れでスケジュールが更新されたり、或は材料価格の変動で予算が変わったり実績が出ればその都度村のヒトたちと共有する。嘘はつかないし、隠さない。ソムニードはそういうスタンスでこの事業を行う。」

和田家に集まった私たちは皆、和田の言葉にしっかり耳を傾ける。

和田「だから、精度の高いアクション・プランを早急に完成させなさい。そしてデシェ村の全世帯分のコピーを作って、一世帯につき1コピーを配布する。アクション・プランを共有する日を村のヒトたちと決めなさい。」

ソムニードのアプローチが政府、他の団体とのやり方と決定的に違うところ。
そのうちの一つがこの予算の開示である。
予算の開示なくして、いわゆる住民主体の建設事業なんて有り得ないし、その後の住民による運営と管理もありえないことは上記で繰り返し強調してきた。和田を師匠として仰ぐディベンドラにはそんなこと頭でわかっているはず。

それなのに、いざとなった時に、他のネパール人スタッフや建設関係者の意見に押されて、「いや、絶対にアクション・プランは開示するのだ!」と毅然とした態度ではねつけられなかったのだ。
だから私は彼をチラチラみていたのだが、ディベンドラは他のネパール人と同じように、懸念していた。

ディベンドラや他のネパール人スタッフを責めるつもりは全くない。
ネパールという国の持つ政治的背景、歴史、比較的平和に多民族が共存する社会を形成しつつある段階であることを思うと、彼らの気持ちもわからないでもない。しかし、ここでソムニードのネパール人スタッフが変わらなければ、この事業は他の今までの政府や他団体がやってきた事業と全く変わらない。そんな事業を繰り返すつもりは全くないのである。事実、デシェ村からバグマティ川を北川へ超えたところに、4-5年ほど前に政府主導で建設された排水処理施設があるが、今となっては既に遺跡となってしまっている。排水処理施設に限らず、遺跡化した建設物の事例は他にもある。そんな事業をデシェ村で繰り返さないためにも、このプロジェクトに関わる私たちからマインドセットを変えなければいけない。通信の前号でもお伝えした通り、「自分たちがまず変わること」。その大切さを改めて認識した次第である。

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5.終わりに

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2014年8月6日。
作成されたアクション・プランの共有が、無事デシェ村のヒトたちと行われた。

アクション・プランには8月15日より建設作業開始予定と記載していたが、実際には2日ほど早めることができ、8月13日より正式に建設作業が開始した。おまけに、開始時期にあわせて建設地の側に、建設予算の要約や建設施設の説明が記載された看板も無事にたてることができた。

ここまで来るのになんと長い道のりであったことか。今回の通信でお伝えしたアクション・プラン作成とその開示にかかる、すったもんだだけではない。その前段階から、土地に関しての地域住民とのやりとり、その他私の知らないところでディベンドラやウジャールの、村の政党グループとの調整が日々なされていたことはお伝えしておく。彼らも大変なのだ。大変大変とはいいながらも、この建設事業も走りはじめたばかり。

これからが楽しいところである。

最近の通信では、特にソムニードスタッフの心情や成長に焦点をあててきた。読者の皆さんもそろそろ飽きておられるかもしれない。次号では、萩さん再び現る!というトピックスでお伝えしたいと思っている。
あの、萩さんを覚えておられる読者の方も多いのではないだろうか。ネパールに到着して3日後。長靴をはいていた萩さん。
雨で濡れた地面に長靴を滑らせ骨折をした萩原専門家である 。

しかし転んでもただでは起きない。骨折した足を使った萩さん流ファシリテーション研修が、住民の行動変化を促し1年後の今開花していたのだ。その内容をお伝えしたい。乞うご期待!

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注意書き

 ○デシェ村でのプロジェクト=でこぼこ通信第12号をご参照ください。
 ○スマン=スマン・バスニャット 「ソムニード・ネパール」のプロジェクト・コーディネーター。筆者と同世代。(割と)頼れる、頼もしい同僚。
 ○ショーコ=池崎翔子。本通信の語り手。ソムニード海外事業コーディネーター。ネパール事務所へ赴任してはや1年半。気づけば今までにでこぼこ通信を10回担当。難しいことは書けないと、思ったこと感じたことを背伸びすることなく、自分らしく伝えることを意識しながら執筆に取り組む。毎回「あ~あ。また通信ドラフトの締切過ぎちゃったよ。テヘ」と最近は開き直っている。物理的に日本からとても遠く離れたネパールでの事業を、いかに読者の皆さんに親近感をもってもらえるか、どうすれば、この事業は他国の他人のためのプロジェクトではなく、読者の皆さんにも何か通じるところを見出してもらえないか、、とそんなことも一応考えながら、素直に書いている。通信を通じて読者の方との文通の場をイメージ。因みに「ショーコ・ジ」の「ジ」は、日本語の「さん」にあたる。
 ○ディベンドラ=ディベンドラ・バスニャット。「ソムニード・ネパール」のリーダー。皆の兄貴的存在。本通信では特にスタッフの失敗っぷりを暴露しているため、読者の皆さまにディベンドラの魅力を存分にお伝えできていないのが残念なほど、とてもとても優しい、誰からも好かれるネパール人。最近私はよく彼と喧嘩をする。
 ○和田代表=和田信明ソムニードの代表理事、本事業プロジェクト・マネージャー。
「途上国の人々との話し方―国際協力メタファシリテーションの手法」(共著:和田信明・中田豊一 みずのわ出版 2010年)の著者。因みに和田と中田が執筆したこの本との出会いで、筆者はソムニードへの就職を志した。
 ○萩さん=萩原喜之専門家。30年以上にわたり、名古屋など中部地域を中心に、リサイクル、環境改善などにかかわる市民活動を牽引。日本の環境問題にかかわる市民活動の世界におけるリーダーの1人。でこぼこ通信第6号をご参照ください。